社会人留学の後悔・英語・キャリア|英語編/1.5ヶ月の独学でIELTS7.5を達成した学習法と反省
7月にIELTSを受講して、7.5(overall)を達成しました。アメリカの大学院受験のために、7.0を目指していたので、ハイ達成となり、ベースは嬉しい気持ちです。
SNSで7.5を取得したことをさらっと報告したら、かなり多くの友人から「おめでとう」のメッセージが届き、勉強法を教えて欲しい的な話も来ました。
リスニングとリーディングが8.0と、予想以上の高スコアになりました(確かに手応えはあった)。しかし、ライティング、リーディングが6.5にとどまってしまい、いかにも日本人的というか、ある程度自信があったためにめちゃめちゃ悔しい。
おそらくこれを挽回するため、大学院受かった後とか、余裕あるタイミングでライティングとスピーキングを受験し直すと思います(overallに影響を与えないとしても)。
とはいえ7.5はそれなりに高スコアだと思うので、今回の受験に際して意識した学習したポイント、反省などを残そうと思います。少しでもこれから受験する人の役に立てば嬉しいです。
試験準備
事前の英語力
2018年(19歳/大学2年生):IELTS 5.5
2021年(21歳/大学4年生):TOEIC 750
2023年(24歳/社会人3年目):TOEIC 845
2023年9月:ワシントン大学(シアトル)に留学。現在米国在住
2024年7月(25歳/社会人4年目):IELTS 7.5
普通の人よりは英語に興味がある方かな、と思いますが、事前の英語力はそこまで高いわけではないです。最初に受けたIELTSなんてスピーキングで話せなさすぎてトラウマ級でした。その後社会人留学に来てから英語学習の時間が取れ、環境のおかげもあって伸ばせたなという実感があります(IELTS受験前にどんな英語学習をしていたかは、下記をご覧ください)
準備期間
準備期間:50日間
準備開始:2024年6月1日
試験日:2024年7月20日
1日の学習時間:3~4時間
スピーキング:100分
その他必要な練習:2時間前後
よく聞かれる質問「どのくらいの期間準備した?」は、約1ヶ月半、毎日3~4時間です。自分の状況としては、大学が終了し、EADカード(就労許可証)の到着を待っているステータスなので、大学もなく仕事もなく、比較的時間が割きやすかったです。
1ヶ月半の中の、ざっくりしたスケジュールはこんな感じです。
最初の2週間
(全体像の把握)IELTSの難易度、問題形式を把握し、どんな勉強が必要かを検討する
(単語)目標スコア6.5までで求められる基礎単語を暗記する
(スピーキング)毎日オンライン英会話でスピーキング演習
中盤の学習期間
(問題演習)各科目の詳細を詰めて対策(次章以降で解説)
(ライティング)毎日ライティング対策。Task1かTask2のエッセイを1本書く
(スピーキング)毎日オンライン英会話でスピーキング演習
最後の2週間
(問題演習)模擬試験でスコア予測→弱点発見→克服するためのトレーニングの繰り返し
(スペリング)スペル問題を落とさないためのスペリング強化
(スピーキング)毎日オンライン英会話でスピーキング演習
詳細は次章以降で解説していきます。
マインド
当初は「IELTSは2回受験が必要。1回目は練習&実力把握。2回目が本番」という話を聞いていたので、今回の1回目の受験は割と軽い気持ちで、「失敗しても次やればいいか」という感じで受けに行きました。
アメリカにいるとネックなのが受験料で、$250以上した(1ドル=160円の時だったのでクレカ手数料とか税金とか合わせたら日本で受けるののほぼ倍)のですが、そこも感覚バグってて、IELTSに2回で10万払うところでした^^;
ただ、何を勉強していても思うのですが、結局、
・自分に何の知識、スキルが足りないのか。何を鍛える必要があるのか
・どんな鍛え方が自分に一番よく合うか
は自分が一番よく分かっているし、自分で開発していくしかないなと思っています。ので、本稿で述べている学習方法は、ポピュラーなものもあるし、上村が開発した上村にフィットした独自のやつ、というのやつもあります。そこは皆さんも自分でアジャストしていってください。
評価基準
