前略 Kさま
あなたとお会いすることが無くなってから2ヶ月が過ぎようとしております。
あなたはお元気ですか?
きっと相変わらずに、朝早くから現場に向かったり、遅くまで工事に立ち会ったり、今こうしている時間にもパソコンに向かって熱心にキーボードを叩いているのでしょうね。
あなたがパソコンに向かっている背中を見ていることが好きでした。その時々で変わるキーボードを叩いている姿に、あなたの仕事への思いを感じたりもしていました。
軽快なリズムでキーボードを打っている時は楽しい仕事。役に立てることを嬉しく感じているとき。 「そんなに強く叩いたら壊れちゃうよ」という大きな音のときは、珍しく苛立っているとき。 キーボードを叩く音が途切れ途切れのときは、迷いがあるとき。
あなたがパソコンに向かっている背中を見ていることが好きでした。
あなたの顔を見ることよりも、背中を見ていることの方が多かったかもしれません。
もっと、あなたの顔を見ていれば良かったのかもしれないと、今さら悔いてしまいます。
どうして私たちはこうなってしまったのでしょうか?
後悔しかありません。
「自分の人生を考えて」と、あなたは言いましたが、私にはまだできません。
こんな手紙は未練がましいのですが、書かずにはいられませんでした。
あなたは読まずに捨ててしまうかもしれない。 それでも、いまは書かずにはいられない私をお許しください。
早々
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