なんでもないオムレツが、父の味になる。
オムレツが父の味になりつつある。
なんのことはない、普通のオムレツ。
味付けは、塩だけだったり、コンソメ味だったり、中華の元とオイスターソースだったり色々だけど、娘のお気に入りはだし醤油仕立て。
割った卵に、だし醤油を少々入れてときほぐす。
白身がドロっと残るのが娘は嫌いなので、よくかき混ぜて白身をしっかり切る。
フライパンを熱々に熱したら、油を少々。本当はバターがいいのだけど、面倒なので一番手元で取りやすいところに置いてあるオリーブオイルを使うことがおおい。
オイルの香りがたってきたら、卵液を流し入れる。
ジュワッといい音がすると、「今日もオムレツつくってるな〜」という気持ちになるから不思議。
まわりがすぐに固まってくるので、それを内側に入れていくように混ぜる。
フライパンを揺らしながら、手早く。
あんまり混ぜすぎると、スクランブルエッグになっちゃう。それはそれで、別にいいんだけどオムレツにするなら半熟くらいで混ぜるのをやめる。
箸を離してしばらく放置。ふつふつと卵がまわりから固まり始める。
少しだけフライパンを揺らしてみて、卵がスルリと動いたらひっくり返してもフライパンにくっつかないタイミング。
プロのオムレツみたいに、フライパンの柄をトントンなんてしない。
端っこを箸でつまんで、ぺたんと半分に折っておしまい。
スプーンで切れ目を入れるとふんわりトロトロ。
簡単だし、失敗しない。
折らずに、丸いまんま平皿にこんもり盛ったご飯の上に卵をスライドさせて、のせてもいい。
オープンエッグのオムライスになる。
ケチャップでアンパンマンの顔でも描いたら、立派なお子様ランチ風。
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別にオムレツが得意で、よく作っているわけじゃない。
父の味、母の味って、たまたま子どもが好きだから、簡単だから、いつも、つくっているから、などさまざまな理由でなっていくのだなぁ、なんて思う。
「たまごやき(オムレツのこと)食べたい!」と(ほぼ毎朝だけど)言われるたびに、このなんでもない普通のオムレツが娘との思い出の料理になっていく気がする。
きっと、オムレツは父の味のひとつになって行くんだろうな。
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今日も、見に来てくれてありがとうございます。
今朝は、オムレツづくりを妻に伝授(?)しました。このなんでもないオムレツは家族の味になっていくのかもしれません。
ぜひ、明日もまた見に来てください。