「IELTSとは何か?」みたいな基本的な情報は割愛しますが、練習をする前に把握しておきたい、「何がどう評価されるのか?」という情報はご紹介します。
リスニング・リーディング
正答数がそのままバンドスコアに反映されます。7.0以上を目指す場合は、30問以上の正解が必要です。模擬試験をして自分のスコアを予測することができます。3回くらい安定して目標スコア取れるなら、本番に進んでいいでしょう。
ライティング・スピーキング
自力での評価が難しいですが、「どのバンドスコアでどんなクオリティが求められているのか」の資料は公開されています。自分の目標スコアとその前後のスコアの評価基準を読むと、何が下げ要因で、何が上げ要因かがわかると思います。
ライティング:https://takeielts.britishcouncil.org/sites/default/files/ielts_writing_band_descriptors.pdf
スピーキング:https://takeielts.britishcouncil.org/sites/default/files/ielts_speaking_band_descriptors.pdf
スコア予測ですが、ライティングはChatGPTに毎度依頼していました(「このエッセイを、IELTSのライティングのTask 2だと思って評価して」のようなプロンプトで)。結果外れたスコアにはならなかったので、ある程度信頼してもいいかもしれません。スピーキングは、オンライン英会話の開始時にインストラクターの方と評価基準の読み合わせをして、それを元にフィードバックをもらっていました。
全体概要の把握
使用した教材
「初めてのIELTS全パート総合対策」で、各パートの設問形式や難易度を把握しました。1日1パートくらいやって、約1週間でなんとなくの概要、これからやることの方向性、準備にかける時間配分の目安をつけました。
Listening|リスニング
使用した教材
まずは旺文社の「実践IELTS技能別問題集リスニング」で各問題の解き方を習得し、巻末の模試に取り組みました。
結果、4パートあるうちのPart 3と4が最も苦手であることがわかったので、「BestMyTest」というプラットフォームで演習をPart 3,4を中心に練習をやり込みました。
BestMyTestは数をこなすには良いですが、難易度にムラがあるのと問題形式が本番と違うことがあるので、最後に公式問題集「IELTS18」で本番の難易度・形式に認識を修正しました。
学習のポイント
スペルミスでの失点を無くすためのスペルトレーニング
スペリングを要求する問題は必出で、特に最近はPart 4の10問全てが穴埋めスペリングの傾向が多いようです。ここでの失点、特に「聞き取れたけどスペルがわからん」は非常にもったいないと思うので、スペリングに特化した練習をしました。
具体的には、自分で「Quizlet」を使ってスペルクイズを作成し、コツコツ繰り返し解いていきました。Quizletはとても便利で、下記の画像のように英単語を聞いてスペルを書くと正誤判定をしてくれるので、サクッと学習ができます。
自分が作成したスペル問題はこちら
https://quizlet.com/929360476/spelling-check-for-ielts-flash-cards/?i=5xgmja&x=1jqt
Part 3,4を中心にした問題演習
先述のように、Part 3,4での失点が多かったので、3,4を中心に演習しました。実際に、IELTSではPart 1から4に進むにつれて難易度が上がっていきます。つまり戦略としては、
・Part 1,2は満点を目指す
・Part 3,4は苦手を承知でなるべく高スコアを目指す
です。
とはいえ、僕は多分本番でPart1の1問目の金額数値聞き取り問題をミスってたと思うので、序盤でつまづいてもあまり気にしないでください。前に前に進み続けることが肝心です。
苦手な問題型の把握
問題演習では、単に演習の量を追い求めたり、スコアの上がり下がりに一喜一憂するのではなく、「苦手ポイントの把握」と「その克服」に集中することが大事です。
自分は演習を通じて、「5つの選択肢から2つ正解を選ぶ」問題が複雑で正答率が低いことを発見しました。なのでBestMyTestでその問題型がある練習に絞って取り組みました。
