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結婚してからずっとね。

結婚をしてからずっと。

まだ子どもがいなかった時期もふくめて、つねにぼくの中での最重要は「家族」だった。
結婚をするまでは、正直そんなに「家族」というものを意識してきたわけではないのだけど。たとえば、子どものころから親子、家族で仲がよくてよく一緒に出かけるとかいうこともない。逆に仲が悪くて、反面教師的にいまは家族を大事にしている、ってこともない。

結婚してからずっと。

「籍を入れたら家族になる」のではなくて「日々の生活のなかで『家族になっていく』」のだと思ってきた。これはもはや信念に近い。言い換えれば、家族なんて『家族であり続けるための手触り感のある努力』を積み重ねていなければ簡単に、各々が思いもよらぬ方向へと進み始めるものだと。そして、そのときに繋がりを感じられなくなってしまうものだと思っている。

子どもが産まれてからずっと。

娘と過ごす時間をなによりも大切にしてきた。
この娘といっしょに過ごすであろう、20年前後は、話をしたり遊んだりすることを楽しもうと思ってきた。面倒だったり、楽しくなかったりすることもたくさんあるけど。
きっと、妻と過ごす時間よりもずっとずっと短い時間になるだろうから。
その時間は、宝物のような思い出で溢れたものにしたいと思ったから。

1か月。1週間単位でできることが増えていく娘。
そして、あと数年もしたらいっしょにできなくなることが増えてくるだろう。

抱っこすることも、絵本を読みながら寝ることも、手をつないで出かけることも、なくなっていく。

それはうれしいことでもあるし、すこしさみしいことでもある。


「未来のことを思うと、すこし不安になったりする。だけど、いまこの瞬間だけに目を向ければとても楽しくて、幸せだったりするんですよね」

昨日、そんな話をした。
子どもは、そんなすこし不安になってしまう未来のなかで、ちゃんと輝き続けてくれている未来のひとつかもしれない。


だから、家族の未来を一生懸命育むことは、けっきょく自分自身の未来を育んでいることと同じなんだろうと思う。


では、また明日。

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三木智有|家事シェア研究家
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