名作ドラマ『アンサング・シンデレラ病院薬剤師の処方箋』#10
2020/7/16~9/24 フジ系
葵みどり/石原さとみ
瀬野章吾/田中圭
⚠️2020/9/25に記述したものです。
9話、重複癌の末期で余命3ヶ月と宣告されてしまった瀬野さんが、その信じられない事実に翻弄されながらも、自分に残された時間、自分が生きた証をどう残すのか、、、
悩み、考え、一度は治療はせず最期まで患者の為、薬剤師として生きる選択を選ぼうとします。
最後には全ての治療、薬を自分が育てた後輩葵みどりに託す選択を。。。
そして、10話。
いよいよ、瀬野さんの入院生活が始まります。
思うように進まない治療と、もう終わりにしたいと思う程の恐怖と苦痛。。。
末期癌の為、短期間で亡くなった私の母も、弱音を吐かず、最期のその時まで、私の心配をしているような人でした。
今思うと、私は当時、その時まで『緩和ケア病棟』の存在すら知らなくて、説明され知識的には理解はしたものの実感もないまま、緩和ケア病棟に移りました。
でも『緩和ケア病棟』に移る事が決まった時、「やっと移れる」と凄く喜んでいた母の姿を思い出しました。
きっと想像なんて出来ないくらいの辛さだったんだろうな…
瀬野さんのベッドのスタンドに沢山付けられた御守り。
瀬野さんが沢山の人に愛され、生きる事を望まれている、という事がとても良く分かります。
私も母には内緒でネットで調べた癌封じの神社でお百度参りもしました。
同じように沢山の人がぐるぐる、ぐるぐる思いを込めてお祈りをしていました。
でも、それは癌を患っている本人の為、というより周りの人がどうすることも出来ない思いをどうにかしたくて、そうしている部分も多いのかも…と。
そこには思いの溝みたいな物があって、瀬野さんももう終わりにしたいと思ってしまう程苦しんでいて、、でも、周りはその苦しみを続けてでも生きろと願う。そして、その象徴の様な御守り。
また、自分が1番信じている『薬』でも効果がみられないのに、御守りなんて、、という思いもあったのかも…
もちろん『ありがとう』という気持ちもあったんやろうけど。。。
そして、耐えきれない痛みに痛み止めを飲みながら、みどりやくるみちゃんにはその姿を悟られないように振る舞う瀬野さん………
同じ病気で亡くなったお母さんの事を思い出し、怯え、押し潰されそうになる不安な毎日。
でもそんな精神状態の中でもやっぱり薬剤師として出来る事をしてあげたいという気持ち。
そんな微妙な心の揺れを圭くんが、とても繊細に表現されているな、と感じました。。。(*´-`*)尊敬.。oO
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⚠️ネタバレ
[ドラマ詳細]
『第10話 薬学部はバラバラになった』
(瀬野さん回)
販田部長から瀬野さんの病気の事が知らされ、動揺する薬剤部メンバー。
担当の医師は畑中先生。
薬剤師は葵みどり。
副腎への有効な薬が無い事が分かっている皆の顔が曇り、重い空気に包まれる…
「おい、手が止まってるぞぉ」
そこへ入院の手続きを終えた瀬野さんが…
「今日から………患者です♡ニコッ」
(今回のは…悲し過ぎるヨ…瀬野ジョーク……)
(販田部長以外)誰も笑わない……つか、笑えない……。
(販田部長は、瀬野さんが場を明るくしようと頑張ってるのが分かってるから笑ったんだろな。。。( ´・ω・`))
「心配すんなって!ちゃんと戻ってくるから!それまで、ここ、頼んだぞ!」
「わかる!きっと!大丈夫!!」と販田部長が瀬野さんの背中をぐるぐるしながら、念を送ります。。。
