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【サッカー育成の心理/物理学 Vol.8】トラップ
こんにちは!
前回はサッカーの技術(テクニック)から少し離れて、テクノロジーの活用について書いてみました。
また、今回はテクニックに戻りたいと思います。
今回取り上げるのは止める、「トラップ」についてです。
止める・蹴るはもちろんセットで考えるポイントです。ちゃんと止められているからこそ、早く正確に蹴れると風間八宏さんは指摘しています。
ゴロのボールを止めるポイントですが、
・足の内側(インサイド)
・足の裏側
・足の外側(アウトサイド)
・足の甲(インステップ)
という箇所に分けることができます。
サッカーを始めたばかりの子どもたちを見ていると、裏側で踏んづけて止めるというところからスタートするケースが多いようです。
または止めずにダイレクトで蹴り返すというケース。
裏で踏んで止める(厳密には裏の先端部分)というのはフットサルで良く使われる止めるポイントです。
これにより完全に止まりますが、フットサルの様に狭い局面であれば有効である一方で、足元にボールを止めると次のボールが蹴りにくくなってしまいます。
なので、しっかりと足の内側で止める技術を高めてほしいと思います。内側で止めると止まり過ぎないというのが利点です。
上述した通り、止めると蹴るはワンセットであり、どこに止めるかと言えば、自分の間合いで次の動きに最も良いポイントと言えます。
一方で足の内側のどこに当てれば良いかは人によって違うという印象を持っています。
風間さんですと、親指の付け根の少し横、硬くなっているポイントと仰っていますし、元日本代表の内田篤人さんだと横ではあるものの、芝生を活用しバックスピンを少し掛ける意識のようです。(これは川崎フロンターレの大島選手のトラップも似ています)
なので、しっくりくる場所(スイートスポット)を見つけて、それが見つかったら意識を行い、徹底して止める練習をすれば良いと思います。
私が子どもの頃は少し引くという教えでしたが、それだと足元に入りすぎ、次のプレーが遅くなってしまいます。
現在の主流は風間さんや内田さんの様に足元に止めすぎず、次のプレーがしやすいというのがポイントだと思います。
親御さんがお子さんと一緒にサッカーをする(ボールを蹴る)際にできる工夫を紹介したいと思います。
・トラップの際の力加減を調整していく
足を強く固めてしまう(力を入れ過ぎる)と、反発力が働き過ぎてしまいます。かといって弱すぎるとボールの力に負けてしまいます。
また、股関節へのダメージも心配です。良い感じの力加減(これも人によって違うと思います)になるよう調整していってください。
・体全体で
ボールを蹴る時も止める時も足だけでなく、体全体でバランスを取りながら、そして力の状態を意識しながら止めるというのが必要になります。
・ある程度できるようになったら、強いボールや浮き球を織り交ぜる
ある程度できるようになったら、それなりに強いボールを蹴ってあげてください。結局、強いボールをちゃんと止められるというのが理想的です。
また、ボールもストレートだけでなく、カーブ気味の回転や浮き球を混ぜてあげてください。
特に最近の子どもたちは空中の感覚が弱い傾向にあるようで、浮き球は最初は本当に苦戦します。ただ、徐々に落下地点などを読めるようになりますので、それに従った体の使い方を覚えていきます。
・重心を意識
フットボールスタイリストの鬼木さんという長友選手のパーソナルコーチの方がいらっしゃいます。
彼の理論の中で、重心を意識すると動きがスムーズになり、早くなるという考えがあります。
少しボールがずれた時に、足を伸ばして取りに行ってしまうと、止めた後の次のプレーが遅くなります。
それを防ぐために、ボールに体を近づけて、足を伸ばさずにトラップすることを心がけてほしいと思います。
しっかりと理由を教え、足を伸ばした時に重心を意識するような伝え方ですと、なぜそれが良いのかを子供はしっかり理解してくれます。
・対面パスの時の工夫
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図にある通り、コーンを利用して、自分が止める範囲(≒間合い)を意識すると、止める位置がどこだと良いかを意識しながら、練習に臨めます。
対面パスの様なケースが試合中にどれだけあるかは微妙ですが、ただ基礎をやる上で重要です。積み重ねが重要ですので、基礎は大事にしたいものです。
公園でボールを蹴っている親御さんでもったいないと思っているのは、止める範囲を意識せずにフリーにできてしまう環境です。本来は相手が寄せてくるので、自分の間合いで止めないと簡単に取られてしまいます。
・(少し応用)ターン
正面で止まるというのが少しできてきたら、合わせて意識したいのが、ターンの技術です。
フィロソフィーで前を向くことの重要性を説きましたが、ターンにより、一発で前を向き、相手を置きさるという優位な状況を作り出すことが可能になります。
止める・蹴るは結局、連続性のものですので、両者を意識しながら、技術が向上していくと良いなと期待しています。
・見る
また、「止める・蹴る」の前にいかに「見ていられるか」が重要です。見るの要素もフィロソフィーで掲げており、5W1H/2Hで分解できます。
ボールを見ずに、状況を確認する時間を以下にキープできるか、大半のボールを持たない時間の中で、見て、状況判断ができるか、そしてボールが入ったタイミングで「止める・蹴る」をいかに自分の思い通りにできるか、この繰り返しになります。
見る技術に関しては、先述した鬼木さんの書籍「サッカーいい選手の考え方 個とチームを強くする30の方法」が参考になりますので、興味があれば、是非ともご覧ください!