親が理想とする最高を与えることより、娘が「面白い!」と思うだろう選択肢を与える。

子どもの頃、ぼくはボーイスカウトに入っていた。
でも当時は、アウトドアもボランティア活動もチームでの行動も、何もかもが嫌いだった。いまは、もっと楽しんでおけばよかったなって思うけど、嫌だったものはしかたがない。

ボーイスカウトでは毎週のように、キャンプやら山登りやらに行っていた。近くの小さな山でロープ結びの練習をしたり、火起こしの練習をしたり。
赤い羽根募金で街頭に立って、呼びかけをしたりした。

ぼくはそんなことより、家で本でも読んで過ごしたかった。

当時、少しずつ太り始めていたぼくに運動をさせようと、親は色々と試行錯誤したようだった。その結果、隣に住む2こ上のお兄さんがやっているからということで、ボーイスカウトに入ることになった。小学生はカブスカウトという。

ボーイスカウトでは、アウトドアだけでなく、人を助けることやチームで行動することを学ぶ。虫が嫌いで、人とのコミュニケーションが苦手で、出不精だったぼくの欠点を全部補ってくれそうだ。
でも、言い換えればそれは全部嫌いなことでしかなかった。

ぼくもいま、親になったことで当時の親の心配がよくわかる。
「いいところ」は放っておいても伸びる気がするけど、「ダメなところ」は親がなんとかしてテコ入れしてあげなくちゃ、って考えてしまうのだろう。

どうしても教育っていうと、そうした凸凹をなくして”まあるい”欠点のない大人に磨き上げたくなる。

だけど、成長する娘を見ていると欠点のない”まあるい”大人になって欲しいとは、思えなくなってきたのだ。

娘が通う東京コミュニティ・スクール(TCS)をはじめ、この数年間で見てきた色んなオルタナティブ教育を取り入れたスクールに通う子どもたちは、みんな凸凹している。中には”まあるい”子もいるのだけど、そういう子もその”まあるさ”がとても個性になっていたりする。

それはきっと、欠点を無理やり伸ばして”まあるく”矯正したからじゃないのだろう。
どの子も、自分が興味を持ったことをワクワクと探究している。その結果、凸凹する子もいれば、まあるくなる子もいるというだけのこと。

それこそ、TCSのサマープロジェクトの発表で全員のプレゼンを見ていても、聞いているこっちがワクワクしてしまうのだ。

そういう子どもたちの姿を見ていると。

苦手なところを矯正するよりも、本人が夢中になってしまうことをサポートしてあげたほうがいいなって思う。

子どもの探究心や好奇心は、すぐに火が着くけど、すぐに消えてしまいやすい。
だから「いいところ」は放っておいても伸びるとは限らないのだ。

親として、自分が考える最高を娘に与えてあげたくなる。
いろんな条件が許してくれるなら、どんどんいい教育をわが子にって思う。

でも、そのときに子ども自身の「面白そう!」って感情を置き去りにしてはいけないのだ。だって、それに取り組むのは、通うのは子ども本人だ。

子どもがワクワクできなくて、いやいや通う「親が思う最高の教育」が、その子にとって最高の場になるとはどうしても思えない。

子どもを置き去りにしないように、それだけは気をつけていたい。

では、また明日。

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三木智有|家事シェア研究家
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