それに続くように、薬剤部メンバー達も瀬野さんにエールを送り、待っている患者さんの為に手を動かし始めます。。。
【7週間後】
畑中先生から薬物投与の結果(効果)が出ていない、次回から薬物の増量をと、提案される瀬野さん。
(増量か…という顔…辛いんだね…)
総てを任せた葵の顔を見る。
「今は…この治療方針が…ベストだと思います…」
そかそか…と頷き、力なく笑顔で…
「副作用も痛みも…それ程出ていませんですし…増量でお願いします。」
(無理して笑ってる…よね…(U>_<U)ヒーン)
1人副腎癌について調べるみどり…
でも、今使っている(あまり効果が期待出来ない)ミトタン以外、手立てが見つからない…
そんなみどりに、七尾副部長が海外に副腎がんへの有効性が認められる薬(FP258)の存在を教える。
七尾に治験のエントリーをお願いするみどり。
七尾は治験薬の承認を得るためには、3つの関門があると、みどりに伝える。
①主治医の畑中先生に治験責任医師になってもらうこと
②病院内の治験審査委員会で承認を得ること
③患者である瀬野副部長の同意を取得すること。
これらすべてをみどりの責任でクリアすることを条件とした。
計り知れない重圧の中、みどりは「はい」と答えた。
その頃、瀬野さんは激しい吐き気に襲われていた。
(前も思ったけど、この病院、部屋にトイレは無いのかな?ふふふ)
ヨロヨロしながらトイレから部屋へ戻る途中…ストレッチャーで患者が運びこまれる…
そんな状態でも急患が気になる瀬野さんは、救急を覗きに行く。
お腹の大きな奥さんが倒れた旦那さんを不安そうに見守っている。
「ご主人に…持病や…飲んでいた薬は有りますか?」
「有るなら、看護士か医師に伝えた方がいいですよ」
奥さんが看護士に伝え、豊中先生が処置を進める。
豊中先生が瀬野さんが居る事に気づく。
お辞儀する瀬野さん。。。
微笑む豊中先生。
(目が悲しそう…)
自分の居る場所が、もうそこでは無い…と、1人部屋に戻る瀬野さん…
((U>_<U)うぅ…)
スタンドには皆からの沢山のお守りがぶら下がっている。。。
悲しそうにそれを見つめ、、、薬二錠を手に取り、服用する瀬野さん。
袋には『葵』のスタンプが押されている。
『皆それぞれの大切な、日常があって、これからもそれぞれの未来が続いていく』
『それを守っていくのが、私達、薬剤師の仕事だ。』
(オープニングの写真の真ん中、瀬野さんだね。。。(U>_<U)泣)
深夜512号の病室の扉を開ける瀬野さん
(過去、回想)
ベッドで、もがき苦しむ母親の姿…
慌てて駆け寄り、腰を擦る瀬野さんの手にしがみつき
「もぅ…無理…助からない…」
涙をこらえながら腰を擦り続ける瀬野さん…
(つらーい、、、(U>_<U)うぅぅ…苦しい…)
ぅぅぅ…夢から覚めた瀬野さん…
額からは大量の汗が流れ、息が切れている…
「大丈夫っすか?」
驚く瀬野さん
その声は、あの時救急に運ばれた丸岡はじめさんだった。
(瀬野さんの隣のベッドに入院する事に。)
なんとかベットの柵に捕まり身を起こす瀬野さん。
自己紹介する2人。
「あ、干しいも!喰います?」
「ぃ…いえ…(′-′ )…(固)」
「まぁ、寝起きに干しいもは辛いっすよねw」
「ですね…(苦笑)」
なんとも緊迫感の無いやり取りを終え、(さっきの夢を思い出したのか)瀬野さんの表情は再び強ばる…
<薬剤部>
治験をしようと思っていることをメンバーに話すみどり。
くるみちゃんはこれなら効きそうと賛成するが、他のメンバーたちは承認へのハードルの高さに実現は不可能だと難色を示す。
刈谷は、実現の可能性がほぼ無い治験申請にかまけて、他の患者へ迷惑をかけるようなことは瀬野さんが1番望んでいないと言いはなつ。
