娘が幼稚園を休みたいと言ったら。
「お腹痛い」
朝から娘の調子が悪かった。グズグズして、ご飯も食べないし、身支度もしない。
ただ。
やっぱりよーく見ているとわかるもので、どちらかと言うと気持ちが疲れている様子。もちろん、お腹が痛くないというわけではなくて、休みたい気持ちが腹痛となって現れているのだろうなと感じる。
たしかに、週頭は東京まで小学校の体験会に出かけ、慣れない長距離移動にホテル宿泊。緊張の体験会と、疲れもぐったりたまっている。
大人のぼくだって疲れた。
たぶん。
幼稚園に行ってしまえば、なんだかんだで一日過ごして帰ってくるだろう。
お腹が痛いのだって、しばらくすれば治るかもしれない。
それでも。
熱が出たり、本格的に体調を崩す前のこのタイミングで娘の口から出たSOSは、大切にするべきだと思った。
「パパもママも今日は仕事だから、一緒には遊んであげられないけど、幼稚園お休みする?」
そう聞くと、娘はホッとしたようにうなずいた。
あらためて、在宅ワークは子育て家庭にとって必須だなと思う。在宅ができなければ、娘の気持ちに寄り添ってあげることは随分と難しくなるだろう。
案の定。数分ほどで腹痛もなくなり、娘はウキウキとYouTubeを見たり、お絵描きをしたりし始めた。
そうして過ごす中で、娘に何度も伝えたことがある。
「元気になったなら、体調が悪いふりしないでいいから、楽しく過ごしなね」
ムスメは幼稚園を休むと決めてから、元気になり、遅めの朝食をいつも以上にたっぷり食べた。でも、食べながら「本当はまだお腹痛いねんけどな、お腹空いてんねん」と何度も言った。
かわいいなぁと思いながら、娘なりに罪悪感みたいなのを感じてるんだなと思った。
お休みしてるんだから、元気でいちゃいけないんじゃないか、って。
そんなこと、ないのだ。娘の休みたかった気持ちはなんにも悪いことじゃない。ぼくだって仕事したくない日なんてしょっちゅうだ。
休みにしたことで、元気になったのなら最高じゃないか。やすんでよかったのだ。
だから絶対に「そんなに元気だったら、幼稚園に行けたんじゃないの?」みたいなことは、冗談でも口にしないようにした。
こうした言葉は、子どもの罪悪感に塩を塗る言葉だから。
娘は、ぼくたちの仕事の邪魔をすることなく、ひとりで遊び、おべんとうも完食して、ひとり長いお昼寝をした。
やっぱり、疲れていたんだ。
こうした判断をするときに、妻とぼくとで意見が割れないのは本当にありがたいことだなって思う。ふたりとも「休ませるか」と思ったし、そう思ったらあとは、どうやって仕事するかに意識を向けることができた。
休みたい気持ちの日も、そうしてあげられないこともあると思う。
だけど、それができるのなら、娘の気持ちを大切にしてあげたいと思うのです。
では、また明日。