解き方のポイント
設問先読み時間で当たりをつける
もう一つ、自分が見つけた傾向は、「設問先読み時間に問題文、設問文を読みきれていない」です。これを解決する方法として取り入れたのが、「音声を聞く前に答えを予想して選択肢にマルをつけたり、穴埋めを埋めたりする」です。
この利点は2つあります。
1つは、回答予想をすることで、設問先読みの集中力が上がり、結果的にほぼ全ての設問を把握できるようになることです。回答を予想するためには、漫然と読むよりは、何が設問のポイントか、(常識的に考えて)(あるいは過去のIELTSの少し引っ掛け的な性格も考えて)どんな音声が流れてきそうか、を考える必要があります。これが後の回答フェーズでも頼りになります。
2つ目は、音声を聞くときに、自分の予想との「対比」で正当を見つけられる、ということです。
例えば、気球ツアーを予約する電話のメモという設定で、
・Recommended to bring a jacket and a _____
という穴埋め問題があったとします。先に「hat」と予測しておくと、この時点で、少なくとも「名詞」がくるし、もっといえば「個人の持ち物的」な何かが来るんだろうなということがわかります。あとは音声を聴きながら、それがhatなのか、それともcameraなど他のモノだったのかを確認するという作業になるので、ゼロベースで音声から回答を抽出するよりは、よりラクに回答を特定できます。
2問ずつ集中する
IELTSでは、音声で話される内容の進行と、設問の順番が連動しています。ので、音声を聞きながら順番に解いていけば大丈夫で、過去に遡って内容を思い出したり、詳細を逐一メモしたりしておく必要はありません。
しかし、たまには音声についていけずに、路頭に迷うこともあります。「いまどの設問の話をしているのかわからない」となり、若干パニクってキャッチアップできず、雪崩的に後の回答も壊滅的になる状態です。
このリスクヘッジとして、音声を聞いている間は、いま回答すべき設問だけではなく、その次の設問にも同時に意識を向け、「2問ずつ回答を捕捉する」ことが有効です。これにより、現状の設問で道に迷っても、次の設問には回答でき、結果的に立て直しが容易になります。
反省
各国のアクセントに対応した練習が必要だった
先述の通り、多分自分は本番でPart 1の1問目、金額数値書き取り問題を間違っています。やらかしました。この原因としては、音声のアクセントが非常に強く、簡単な数値でもスッと頭に入ってこなかったためだと思います。正直、イギリス英語やオーストラリア英語など、今でも違いがあまりわからないし、全く集中して学習していませんでした。各国のアクセントの違いを把握し、それぞれに特化した書き取りトレーニングが必要でした。
スペルトレーニングが足りなかった
スペルトレーニングをやりましたが、これも不十分で本番では間違えてしまいました(自分の学習セット231問の外から出てきた)。ここも詰めの甘さが出たので、スペルトレーニングは終わらない旅として、常に練習題材を探し続ける必要があったと思います。
とはいえ、事前の予測スコアは6.5~7に対して、本番では8.0を獲得しました。「間違えてるだろうな」という問題と「明らかに合っているだろう」という確信が持てる問題がはっきりと峻別でき、比較的手応えを感じた状態で終わりました。
Reading|リーディング
使用した教材
リーディングは比較的得意で、練習段階から安定して8.0が取れていました。特に対策したポイントは英単語の暗記です。わからない単語があれば理解の解像度が下がりますし、単語が分かればわかるほど読むスピードも理解も加速していきます。単語が命だと思ったので、「実践IELTS英単語3500改訂版」で基本の単語を習得し、「分野別IELTS英単語」で特に苦手だった分野(自分の場合は科学、宇宙、地学など)の単語覚え、「BestMyTest」と公式問題集「IELTS18」で問題演習を行いました。
学習のポイント
単語(特に専門用語)を覚える
正直、これに尽きます。IELTSがある意味暗記ゲームだなと思う大きな要因の一つです。どうやって覚えたか、なのですが、基本は下記の動画の武田塾と同じやり方をしていました(動画を真似したわけではなく、IELTS終わってから流れてきたのを見て同じだったことに気づいた)