それでも治験の実現を目指したいと言うみどりに、刈谷は他の患者さんを疎かにしたら許さない、と釘を刺した。
<瀬野さんの病室>
その頃病室では、瀬野さんが腹部の激しい痛みに襲われていた…
耐えきれず痛み止めを服用する瀬野さん…
そこへみどりとくるみちゃんがやってくる。
くるみ「体調如何ですか?」
瀬野「いい感じだよぉ…」
(言葉とは反対に息が切れ笑顔はない…)
くるみ「また御守り増えましたね♡」
(その言葉に笑みにならない笑みを浮かべ、硬い表情の瀬野さん…)
葵「………痛み止めのお薬減ってますね…」
顔が強ばる瀬野さん。。。
くるみ「どっか痛みが出てるんですか?」
強ばった表情のまま、みどりを見て
瀬野「………大したことない…」と告げる。
状況を察したみどりは、強ばりながら頷き
葵「畑中先生にお願いしてまた出しておきますね…」と答える。
瀬野「………頼んだ」
くるみちゃんにも(大丈夫だから、というように)微笑む瀬野さん。。。
引き続き、今度は、隣のベットの丸岡さんにお薬の説明をしに行く2人。
しかし、金銭的事情から薬は必要ないと言う丸岡さん。2人を強引に追い返す。
瀬野「すいません…そのリストって…見せて貰ってもいいですか?」
一生そんなに飲むなんてあり得ないと思いません?と文句を言う丸岡さん。そして、真剣な表情でリストを見る瀬野さんに、何かわかるのか?と尋ねます。
瀬野「あ…はい… いや………俺もこの病院の薬剤師なんすよ…」
((*≧艸≦)言い出しにくそうな瀬野さんww)
丸岡「え?」ぎょっとする丸岡さんw
瀬野「………笑」
(この、ふっ、て笑う間の絶妙な間がスッゴい好き!"(ノ*>∀<)ノ)
顔を見合わす夫婦w
丸岡「干しいも…食べます?(汗)」
瀬野「……………食べよかな?はは…」
(ここの絶妙な間と空気感好き♡)
<院内>
七尾から治験薬の依頼が来たと聞き、みどりは販田部長に頼んで治験審査委員会の準備を急いで貰うと七尾に話す。
すると、七尾はその前に瀬野の意思を確かめておいたほうが良いと言う。
(本来は3番目の過程)
みどりは戸惑いながらも、七尾の意見に従う事にする。
<病室>
瀬野さんは痛みに耐えながら、辞書を片手に、仕切りにノートに何かを書き込んでいた。
<院内中庭>
椅子に腰掛け、一人遠くを見つめる瀬野さん。。。
(なんて儚くて美しい横顔。。。)
そこへ、神妙な顔をしたみどりがやって来る。
「瀬野さん………大事なお話があります……」
「ふふ………なんだよ、真面目な顔して…」
みどりは、治験薬の存在を瀬野さんに説明する…
しかし、瀬野さんの表情はみるみる曇り…
「断る………これは……七尾副部長からの提案か?」
(ここの圭くんめっちゃ痩せてる。。。)
その言葉の真意が分からないというようなみどり。
「やはりそういう反応でしたか………葵さん、これはもう、諦めた方が良さそうですね………どうやら瀬野副部長は未だに、お母様の事で僕を恨んでるようだ。」
訳がわからないみどり。
七尾副部長に辛い体でゆっくり近づき
「貴方への恨みなんか関係ない…妙な希望を与え無いで貰えますか?」
そう言うと瀬野さんはその場を立ち去った。
(ここ、立ち去って行く瀬野さんが居なくてちょっとびっくりしたwwwふふ)
みどりが七尾副部長にどういう事かと聞くと、かつて、七尾は瀬野の母親にも治験薬を投与したことがあったが改善は見られず亡くなってしまったと。
廊下の手すりに捕まり、痛みに耐えながら病室に帰る瀬野さんをみどりが追いかけてくる。
「待ってください!…どうか…冷静に考えてください!」
