探究学習をしている子どもたちは、どうやって夢を見つけていくのか?ー探究メディアQトークライブー
「探究学習をしている子どもたちは、どうやって夢を見つけていくのですか?」
先日参加した”学びを探究するメディア『 Q 』トークライブ―2020教育改革に向け「これからの探究学習」はどこへいくのか?ー”での質問。
このイベントは、学びを探究するメディア『Q』のキックオフイベント。Qという名前の通り様々なクエスチョンを起点に、学びは深まっていく。様々な探究の実践者たちがつながり、実践を深めていくためのメディアです。
このイベントの中で、発しられたひとつのクエスチョン。
それが「どうやって夢をみつけていくのですか?」
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質問に対して、Qの責任編集であり、ラーンネット・グローバルスクールの創始者でもある炭谷氏はこう答えました。
「夢をいきなる見つけることはない。
色々と選んでいく中でみつける。そこには、ひとりで探究するだけでなく人との出会いも大きい。
やりたいと思った時にそこに向かってアクセルを踏むかどうかです」
話を聞きながら、ぼくの中でも小さなQが浮かび、広がっていきました。
好奇心の種を摘み取る大人
「興味を持って取り組んだことには、成果を出さなくてはいけない」
大げさに言えば、子どものころぼくはそう言われながら育ってきた。
・中途半端に辞めてない? 最後までやり通したの?
・それは、勉強につながるの?
・将来の役にたつの?
当たり前のようだけど、大人からは何かをはじめるたびにこうした問いかけをされてきた。
ぼくはだんだん、いまやっていることがどれだけ将来に役立つかを適当にでっち上げるようになり、一方で将来につながらないことをするのは無駄なんだという思い込みを育ませていった。
将来につながらないことは無駄なんだ、という思い込みはぼくの中から好奇心をどんどん奪っていった。
「やりたい」「知りたい」「気になる」こうした思いが芽生えた時に「それを知ってどうなる?」「それをするとどうなる?」ともうひとりのぼくが、したり顔で好奇心を責める。
小学校のころに絵を描くのが好きだったぼくは、ノートにこっそりと漫画を描いていたのだけど、それが面白くのめり込むほどに続けることが怖くなった。
「漫画を描きたいの? それ描いてどうなる? 漫画家になるの? なれなかったらどうするの? 無理だよ、そんなことしてないで勉強でもしてたら?」
ついに親に見つかり「遊んでないで勉強しなさい」とノートを取り上げられ、ぼくは漫画を描くことをやめた。
だけど、自分の中での葛藤がなくなったことで少しホッとしてしまったのも事実だ。
アクセルの踏み方と、ブレーキのかけ方
中には摘み取られずに生き残った好奇心の種もある。
珈琲を好きな気持、インテリアの道、料理なんかも好きだ。
結果として、生き残ったわずかな好奇心の種は大きく育った。ぼくにとっては一生の宝とも言えるし、ぼくそのものでもある。
大人は、無尽蔵に広がる好奇心の種を、自分の経験や知識から効率的に間引いて、将来の糧となる好奇心に注力できるようにしてあげるのだろうか。
そのおかげで、好奇心は大きく育まれていくのだろうか。
そんなことはない。
「誰かになにか言われた程度で諦めてしまうなら、その程度だったんだよ」というのは、間違っていると思う。
好奇心の種は弱々しく、簡単に死んでしまう。
せっかく芽吹いても、すぐに枯れてしまう。
イベントの中で炭谷氏の言葉が印象的だった。
ラーンネットの卒業生が言っていました。
ぼくは、ラーンネットでアクセルの踏み方を学びました。そしていまはブレーキの踏み方を学んでいます。
アクセルとブレーキ。両方が必要なんだと思う。
探究の意欲を殺さない評価
ラーンネットなど、探究の先駆者たちはその教育の中で子どもたちが興味を抱くような好奇心の種をたくさん用意する。
好奇心は、自分だけで見つけて育むことはむつかしい。なぜなら子どもの世界や視野はまだまだ狭く、限られているから。
そこに、興味を持ちそうな物をそっと用意する。
子どもがそれを拾い上げて、観察をはじめ、のめり込むこともあれば、気づかずスルーしてしまうことも、すぐに捨ててしまうこともあるだろう。
だから、まずはたくさんの選択肢にとりくみ、育める種を探す。
そしてそれにのめり込んだら、余計な邪魔はしない。
その際の評価について、京都造形芸術大学教授・副学長の本間正人氏 がすばらしいコメントをくださった。
評価は、過去に向かってされても意味がない。
未来に向かって評価しなければ意味がない。
教育者はもちろん、親としても自分の評価が過去に向かって言ってしまっていないか、未来に向かった評価になっているかを忘れないようにしたい。
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今日も、見に来てくれてありがとうございます。
伝えたいことがたくさんありすぎて、まとめるのが難しかったです。この日の学びは色々とあるので、少しずつ実体験を踏まえながらまた書いていこうと思います。
ぜひ、明日もまた見に来て下さい。