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【介護施設】身体拘束の排除の為の取り組みに関する研修
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。
今回は「身体拘束の排除の為の取り組みに関する研修」の資料となるnoteを作成しました。
☑ 筆者(とも)
記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。
介護施設の運営において「身体拘束の排除の為の取り組みに関する研修」は必須です。
毎年、定期研修として準備するのは本当に大変だと思います。
「準備に時間をかけたくない」という方に向けて、そのまま研修資料とすることのできる内容をnoteにしてみました。
本研修資料が御社の施設運営に、少しでもお役立てできれば幸いです。
内容は次のようになります。
文字数は8000文字程度です。
研修時間としては30分程度の内容になります。
改心のできなので、途中から有料とさせていただきます。
それでは早速、みていきましょう。
「身体拘束」とは
身体拘束の定義は、次のようなものです。
身体拘束とは、 徘徊、他人への迷惑行為等のいわゆる問題行動などを防止するために、車いすやベッドに拘束するという行動の自由そのものを奪うこと
車いすやいすからのずり落ちや転倒、ベッドからの転落、車いすとベッドとの間を移乗する際の転倒等といった事故を防止するために、これらの用具に拘束するという、福祉用具の間違った利用のこと
そして、身体拘束には3種類の方法、通称「3ロック」があります。
フィジカルロック:ミトンでくくる、など道具を使って行動を制限すること。
ドラックロック:薬、特に効精神薬などを使って行動を制限すること。
スピーチロック:「座っててください!」など言葉で行動を制限すること。
身体拘束とされる行為を例をあげてみます。
点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、又は皮膚をかきむしらないように、手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。
車椅子やいすからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型抑制帯や腰ベルト、車椅子テーブルをつける。
立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるような椅子を使用する。
徘徊しないように、車いすやベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。
転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。
自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。
点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。
脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。
他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛る。
行動を落ち着かせるために、抗精神薬を過剰に服用させる。
自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。
よく介護現場でありがちなのが"スピーチロック"です。
スピーチロックとは、言葉で利用者さんの行動を抑制することです。
例えば「動かないで」「立たないで」「ちょっと待って」などといった言葉で、利用者さんの行動を抑制してしまいます。
スピーチロックは誰にでもできてしまい、それに気付いていない職員も多いです。
ふとした言葉が、利用者さんにとっては強い抑止力となってしまうこともあるため注意が必要です。
身体拘束禁止規定
身体拘束禁止規定は、以下の通りです。
「サービスの提供に当たっては、当該入所者(利用者)又は他の入所者(利用者)等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者(利用者)の行動を制限する行為を行ってはならない」
「緊急やむを得ず」身体拘束を行うことが認められる場合とは、「切迫性」、「非代替性」、「一時性」の3つの要件を満たし、
且つ、これらの要件の確認等の手続きが極めて慎重に実施されているケースに限られます。
まずは3つの要件から具体的にみていきます。
切迫性
切迫性とは、利用者さん本人または他の利用者さん等の生命または身体が危険にさらされる可能性が著しく髙いことを指します。
「切迫性」の判断を行う場合には、身体拘束を行うことにより本人の日常生活等に与える悪影響を勘案し、それでもなお身体拘束を行うことが必要となる程度まで利用者さん本人等の生命または身体が危険にさらされる可能性が高いことを、確認する必要があります。
非代替性
非代替性とは、身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する介護方法がないことを指します。
「非代替性」の判断を行う場合には、いかなるときでも、まずは身体拘束を行わずに介護するすべての方法の可能性を検討し、利用者さん本人等の生命または身体を保護するという観点から、他に代替手法が存在しないことを複数のスタッフで確認する必要がります。
また、拘束の方法自体も、本人の状態等に応じて最も制限の少ない方法により行われなければなりません。
一時性
一時性とは、身体拘束その他の行動制限が一時的なものであることを指します。
「一時性」の判断を行う場合には、本人の状態等に応じて必要とされる最も短い拘束時間を想定する必要がります。
「緊急やむを得ず」身体拘束を実施する場合の「手続き」とは
「緊急やむを得ず」身体拘束を実施する場合、上記3要件を満たした上で、さらに慎重な「手続き」を踏まなければなりません。
その「手続き」とは、対象者が3要件をすべて満たす状態であることを「身体拘束廃止委員会」等のチームで検討、確認し記録しておく必要があります。
3要件に該当するかどうかの判断が、スタッフ個人や数名のスタッフで行われてはいけません。
「身体拘束廃止委員会」のような組織で判断される体制を整える必要があります。
身体拘束廃止委員会ではまず、施設としての身体拘束廃止の基本方針を策定する必要があります。
そして、次のような取り組みが必要です。
【身体拘束廃止委員会の取り組み】
・委員会の実施
・関係者への説明
・記録と再検討
・拘束の解除
具体的に解説します。
委員会の実施
まず委員会では、拘束による利用者さんの心身の弊害※、拘束をしない場合のリスクについて検討します。
次に、① 切迫性 ② 非代替性 ③ 一時性の3要件を満たしているか慎重に判断し、その理由を整理します。
※身体拘束による弊害は下記の項目で具体的に説明しています。
関係者への説明
「説明書」を用い、身体拘束の具体的な内容・目的・理由・拘束期間/時間帯・場所・拘束による弊害等を説明します。
十分な理解を得られた場合は、説明書に説明を受けた旨の記名押印をいただきます。
すぐに理解が得られない場合、納得を得るための説明内容の検証と継続的なかかわりを続けます。
そして最後に、その経緯を関係スタッフやケアマネージャー等に報告するようにします。
記録と再検討
記録:
介護保険法の基準条例、老人福祉法施行規則において身体拘束の記録の作成と保存年限が定められています。
記録は5年間保存しておきます。
再検討:
身体拘束開始後、身体拘束廃止委員会等の定例会(場合によっては、臨時会)を開催し、身体拘束廃止に向けた検討を行います。
※定期的な委員会は少なくともひと月に1回は実施すること。
拘束の解除
再検討の結果、身体拘束を継続する必要性がなくなった場合は、速やかに解除します。
身体拘束実施予定期間内に、拘束解除を行えないと判断した場合は、あらためて「説明書」により説明を行います。
説明により、十分な理解を得られた場合は、説明書に説明を受けた旨の記名押印をいただきましょう。
記録の義務
緊急やむを得ず身体拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の利用者さんの心身の状況、緊急やむを得なかった理由を記録しなければなりません。
具体的な記録内容は、「身体拘束に関する説明書・経過観察記録」を用います。
記録用紙を元に、日々の心身の状態等の観察、拘束の必要性、その方法に関わる再検討を行い、随時その内容を記録に残すとともに、それについて情報を開示し、ケアスタッフ間、施設全体、家族等関係者の間で直近の情報を共有します。
この「身体拘束に関する説明書・経過観察記録」は、施設に保管しておき、行政担当部局の指導監査が行われる際に提示できるようにしておく必要があります。
「身体拘束に関する説明書・経過観察記録」は以下のようなものです。
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写真の資料はこちらから印刷できます。厚労省資料
身体拘束がもたらす弊害
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