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子どもの”好き嫌い”をそのままにしておいてよかった話。
うちの娘は好き嫌いが多い。野菜全般苦手で、お肉も食べられるものと苦手なものが結構別れます。
わが家の料理担当のぼくは、この娘の”好き嫌い”にはずいぶんと悩まされてきました。
毎朝作っているお弁当も、少しでもバランスよく食べて欲しいと思ったり。
夕ご飯も娘の分だけ別メニューを作ったりしてきました。
*
娘が好き嫌いを言うようになり始めた3歳くらいのころ。
それまではわりと何でも平気で口にしていたのにな、と思いながら好き嫌いなく食べられるようになって欲しいなと思いました。
色々工夫しては、どうにかして食べさせようと躍起になっていました。
でも、あることをキッカケに嫌いなものも食べられるようにするよりも、食べること自体を楽しんでほしいと思うようになったのです。
とはいえ「嫌いなものは食べなくてもいいんだよ」という雰囲気は作りたくなかった。だから無理に食べさせるようなことはしないけど、「ちょっとずつチャレンジしてみよう」とは言い続けました。
ひと口なめるようにしては「うえーー」っと顔をしかめたり、爪の垢ほどのネギのかけらを食べて「ネギが食べられるようになった!」とよろこんだり。
娘の中で「食べる」というのはきっと、大きなハードルで。
幼稚園のころは量もたくさん食べられなかったし、嫌いなものもたくさんあって、いつも悔しい思いをしていた。
小学校に入っても、週一回ある給食の日は嫌いなものがメニューにでることも多い。昼休み中に食べ終わらなくて、それをわざわざ残しておいて放課後にがんばって食べてみたり。
でも、今年の初詣。
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「やさいがたべれるようになりますように」
絵馬が欲しいと言うので何を書くのかなと思ったら。
それから、少しずつ少しずつ自ら進んで野菜にチャレンジするようになったのです。
レタスを自分からお皿に盛り付けたり。
ミニトマトのかけらを口に入れてみたり(これは食べられなかった)。
れんこん、かぼちゃ、ほうれん草、玉ねぎ、ブロッコリー。
好きになった野菜もあるし、まだまだ苦手な野菜もある。
そして、ぼくは娘のための特別メニューをつくるのをやめました。
大人と同じものを、同じように食べる。
はやく、そういう日が来て欲しいと願っていたその日が、ついに来ました。
食べられないものは、まだたくさんあって。
同じと言いながら、やっぱり食べられないってこともあるけれど。
娘は食べることが大好きだし、苦手に挑戦することも自らがんばっている。
いまになって思うのです。
無理に食べさせようとしなくてよかったって。
食べるのが嫌いになるほどに、無理強いしなくてよかったって。
ぼくは子どもの頃、太っていたせいもあって「食べる」ことがコンプレックスでもあったから。だから、食べることを素直に喜べないってのがどれだけ虚しい気持ちになるかわかるから。
いま、娘が楽しそうに、嬉しそうにご飯を食べている姿を見ると、ただただホッとするのです。
では、また明日。
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