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エディンバラ大学大学院留学体験記~その13 グループワークの感想ついて~

今回の記事では今のプログラムで進めているグループワークの感想についてお話ししたいと思います。現時点までで2つの授業でグループワークが進行しているので、その感想についてお話ししたいと思います。

グループワークでの苦労

まず最初にグループワークでの苦労をお話ししたいと思います。
いきなりネガティブな話かという感じですよね。正直グループワークを始めた当初は課題のほうが多かったです。
ただそのあとに課題を解決できたので、時系列に沿ってお話ししようと思います。

中国語で話をされる

まず事実として私のプログラムの8割ほどは中国からの学生です。
これ自体は大きな問題ではないのですが、問題はグループワーク中に中国語を話されるということです。私は中国語が全く分からないので、その間完全に待ちの時間になります。これは結構しんどいですね。
中国語で話しているのも私を議論から外そうという悪意を持った行動ではなく、単純に英語でなんて言えばいいかわからないから中国語で話した後英語で伝えてもらうという感じでした。
だとしても最初の頃は結構きついなと思っていました。
せっかくイギリスに来たのに中国語のリスニングしてるよという気持ちが湧いていましたね。
英語で議論をしていて私のリスニング力が足りないとかであれば頑張ろうと思えるのですが、さすがに今から中国語を勉強してキャッチアップするのは難易度が高すぎるので。
私のグループは6人グループで私以外の5人は中国語話者だったので、中国語がマジョリティの環境ならある意味仕方がないことなのかもしれません。

理解度や認識の違い

これはグループワークの醍醐味だともいえるのですが、個々人の理解度に差があるので、どの観点からそのトピックを提示しているのかクリアにするところがスタートになるということです。
一人で考えるだけであれば、自分が読んだ論文とか書籍の内容をベースに整理できますが、ほかの人のコメントはどういうプロセスでその意見が出てきたんだというところから明らかにする(私が個人的に明らかにしたい)必要があるので、そこは一つ大変な部分でした。

グループワークのよかった点

先に挙げた2点がグループワークを始めた当初抱えていた課題でした。
課題があることが分かって何もしないというのは課題がわかった意味がないので、どうしようかなと考えて取り組んだ結果、課題は見事にグループワークの良かった点にすべて裏返りました。

主導権を握ることができた

グループワーク中に中国語を話されることは心理的にきついものがありましたが、今更中国語を勉強して間に合う問題ではないので、そこは諦めて議論から外されないためにどうすればいいかを考えました。
黙っていたら確実に議論の輪から外されていくので、積極的に参加して中核メンバーになるしかないなと考えたわけです。
実務経験があったことも活きました。
グループワークで提示されている課題はこういうことで、次回の集まりまでにみんなにここまで準備しておいてほしいということを率先して発信しました。また議論をする際にも司会進行役みたいなポジションで、この課題についてコメントがある人はいないかという感じで場を回すポジションに立ちました。
その結果、議論から外されているという疎外感もなく、むしろグループワークを自分がコントロールしているという実感が持てて、非常に楽しかったです。
司会進行やりすぎて面接官みたいだねって言われましたけどね。1vs6の構図が出来上がってましたけどね。

しっかり予習復習できた

これは先ほど挙げた主導権を握るという点においても大いに役立ちました。主導権を握るためにどうしたらいいかと考えたのですが、話を主導するためには相手が何を言っているのかを理解する必要があると思います。
個々人の理解度に差がある際に、Aさんの発言を受け取って、それ以外のみんなにもどういう議論をしているのかという視点を共有してもらう必要があります。そのためにはAさんの発言がどういう意図なのかということを受け取るための事前知識が必要で、さらにそれをほかのメンバーに共有するだけの噛み砕いた説明というプロセスを踏むわけですが、そのためにはその場にいる誰よりもトピックの周辺知識を身に着けておく必要がありました。
どういう内容の議論がされるのかということを事前に想定して準備をする過程で、授業の予習復習にも大いに役立ったというわけですね。

グループワークを通じて学んだこと

グループワークを通じて学んだことは、まずグループ内で必要とされる存在になることが重要だと思いました。そして私にとってはそれはグループワークを先導するポジションをとるということだったんですね。
そしてグループワークを先導する立場にいる人間にとって重要なことは、そのゴールがどこにあるかをしっかりと意識することと、ゴールにたどり着く過程を明確に想像することだと思いました。
この人はどこを目指しているのかハッキリしている、この人のガイドに沿って進めるのが楽そうだと思ってもらえなければ、グループワークの主導権を握らせてもらうことはできないだろうと思います。
その信頼を得るためにはコメントは的外れであってはいけませんし、メンバー全員に同じ方向を見てもらうコミュニケーションが重要になるということだなと。
日本でやっていたグループワークの本質も変わらないのですが、日本人がマジョリティなので、スタートでの疎外感やストレスはほぼ0に近かったです。
自分が溶け込めるかどうか怪しいというところからスタートするグループワークは、今まで意識していなかった重要な点をより鮮明に浮かび上がらせてくれました。また、グループ内で疎外感を感じる可能性がある人へのケアを怠ってはいけないなと実感しました。

まとめ

今回はグループワークの感想をまとめました。
最初はネガティブな要素だと思っていたことが一気にポジティブな要素に変わった経験でした。
読者の皆さんの中にも現時点でなんか嫌だなと思っていることを抱えている人がいるかもしれません。ただその嫌な事象に対して別のアプローチを使えば一気に大きな強み・旨みに変わるかもしれません。

#とは言ったもののグループワークは成績評価に影響ないらしい

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