すなわち、英語→日本語、日本語→英語で単語がパッと言えるようにする、を10単語ずつ繰り返して、1日100~150個の単語を入れていきました。忘れた頃にもう一度一周して、さらに記憶を強化していきました。
また、自分の中では「発音できない単語は記憶に定着しない」という信念があるので、ChatGPTで「カタカナでの読み方」を一覧で作ってもらってそれも見ながらブツブツと練習していました(発音記号を元に発音考えたり正しくやりたかったのですが時間がかかってしょうがなかったのでショートカットしました)
解き方のポイント
人名は必ずマークをつける
IELTS頻出の「人物名とその人物の主張をマッチさせる問題」対策。一度パッセージを読んだ後に、もう一度どこに人物名があったかを探すのは無駄に時間がかかるし漏れも出るので、人物名が出たら(heとかherとか人称代名詞でも)印をつけておくと後々すごくラクです。
答えはパッセージの中にあるという強い信念
自分がリーディングが比較的得意な理由は、「答えが書いてあるし見つけるだけだから」という信念があるからかもしれません。その意味では粘り強く探せばある程度のハイスコアは目指せると思います。また、各文章は飛ばし読みせず、きちんと一単語一単語読んでいくことが重要です。非ネイティブでも時間内に全文読む&解き終えられる設計だし(自分は1回も時間切れになったことがない)、変に飛ばし読みすると逆にIELTSの引っ掛け問題に引っかかってミスります。
強いて言えば、それでも自分は「NOT GIVEN問題」(設問の内容が記事の内容と合っている(TRUE)か、完全に間違っているか(FALSE)か、記事からはどちらともいえない(NOT GIVEN)か)がいまだに苦手です。特にFALSEにも取れるし、NOT GIVENにも取れる、みたいな問題は、正直、これは問題集の解説を読んでも納得しないこともあるので、設問者との「解釈違い」だと思ってある種諦めるようにもしています。
ただ、それ以外は基本記事の内容が理解できれば正解はそこに書いてあるので、ぜひめげずに全文読了、ほぼ全問正解を目指しましょう。
反省
コンピュータ版の操作方法を事前に把握していなかった
一つ反省点を挙げるとすれば、「コンピュータ版のテストの操作方法を事前に把握していなかった」ことです。ハイライト機能があることは知っていましたが、背景色やフォント、フォントサイズを、本番当日まで変えられることを知りませんでした。あまり得点に影響はないかと思いますが、好奇心でカチカチいじってちょっと時間無駄にした感があるので、先に知っとくべきだったなと思います。また、「後で見返したい問題」にマークをつけられる機能もあり、これは便利でした。
コンピュータ版の各テストの操作方法は下記のページを確認ください。
練習の時よりも大幅に時間が余って(15minくらい)の回答終了になったので、気になる問題を見返したり、各問題の回答に確信があるかをチェックしたりして過ごしました。ただそれでも5問くらいは間違えるものですね^^; ただ結果としていつも通りのパフォーマンスが出せたので良かったかなと思います。
ここまでは8.0というある程度スコアが出せたパートの解説でした。自信もあって書きやすかったのですが、ここからは6.5という微妙なパートの解説になります。自分なんかが解説していいのか、という気持ちもありますが、何か強気でいうというよりは「こういうことをしました」ということを淡々と書いていこうと思います。
Writing|ライティング
使用した教材
ライティングの学習では、「IELTSライティング徹底攻略」で必要な表現、構成をインプットした後、同書の演習問題にそって1日1エッセイ書いていき、最後に公式問題集「IELTS18」で模試を行いました。
書いたエッセイの評価はChatGPTにしてもらいました。素で書いたエッセイはいつも6.5、その後修正して書き直したエッセイはいつも7.0以上になっていて、本番も結局6.5だったので、ある程度ChatGPT評価は信用していいのかなと思います。
学習のポイント
全ての問題型に触れ、使用する語彙を把握する
IELTSのライティングはTask1, Task2に分かれています。それぞれの頻出内容は下記のとおりです。