そんなみどりに瀬野さんは
「お前こそ冷静に仕事出来てんのか……」
治験審査委員会の承認の難しさが分かっている瀬野さんは、みどりに厳しく問いかけます。
それでも、食い下がるみどりに
「そんな無駄な事してる時間があるなら丸岡さんや他の患者さんの事をキチンと診ろよ!」
「全ての患者さんに同じように…丁寧に接する………お前に最初に教えた事……忘れてんじゃないのか………」
とても、とても厳しい表情でみどりを諭す瀬野さん………
((இдஇ; )うぅぅぅ…泣泣泣)
そう言って、立ち去ろうとした瀬野さんは、その場で倒れてしまいます………
救急で処置を受ける瀬野さんを見守るみどりと畑中先生。
畑中「FP258は諦めよう」
葵(その言葉に凍りつくみどり)
「………え……でも…あの…畑中先生……もう、これしか…………」
畑中「瀬野君がこの薬を望んでる訳じゃないよね。瀬野君は、薬の事は全て君に任せると言った。ミトタンの増量も君が言うから頑張ってる。」
畑中「だけど…治療効果が出ないまま…副作用も出ている。……そろそろ、別の道を考えてあげるべきかもしれないね…」
(再び凍りつくみどり…………)
葵「……………………それは………緩和ケアのみに切り替えるという事でしょうか…?」
畑中「残念だけど…………抗えない事だってある…………せめて…穏やかな日々を用意してあげることが僕らの役目なんじゃないかな…」
((U>_<U)嗚咽………………辛い、辛い、辛い…………………………泣泣泣泣)
<夜の調剤室>
それでも、諦められないみどりは治験の用意を1人続けます。
でも、今まで瀬野さんに言われた言葉や、患者さんの言葉が次々に頭をよぎります。
「そんな無駄な事してる時間があるなら丸岡さんや他の患者さんの事をキチンと診ろよ!」
「薬剤師のあんたに俺の何が分かるってゆーんだ」
「お前がしたい事じゃなくて患者がして欲しい事をやれよ」
「もっと患者の為に働け」
本当に自分がやっている事が正しい事なのか…精神的にも極限状態になり、1人、涙を流すみどり…………
そんな時、薬剤部のメンバーが現れ、そんなみどりに救いの手を差しのべます。
瀬野さんに生きていて欲しいと思う気持ちは皆同じだから。。。
<院内>
資料が出来たみどりと刈谷は治験責任医師となる畑中先生に再度協力を頼みに行く。
それでも、実現は難しいと難色を示す畑中先生に必死にお願いする2人。
<病室>
カーテンを締めたベッドの上で瀬野さんは相変わらずノートに何かを書き込んでいる。
そこへ、丸岡さんを1人で受け持つ事になったくるみが丸岡さんの元へやってくる。
処方変更の提案にやって来たのだ。
手が止まる瀬野さん。
患者さんの為に(ジェネリックを使って)一円でも安く、そしてその安全性もきちんと説明するくるみ。
同僚が大変な時に、自分なんかの為に申し訳ないと言う丸岡さんに対してくるみは
「病気に大きいも小さいも無いですよ、
先輩の受け売りですが。。。」と答えた。
「患者さんを最期まで看取ることは大切…
だけど、これからの未来を看ることも、同じか…それ以上に大事な事だから…」
以前、瀬野さんがくるみに伝えた言葉もちゃんと守って少しずつだけど成長しているくるみちゃん。
瀬野さんは、自分が書いていた紙をノートに挟むと、そっと目を閉じ、優しく微笑んだ。。。
(瀬野さんは(年の離れた後輩の)くるみちゃんの事いつも優しく見守ってたもんね。。)
瀬野さんがずっとノートに書いていたのは、くるみちゃんが提案したのと同じ内容の物だった。
(自分がどんな状態でも患者さんの事を大事にする瀬野さん………(இдஇ; ))
<治験審査委員会>
