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“いま”を愛おしく。

むかしからぼくは、まだ訪れてもいない未来がとても怖かった。
自分の人生に目標が持てないと不安でしかたなかった。

「将来の夢は、インテリアコーディネーターで独立すること」そんなことでも、目標としてかかげることで、自分の歩く方向が見えてくるような気がして安心していた。

※※※

娘は将来パティシエになりたいという。
だけど夏休みにバームクーヘン作りに参加したとき、繰り返される地味な作業に嫌気がさして「パティシエやめたー」とソッコーで投げ出した。

「パティシエになりたいんじゃないの?」
あまりの呆気なさに、思わず聞いてしまう。
「面白くないから、やめたの!」
なぜかケーキを作っている時よりも、やめた決断をしたときのほうが目が輝いてる。

娘が本気でパティシエを目指すとはもちろん思っていない。だけど、やめた! と気楽に宣言してくれたことがぼくは嬉しかった。

パティシエを諦めた娘は、バームクーヘンには目もくれずに、なにやら絵を描き始めた。バームクーヘン作りよりも、絵を描いているほうが楽しいのだ。

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“いま”を目一杯楽しむことが、大切なんだなと思った。ぼくは未来に向けた目標がないと不安で、未来につながるであろう何かしかやりたくなくて、たくさんの寄り道を切り捨てて来た気がする。

夢は、ときに視野を狭めてしまう。
それだけにのめり込むというのは、それ以外は目に入らないということなのだ。

目標に向けて、視野を狭めて集中する時期もあるかもしれない。だけど目標なんか持たずに視野を広げていくのが大切な時期だってあるんだ。

※※※

パティシエになるから、楽しくないバームクーヘン作りをがんばるよりも。
パティシエはやめて、目の前のお絵かきに夢中になっている姿のほうがずっと娘らしかった。

いまを、目一杯楽しんでるんだなぁと感じるのです。


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今日も見に来てくれてありがとうございました。いまに集中するってのが最近のテーマです。
ぜひ、また見に来てください。



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三木智有|家事シェア研究家
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