Task 1:グラフの説明、地図の説明、手順を示したダイアグラムの説明
Task 2:環境問題、消費社会問題、テクノロジーなどに関する自分の意見を述べるエッセイ
各エッセイの設問にあった構成、トピック、語彙を身につけることが必要です。
例えばTask 1であれば、下記のような型があります。
構成:基本は3~4段落構成(総論、特徴1、特徴2、あれば特徴3)。全体で150字以上
トピック:総論ではグラフの概要説明、特徴1~2では誰でも気づくような特徴、特徴3では細かい特徴もしくは変化がない部分など
語彙:総論ではOverallで始まる総括文を必ず入れる、特徴1~3では細かい数値に(絶対値だけではなく差異にも)言及しながら論を進める。The first point to note is ~ / The second point to note is ~ などで始めると書きやすい
また、Task2にも同様の型があると同時に、トピックに沿った分野別語彙(環境問題であれば「生分解性プラスチック/biodegradable plastic」など)も散りばめる必要があるので、その修得も必要です。
自分は1日1エッセイ、2時間くらいかけながら習得していました。下記がその手順です。
①その日のトピックに合った語彙、表現を学習する。
②自分でエッセイを書いてみる
③Chat GPTに評価してもらい、文法ミスやスペルミスを表でもらう
④自分の文法ミス、スペルミスをドキュメントにまとめておく(後でQuizletなどに入れて復習しやすくする)
⑤学習した文法ミス、スペルミスを踏まえて、もう一度同じ設問でエッセイを書く
犯しやすいスペルミス、文法ミスを潰す
上記の学習を踏まえることで、自分が犯しやすいミスのパターンが浮かび上がってきます。例えば、
どのタイミングで定冠詞の「a / the」を使うのか
lead / access / approach のどれに前置詞がつくのか
三単現sなど基本的な文法事項に誤りはないか、など
これらを意識することで、エラーの少ない文章を書くことが可能になり、失点を防ぐことが可能です。
解き方のポイント
グラフ問題は具体的な数字に言及する
グラフ問題では、「増加した」「変動している」といった説明だけでなく、「何%になったのか」「何%変化したのか」という具体的な数値への言及が必要です。ライティングの評価基準の資料には、具体的なデータがない場合、Task Achievement が5.0に留まり、しっかり数値の根拠が示されていれば6.0になる可能性が示唆されています。
動きだけに言及して何か言い終わった気にならず、しっかり数値まで明言するようにしましょう。
書き終わった後に読み返す
ライティングはクリエイティブな作業なので、表現することが好きな人には比較的楽しいパートかもしれません(自分もその一人です)。しかし、自分で書いた文章を読み返してみると(そしてそれを頭の中でプロが英語で書いた記事とかと比較してみると)意外と支離滅裂で、幼稚だと思うことも少なくありません。書いた記事は時間が許す限り推敲して、整えてあげることが必要です。
反省
語彙や表現の高みを目指せなかった
個人的には、各トピックに沿った「型」や「文法」といった外枠の部分のエラーはほとんどなかったはず、と思っていますが、問題の中身で、より詳細な、専門的な議論ができなかったことが足を引っ張ったかな、と反省しています。分野別語彙を新しく覚えて積極的に使っていくよりは、手持ちの語彙で「持論」を展開していくという楽な方に流れてしまいました。いまからライティングを受け直すなら、そもそも展開する論を、入れるべき専門語彙を踏まえて再構築しなおし、より詳細で効率的で説明ができるようにするかなと思います。
Speaking|スピーキング
使用した教材
新セルフスタディIELTS完全攻略スピーキング で頻出のテーマを確認し、それに対するスピーチを作成しインプットしました。また、日々のオンライン英会話(Bizmates)で、トピック予測のウェブサイト(Part 1, Part 2~3)に基づいて、スピーチ練習を2周ほどしました。この予測、完璧ではないにしろ、私の本番ではこのサイトの質問がそのままいくつか出たので、本番では予測をさらにシャッフルした質問が飛んでくると思っておいた方が良さそうです。
