エンジェルナンバー /マジック解説
考案:下村知行
数秘術(すうひじゅつ)の話をしながら行うメンタリズムエフェクトです。
SO3のマジックに数字を使う必然性を導入して数理臭さを抜こうと考えて作りはじめたものですが、逆に数字を扱う面白さが生まれたのではないかと思います。
封筒にすべての道具をコンパクトに入れて持ち歩ける点でも、演じやすいエンターテイメント作品です。テクニックは不要でウケもよいので、カバンに入れて持ち歩き、最近のペットトリックになっています。
静岡のマジック愛好家・山田直弘さん考案の"1から9までのカードを使うSO3トリック"を行うときに覚えておきたい技『山田セット』もお見逃しなく。
セリフは【現象】の項では、短かめに、はしょっていますが、【方法】の項で詳しく説明します。演出に台詞ワーキングが効いた、Win-Winエフェクトになっています。Win-Winエフェクトというのは私が提唱している用語で、マジシャンと観客が「騙そうとする人 VS 騙されまいとする人」というような敵対関係でなく、マジックの成功が観客もうれしくなる現象のことです。
【 現象 / EFFECT 】
●「カバラの数秘術というのを聞いたことがありますか? 昔の人は数字にいろいろな意味があるとして占いに使ってきました」
といって数秘術についての面白い話を始めます。
●「数秘術で、あなたのここ1ヶ月の運勢を占ってあげましょう。ただし私は占い師ではなく、メンタリスト(または、マジシャン)なので、占うだけでなく同時にあなたをハッピーに導くことができます」といってから、封筒を取り出します。封筒の表には「3つの未来」と書かれています。「ここにはあなたの未来を予言しておきました」と言います。
●9枚のトランプを取り出します。これがハートのAから9であることを見せて、裏向きにして混ぜます。
●裏向きで3枚ずつに山に配り、2つの山を選ばせます。フリーチョイスです。
●「それぞれの山から1枚のカードを選んで2桁の数字を作りますが、どちらの山を十の位にすることもできます」と選ばせます。これもフリーチョイスです。
●それぞれの山から1枚ずつのカードを選ばせます。これもフリーチョイスです。「まだ変えてもいいですよ」と完全にフリーに選ばれた数字であることを納得してもらったら、さらに2つの2桁の数字を作ります。
●2桁の数字が3つできたところで、封筒を開けてもらうと、3つの予言が書いてあり、全てが当たります。
●なお、3つの予言の最後のものは、3つの数字の和が165で、それはハッピーな"エンジェルナンバー"であるという予言です。
わけがわからない状態の観客に、ある言葉をスマホで検索してもらうと、本当にそれがハッピーな数字であることが証明されます。
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SO3(ソースリー)原理の研究
とある数理原理を使った新しいマジックの解説。トランプを使うものや、紙とペンだけで行うテクニック不要のメンタリズムエフェクトです。マジシャン…
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