#118 共有ドライブの組織部門は GAS では変更できない
はじめに(背景)
Google Workspace のストレージポリシーが変更になったことで、組織内で利用している容量を気にしなければならなくなりました。
それぞれのユーザーにクォーターを設定して、保存可能な容量を設定できるものの、
Google ドライブの「マイドライブ」
Gmail
Google フォト
には容量制限の合計に容量制限が課せられるものの、
共有ドライブ
にはそれぞれのユーザーの容量制限が適用されません。
これは、「共有ドライブに保存されているデータは、個人のものではなく、組織のもの」という解釈なので、それぞれのユーザーのストレージ容量を消費しないことを意味します。
この記事の内容
以前に、#69 → #102 → #108 → #110 と共有ドライブの管理に関する記事を作成していますが、#110 であきらめきれずに更に試行錯誤を行っていました。この記事は、その結果を記事にしたものです。 ※記事のタイトルで結論を明らかにしていますが…
これまでの記事
試行錯誤の結果
結論としては…
現状では GAS で利用できる API を用いて、共有ドライブに設定された組織部門(orgUnitId)を更新することはできません。
共有ドライブの設定変更には、↓ の URL で説明されている update メソッドを用います。
もっと早く気付けばよかったのですが、そもそも組織部門(orgUnitId)は「出力のみ」と明記されています。
そのため、get メソッドなどで情報を取得(API としては出力)する場合には、orgUnitId が設定されているものの、update メソッドで情報を更新(API としては入力)する場合には orgUnitId は利用できないのです。
そのため、Web 上で API の動作を確認できる API Explorer を用いても、orgUnitId は入力するパラメータとして表示されないのです。
#110 でも似たようなことを触れていますが、update メソッドに orgUnitId をパラメータとして与えてみたりもしましたが、無視されるだけでした。😖
最後に
上述したように、Google Workspace のストレージポリシーが変更になったことで、それぞれの組織(学校や自治体)では使用するストレージ容量を管理しなければならなくなりました。 ※私立の単独校であっても、それぞれのユーザーにまったく容量制限を課さないということはないのではないか、と思います。
それぞれのユーザーのストレージ容量には上限を設定できるものの、共有ドライブは組織のものとして解釈されるため、組織として組織内の共有ドライブの状態を把握しなければなりません。
管理コンソールでも一覧表示できるものの、管理するのであれば、以下のような #69 のプログラムでスプレッドシートに書き出せた方がいいように思います。
そして、管理する区分ごとに組織部門を変更したくなると思うのですが、その変更は GAS では行えない、というのが今回までの記事の結論です。
スプレッドシートに書き出した一覧の情報から、組織部門を変更しなければならない共有ドライブを見つけたら、変更は管理コンソールで行ってください。
※その後、#69 のプログラムは所属する組織での共有ドライブを管理するための機能を付加していますが、組織固有の処理を追加したものになっているため、最新の状態のプログラムは公開できません。