学習のポイント
頻出テーマに対して、2分間のスピーチを準備する
ホームタウン、今住んでいる地域、子供の頃の思い出、観光など、頻出トピックについての2分間スピーチを用意して暗記しました。
意外と使い回しが効くトピックが多いです。例えば、自分の出身は熊本なので「熊本城」についてのスピーチを一個持っておくと、「ホームタウン」「日本のおすすめの観光地」「家族旅行の思い出」「異常気象、災害(熊本地震の話)」などのトピックに使えます。また、仲のいい友人の話も、「あなたが尊敬する人」「最近聞いた嬉しいニュース」「あなたが助けを求めたエピソード」などに使えます。何の話が何の質問に使えそうか、自分でグルーピングしてみると良いと思います。
個人的な話だけでなく、一般論も語れるようにする
これはIELTSを受験する以前から自分の課題だったのですが、"I"とか人称代名詞で始まる文章はペラペラ喋れるけど、一般論とか名詞を主語にした文がなかなか出てこない、というのが克服ポイントの一つでした。特にTask 3は、1~2と違って一般論を聞かれるので、自分の経験に固執するのではなく、一般的にどうなのか、なぜなのか、という理由づけができる必要があります。これは日頃のスピーキング練習でなるべく個人的な経験から離れて話そうと意識していました。
解き方のポイント
話すこと自体は好きなので、上記以外に回答の仕方にこだわっていたわけではない、というのが正直なところです(その戦略性のなさが今回の6.5の原因、と言われればそのとおりなのですが、、、)。
強いて言えば、なるべく長く話すように心がけていました。回答が長すぎるなら試験官が適当なところで止めてくれるので、時間いっぱい自分の英語力を披露しようとしていました(無理なく長く喋り続けられる、というのは7.0の評価ポイントの一つです)
反省
ゆっくり話すべきだった
ここはマジで今回のIELTSの一番の反省です。「めっちゃ喋ってやるぞ」という意気込みと、「やばい本番だ」という緊張で、ハツラツと受け答えしていましたが、めちゃめちゃ早口になってしまい、結果ミスも多く(自分でも前置詞が発音できていないことに気づくこともありました)、聞き取りづらく、アマチュアな響きのスピーキングになってしまいました。
これがペースを落とせていれば、もっとゆっくり、気をつけて、はっきりと話すことができたのに・・・。そして「ゆっくり話すことが大事」というのは、事前にYoutube動画で見て学んでいたのですが、いざ本番になると日常の癖が出てしまいました。
自分の早口英語は「英語のハノン」からきていると自覚しているのですが(ハノンにはめっちゃ感謝している)普段の会話から、相手にわかりやすいペースの英語を心がけておくべきでした。部分部分で速くなることはあって良いとしても、全体としては「焦りすぎ」な英語だったと思います。それが「文法ミス」「発音不明瞭」「トピック枯渇による要らぬ焦り」を生み出していたと思います。
語彙や表現の高みを目指せなかった
また、ライティングと同じ問題ですが、手持ちの単語、表現の使い回しは得意なのですが、それを拡張していこうという努力は欠いていたと思います。ここはちょっと根深い問題で、単語の暗記だとしても、意味が分かるというレベルの受動的な理解ではなく、「会話の中で使えるようにする」という、積極的な使用の練習方法を自分でもまだ編み出せていません(英語学習コンサルの人にも依頼して一緒に考えてもらっていますが、しっくりくるのがなかなか生み出せない・・・)
一番効果があるなと思うのは、アメリカに住んでいて、日常会話ベースで語彙を増やしていくことなのですが、ペースが限られるので、どうすればオンライン英会話などの時間を通じて単語を「アクティベート」できるかな、と模索している今日この頃です・・・。
スピーキングはマジで悔しい。アメリカに来て一番伸ばしたスキルだと思ってたけど、それでも7.0には届かなかった。英語習得の道はまだまだ続きます。
試験当日・結果発表
今回は「アメリカで」「コンピュータ版」という初めてなことだらけのIELTSでした。試験当日から結果発表までの様子を紹介したいと思います。
睡眠/バスで2時間かかる試験会場
アメリカです。試験会場が「車で行くこと」前提。
