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私的、よく読まれた記事

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はじめましての方へ。おすすめ入りした記事など、わりと読んでもらえているなという記事をまとめました。もしよろしければ、自己紹介の代わりとして。
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#エッセイ

「逃げてもいいよ」じゃなくて「逃げよう」と言って欲しい。

あれは確か、中学生のころ。 学校がまったく好きになれなかったぼくにとって、気楽に過ごせる唯一の場所が当時通っていた塾だった。 そこは個別指導塾で、部屋の中は机ごとにパーテーションで区切られていた。 そこでは、先生とマンツーマンで授業が進められる。 ぼくを担当してくれていたキムタク似のイケメン大学生の先生と、勉強とは関係のない他愛もない会話をするのが何よりも楽しかった。 大学の話、お互いの彼女の話、クラシック好きだった先生が熱く語る(けどつまらない)コンサートの話。中学生だ

「学校へ行かなくてもいいよ」の先にある未来。

今日、9月1日は夏休みが終わり学校がはじまる日。 この日は子どもの自殺がもっとも多くなる日(自殺対策白書:内閣府)。 子どもたちは、今日という日に学校へ行くことができただろうか? 行きたくない子は、無理せず無事に休むことができただろうか? 今日を、無事に生きのびてくれただろうか。 メディアなどでは「学校に無理して行かなくても大丈夫だよ」というメッセージが飛び交い、学校よりも生命の方が比べ物にならないくらい大切なんだと伝えている。 だけど、子どもにとって「学校に行きたくな

たった3切れの卵焼きだけが入った、お弁当。

今日の娘のお弁当は、卵焼きが3切れだけ。 いつものお弁当箱に、銀色の余白がすこしさみしい。 たった3切れの卵焼きだけが入った、お弁当。 このお弁当にはちょっとしたわけがある。そして、これは娘が心から望んだお弁当でもあるのだ。 *** 昨日の夜。娘は突然そわそわとし始めた。 「どうしたの?」 「明日の幼稚園が嫌やねん」 娘が「幼稚園が嫌」という場合、たいてい理由は他にある。だからこういうときはじっくりと、彼女の本当の嫌がなんなのかを聞いていく。 「幼稚園の、なにが嫌な

こんなにも、ぼくの幸せのハードルが下がってしまったのは君のせいだ。

妻がこんな投稿をした。 今日は娘が楽しみにしていたプールへ、朝から家族でお出かけしたのです。 その行きしなに、車でコンビニに寄り、軽食やら飲み物やらを買ったときに、ぼくがホクホクになっていたという投稿。•••無意識だったからちょっと恥ずかしい。 とは言え、いったいいつから、なぜ、こんなにもぼくの幸せのハードルは下がってしまったのだろう。コンビニで買い物して幸せなんだから、もう歩いてるだけでまたげてしまうほど、ぼくの幸せハードルは低ラインと言えるかもしれない。 夫婦で幸

疲れているなら、大切な話を後回しにしてでも夫婦でくだらない話をすることをおすすめする!

余裕がなくなってくると、夫婦の会話って「ほうれんそう(報告・連絡・相談)化」して来ちゃうよなって思っています。 夫婦の関係は、くだらない会話でできてる(気がする)お互い忙しくなってくると、段々と必要なことしか話さなくなってきます。 幼稚園の準備とか、牛乳のストックがあるかどうか(娘が牛乳大好きなので切らすと文句言われる)とか。 で、忙しい中でもふいにぽっかり時間ができたりすることがあります。 そんなときに、わーっと普段の生活とは全然関係のない話をする。 最近読んで面白かっ

娘の弁当を作った250日の振り返り。

「これからは、幼稚園で毎日お弁当がいるんだ」 東京から京都へ移住した1年半前、自分がはたして毎日お弁当を作ることができるのかなと不安になっていた。 娘はひとりでスプーンや箸を使ってごはんが食べられるのだろうか。 お弁当の蓋をちゃんと開け閉めできるだろうか。 いまとなっては、なにをそんなに心配してんだか、と苦笑いしてしまいそうになるけれど、その頃はそんなことでさえも心配だった。 幼稚園の入園まで約1ヶ月。 ぼくは自分が朝起きてお弁当づくりなんてできるのかを試すのと、娘がちゃ

娘と一緒に死について考える。

きっかけは、娘と見ていたアニメのセリフだった。 「人生はあっという間」というようなセリフ。 「”じんせい”ってなに?」と娘がぼくに聞いてきた。 「人が産まれてから、死ぬまでのことだよ」 「みんな死ぬの?」 「そうだね、みんな死ぬね」 「死ぬってなに?」 死ぬってなに? そう聞かれて少し答えにつまった。4歳児にもわかるように答えるにはなんと言えばいいのだろうか。 もう二度と動かなくなること? 心臓がとまること? 細胞が活動を停止すること? もっとライトな表現もあるだろ

結婚10年目なので、妻のいい所を書き出してみた。

今日は、結婚10年目の記念日。 月並みだけど「もう10年も経ったのか」と月日の速さに震えます。 と、言うことで(?)結婚10年を記念して妻のいいところを列挙してみようと思います。 ゆいいつ、憧れ、尊敬する存在 身近な存在の中でゆいいつ心から尊敬する存在。と、妻に言ったら「〇〇さんは? 〇〇さんとかは?」と何人か言われ「あぁ、たしかに。憧れ、尊敬してるわ」と、一瞬で“ゆいいつ”の座が揺らいでしまったけど。 でもまあ。誰よりも知っている存在であり、付き合いの深い存在でありな