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家族をアンラーニングする。

家族をアンラーニングする。

これができていないことで色々と不具合を起こす家族が、たくさんいるのだろうと思うのです。
逆を言えば、これまで自分の中にある「あるべき家族像」をアンラーニングすることさえできれば。家庭は自分(や、家族)にとって本当に心地よい居場所になると考えています。

家族をアンラーニングとは、どういうことか。
今日はそんなテーマで書いてみたいと思います。

▶ 僕たちは、自分の育った「家族像」しか持っていない

多くの人は、自分が育った家族以外の家庭生活を知る由もありません。
それをなんとなく「日本の一般家庭」という枠組みで捉えて「普通こうだろう」と思っています。

それはつまり、無意識のうちに「あるべき家庭生活」という形で自分の中にインストールされているということです。または、反面教師的に「あってはならない家族像」として。

子ども時代。家に帰れば「お母さん」がいて、おやつやご飯を出してくれた。「おかわり!」と言えば「お母さん」がご飯をよそってくれた。

この風景を「一般的」で「普通」だと思う人もいれば。

両親共働きだったけど、近くに住んでいた祖父母の家でご飯を食べていた。

人もいれば。

鍵っ子で家に帰っても誰もいなかった。ご飯が作ってあったから、それをレンチンして食べていた。

人もいます。他にも家庭によって状況は様々。
このような大きな違いから。

「家でスリッパを履くのは当たり前だった」人もいれば「スリッパは履かなかった」人もいるし「カーペットの上は脱いだけど、それ以外は履いていた」人だっています。

こうした個々の持つ家族像の違いは、意外と夫婦間の揉め事を生み出す火種となります。

カーペットをスリッパで歩くかどうか程度ならいいかもしれません。
でも「母親が家にいてあげないと、子どもが可愛そう」と言うような価値観は(それを男性、女性どちらが持っていたとしても)家族像に大きな影響を及ぼしていきます。

▶ 国が作った家族像OS

そもそも日本における「サラリーマン」という働き方は、1950年代半ばからの高度経済成長期に、都市部への人口流入とともに激増した。それまでの農業や自営業は家族ぐるみで働き、女性の労働力率も高ければ、子どもも家事や稼業に駆り出されていた。それに対し、核家族で団地に住む「サラリーマン」スタイルは男性が正社員で一家の稼ぎ主となり、専業主婦が支えることを前提としてきた仕組みだ。

夫が長時間労働を担い、子どもは3歳まで家庭でみる。専業主婦が将来の労働力である子どもや、激務の夫を家庭で癒し、職場などの「生産労働」へと再び送り込む。このような家庭での家事労働を、社会学では「再生産労働」と呼ぶ。こうした妻の支えを前提として、家族手当が払われ、会社が家族ごと丸抱えで責任を負うような仕組みが企業の福利厚生や給与体系に盛り込まれてきた。

専業主婦を産み続ける日本の「無限ループ」:中野円佳 氏

この記事にもあるように、いわゆる「サラリーマン夫 + 専業主婦」という組み合わせは、別に伝統的日本の家庭像でもなんでもないのです。

高度経済成長時代に、その時代の社会に適した形で作られていった一つの家族像。国はそれを税制の優遇制度を使ったり、会社では家族手当や福利厚生などを使って構築してきたのです。

▶ 機能しなくなってきた古いOS

でも、いまでは多様な家族の形があることを、みんなが認識するようになってきました。

住む場所、働き方、個人の価値観、LGBTなどカップルのあり方によって、必要な「家族OS」は違うのです。

それを全部、自分が育ってきた旧OSに対応させようとすれば、バグが起こっても当然。

たまたまパートナーと近い家族OSを持っていれば、うまく行くかもしれません。でも多様な価値観が認められるようになった現代において、それはなかなか難しいことかもしれないなと感じます。

「男は大黒柱であれ」
「家事育児は女の人の方が上手」
「お母さんが家にいないと子どもが可愛そう」
「男は家事が苦手でもしかたがない」

こうした古いOSは、今の社会では「NO!」と言われがちです。
夫婦間でOSのすれ違いが起これば、家族関係にバグが生じてしまいます。

▶ 家族をアンラーニングする

結婚するということは、新しい家族像を構築していくことです。
でも、古いOSのまま新しい価値観を追加していってもどこかで無理が出てしまう。

そこを柔軟に、もう一度1から一緒につくっていける人たちは余計なバグを起こさず新しい”わが家”を構築しているなと感じます。

僕は結婚前に妻から「わたしは家事とか得意じゃないから」と宣言を受けたことが、アンラーニングのキッカケとなりました。

「サラリーマン + 専業主婦」という家庭で育ち、祖父の強い「男は家のことなんかしてはいけない」という価値観を浴びながら育った僕のOSは、とても家事シェアなんて受け入れるようなものではありませんでした。

家では男はしゃべらなくていい。しゃべらなくても、必要なことは女性が察してサポートしてくれるのが当たり前。

極端じゃなく、そうした家族像の中で育って来たのです。

結婚前の僕の価値観としては。
「妻が働くのは応援してる。けど家事はちゃんとやって欲しい」
せいぜい、そんなものだった気がします。それで「理解ある夫」だと思っていた。

けど、妻は「家事が得意じゃない」と言います。僕から見て決して不得意には見えませんでしたが、とにかくそう宣言された。

そこから少しずつ、自分の持っている家族像をなくしていく作業がはじまりました。

1から妻と一緒に、新しい「わが家」を作り上げなくてはならないのです。
「普通は」「一般的には」「自分が育った家では」こうした古いOSが発動しないように、話し合いながら進めて来ました。

これは、妻の持っている家族像OSに合わせていくことではありません。

僕と、妻にとっての最適解を常に探し続けて来た感じです。

そのおかげで。
結婚して12年以上になりますが、どちらの家庭とも似ていないオリジナルの「家族像」ができています。そして、この家族像はこれからもどんどんアップデートされていくのだと思うのです。


▶ わが家を、家族に最適化させる

価値観が多様化して、「家」を守ることよりも「個人」の幸せに価値を置くようになったいま。

家族のあり方は、本当に様々になりました。
そこにはロールモデルもなく、答えもなく、自分たちでオリジナルのわが家を作るしかなくなったのだと思います。
自由で、素晴らしいこととも言えるし。それだけシンドいとも言えるかもしれません。

ただ、自分が思っている家族をアンラーニングして、もう一度自分たち向けに作り上げることができれば。

とても心地よい家庭を作ることができるのではないかと思うのです。


では、また。


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三木智有|家事シェア研究家
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