畑中先生の治験についての説明、そして豊中先生の力説も加えられ、みどりの補足も有り、プレゼンは順調に進んでいく。
<病室>
耐えられない痛みに痛み止めを服用する瀬野さん。
そこへ、小野塚くんが訪ねてくる。
これからここで働く事になった、自分は瀬野さんの元、勉強して救急認定薬剤師を目指すつもりだから必ず戻って来てください、と。
瀬野「眼鏡の冴えない学生が…随分偉そうな事、言うようになったな…w」
(やっぱり覚えてたんだね!(о´∀`о))
瀬野「あんな子供みたいに真っ直ぐな目で見てくる馬鹿が…すっかりしょぼくれてるのを見た時には驚いたよ…」
小野塚「覚えてたんですか…」
瀬野「はぁ〜、でもこれで安心した…俺が居なくなったら頼むな小野塚…」
小野塚「瀬野さん………」
瀬野「冗談だよ……厳しく指導するから覚悟しとけよ…」
(カッコいい〜(≧∀≦)……でも、ホントは強ち冗談でもないよね…………)
小野塚「…………………はい!」
瀬野「……………ふっ」
(瀬野さんの、小野塚くんに対する時の感じも好き。みどりともくるみとも違う男同士のもっと気の置けない感じの…)
<治験審査委員会>
順調かにみえたプレゼンだったが、質疑応答で、今回の治験は同じ職場で働く仲間を助けたいからではないかという(嫌な感じの)質問があがる。
みどりは否定するが、外部委員のえこひいきでは?と言う声が収まらない。
その時、突然、七尾副部長がそれは誤解です。と力説する。
治験は1人の患者ではなく、すべての人々の安心のため、人類の未来のために行われると語る七尾の熱弁に圧倒され、治験は無事承認される。
会議が終わった後、販田部長は七尾副部長にお礼を言う。
そして、10年前、先輩である瀬野さんのお母さんを救えなかった事を誰よりも悔しいと思い、今度こそ必ず助けたいと思ってるはずだと言う販田部長に、七尾は自分はより良い薬が早く広く人々に行き渡って欲しいと願ってるだけ、と認める事なくその場を立ち去る。
(七尾さんも悪い人じゃ無かったね。。。
(*´-`*)うふふ)
<病室>
治験薬のエントリーが可能になったことを伝えに瀬野さんのところに畑中先生とみどり達が訪れる。
驚く瀬野さん…
「審査委員会通したのか…」
「全員の力で…条件が整いました。」
あとは治験を受けるかどうかは瀬野さん次第だと言う畑中先生。
他の薬剤部メンバー達も集まり、それぞれ瀬野さんへの思いを伝える。
「はぁ………」
(大きくため息をつき目を閉じると…)
「畑中先生……治験を…お願いします…」
と先生に伝え目を閉じた。
<調剤室>
治験薬も届き、いよいよ治験薬が開始される日が訪れた。
そんな中、工藤さんが部屋に駆け込んでくる。瀬野さんが病室を抜け出して行方不明だと。
皆の同意を得て探しに行くみどり。
瀬野さんはお母さんのお墓の前に立っていた。
お墓をじっと見つめて動かない瀬野さん…
何かを話し掛けているのでしょうか…
(もう自分もそっちへ行っていいかどうか聞いていたのでしょうか……)
そこへみどりが現れます。
「葵……………??どうしてここに…?」
驚く瀬野さんに、瀬野さんこそどうして抜け出したんですか?と聞くみどり。
「俺は……………」
「治験をやらない…………………」
そう言って俯く瀬野さん…
そんな瀬野さんに、自分もここへは何度か来ています、と話し出すみどり。
「なんだよ…それ…」
と意味が分からず問う瀬野さん。
瀬野さんのお母さん、佐織里さんは自分の病気で亡くなった妹の担当薬剤師だったこと、佐織里さんがあの時、自分の気持ちを救ってくれたこと、そしてそれがきっかけで薬剤師の道を選んだこと。