自分はシアトル在住ですが、試験会場はシアトル・ダウンタウンになく、Federal wayというシアトルから車で40分、バス乗り継いで2時間かかる場所で実施されました。周囲にスタバも何もない、木立と道路に囲まれたビルでの開催。自分は車がないのでバスでの移動。8時15分集合、9時開始なので、6時前には家を出る必要があり、起床は5時半でした。テストの日に5時半起床はキツい。
これが日本なら高田馬場とかにサクッといけたのですがそうにもいかない。テスト当日の朝は5時半起きだったので脳の半分が死んでるくらい眠かったです(前日22時に寝たのに)。 行きのバスで勉強したかったのですが、断念して仮眠を取りました。そういうこともあるので、1週間前くらいから生活リズムを合わせておいた方が良いと思います。
期待したほどでもなかったコンピュータ版
日本でペーパー版を受けた身としては、コンピュータ版はさぞかし快適なんだろう、と期待していました。実際に各サイトではコンピュータ版のメリットがしつこく喧伝されています。確かにCtrl+C,Vでコピペができたりやりやすい部分もあったのですが、意外と注意点もありました。
まず、マウス、キーボードへの慣れ問題です。普段MacbookとかノートPCを使ってる人は、久々のデスクトップPCにちょっと戸惑うかもしれません。カタカタする背の高いキーボードに、長らく使っていないマウス。結果的に慣れていきましたが、このレガシーテクノロジーの使い勝手の悪さ(というか慣れてなさ)にちょっと面食らいました。
また、コンピュータ版の最大のメリットである、リスニングテスト時の「ヘッドフォン使用」ですが、それも意外と微妙。確かに聞き取りやすいのかもしれませんが、自分の会場ではヘッドフォンの質が、そもそも飛行機で配られる無料のアメニティレベルで、周囲の人からの音漏れがすごい^^; 逆に「あの人めっちゃ進んでるやん」とか気になる、ということはありました。
また、慣れない画面操作でいらん緊張をしてしまうというのもあります。テスト開始までに、ID/PWの入力や、チュートリアル再生など、事前に知らなかった段取りが意外と多いです。それを会場の全員とタイミングを揃えながら進めていかなければならない(なぜなら終わる時間を揃えたいから)のですが、変に緊張して何度かスタッフのお世話になってしまいました^^; お恥ずかしい。
スピーキングテスト時間の突然の繰り上げ
試験当日は、自分含めて7人程度の受験者でした。自分はスピーキングテストを最遅の16時台で予約しており、待っている間にオンライン英会話でもしてウォームアップしようと思っていたのですが、ライティングの試験途中に「時間繰り上げになったから」とスッとメモを渡されて、「まじか」と思いました。そういうこともあります。
試験結果は24時間後に到着
嬉しい誤算だったのは結果発表の早めの到着です。サイトには3~5営業日かかる、と書いてありましたが、スピーキング終了からちょうど24時間後の翌日14時ごろにメールで到着しました。
そして、無事7.5を取得。スピーキングとライティングは悔しさが残りますが、両方7に上げたとしてもoverallが変わらないため、またほとんどの大学院は7.0あればOKで、GREとかの勉強した方が良いため、一旦ここでIELTSの旅は一休みすることにします。再挑戦は大学院合格後かな。
総評
結果的にoverall 7.5を獲得できて総じて成功した受験だったと思います。と同時に、諸々の反省点が浮き彫りになり、学びの多い経験にもなりました。また、漫然と毎日オンライン英会話をするよりは、スコア取得(しかも期限付き)という目標があった方が、効率的に語彙を習得できるな、という印象もありました。
IELTSを終えましたが、今度の英語学習をどう設定していくか、またIELTSの学習は日常の英語力にどの程度寄与するのかなど、まだまだ考察したい内容は事欠きません。
僕が割と言いたいのは、「俺でも1.5ヶ月の準備で取れたんだから君もいけるよ!!」という事です。特にワシントン大学での同じクラスだったみんなに向けて。
本記事が少しでも役に立てば幸いです。
最後に、僕のnoteよりももっと役に立つと思われる、他の方の体験談をまとめて締めます!多くの方がIELTS体験記を出されていますが、僕が参考になったのは下記2つです。お二人とも本当すごいです。