でも、薬学部に進学した時、佐織里さんが抗がん剤の治療を受けていること知り、佐織里さんのような薬剤師になります。と二人で約束したこと。。。
まさかそんなことがあるのか………というように、大きく息をつく瀬野さん………
「守れたのか………その約束…」
「全然です…でも、今までずっと、瀬野さんから色んなことを教わってきました。ほんの少しは近づけてるかもしれませんよね…」
目を反らす瀬野さん…
「瀬野さんの本当の気持ちを教えてくれませんか…?」
そして、堪えきれなくなった気持ちを涙ながら吐露する瀬野さん……
「…………………………別に…そんな大層なもんじゃねぇよ……ただ…………単純に…………辛いんだよ………色んな患者さんの抗がん剤治療に関わってきた…だけど、実際やってみると……生易しいもんじゃ無かった………先の見えない治療がこんなにも怖いだなんて………………
吐き気と…、頭痛と…、目眩と…、もう…もう生きてることが辛い……………。
それなのに…改善の兆候は全く無い。希望も無い。治る可能性も無いのに…いつまでこの苦しさに耐えればいいんだろ…………?
こんな思いする必要あんのかなって…」
「もう…………………………頭がおかしくなりそうになんだよ………」
「治験なんかやったら………今まで以上の苦痛が待ってるかもしれない………………」
「俺の母親は…………治験薬を使っても……何も改善しなかった………最後は涙目で…緩和ケアを求めてきた…」
「助かるかどうかもわかんないのに…………あんなの無理だって…」
「考えるだけで恐ろしくなる…………怖いんだよ…俺は………………」
「情けないだろ…散々偉そうな事言っておいて…このザマだよ…」
(˚‧º·(´ฅωฅ`)‧º·˚泣泣泣………ほんで、圭くんこのシーンめっちゃ痩せてる……減量しながらこんなお芝居出来るなんて………ほんと、凄いね…………)
みどりは、本当の気持ちを教えてくれた瀬野さんに感謝する。
そして、涙を流しながら、ここからようやく一緒に病気と闘うことが出来ると告げる。
医師や看護士、薬剤師、皆で全て受け止めるから、もっと弱音を吐き出して欲しいと。
そして治験にしろ緩和ケアにしろ、瀬野さんが選んだ道を全力でサポートする、だからもっと頼って欲しいと。
(お母さんに、まだこっちに来ては駄目、葵さん達を信じて頑張りなさい。そして、自分と葵さんとの約束が守れるまで、しっかり見守ってあげて、と言われたのかもですね。。。私の勝手な想像ですが。。。)
みどりは瀬野さんを連れて調剤室に戻る。
皆に一礼をする瀬野さん。
しかし、誰1人瀬野さんの事を責めたり、追及したりすることなく、さりげなく、暖かく、迎えてあげるのでした。
「薬剤師ってのはやっぱり必要だよな…」
「瀬野さん………」
「ご迷惑を…お掛けしました…俺は…治験を受けます。皆さんに、全て任せます。宜しくお願いします。」
と頭を下げた。
(いつも『患者の為に働け』と言ってきた瀬野さん。
今度は、そんな皆に、心から自分が救われていると感じたのかもですね。。。)
そして。。。
治験薬が投与され、開始される。。。
「大丈夫?」畑中先生が声をかける
「ええ…安心です」笑顔で答える瀬野さん。
瀬野さんは治験薬を見つめる。
治験薬には薬剤部全員の確認印が押されていた。。。
そして、2年後…
くるみは頼れる先輩に成長していた。
小野塚も救急で立派に働いていた。
そしてあの白血病で入院していた心春ちゃんも薬剤部に研修にやってきた。
しかし萬津総合病院の調剤室に
あの葵みどりと瀬野の姿は無かった…
10話終了。
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