妊活が闘病の始まりだった②
婦人科再受診
転職やら、結婚式準備やら…
忙しいとは何かを後回しにするのに便利な言葉で、気付けば前回通院から半年が経っていた。
身体の異変は相変わらず続いていた。
そろそろ結婚して1年だし、症状も1年くらい続いているし…
たまたま用事がなかった土曜日、再び同じ婦人科に行った。
「半年前に子宮ガン検診やってて異常はなかったし、女性ホルモンが活発なんでしょう。
妊娠を希望しているのであれば、良いことですよ。
ちょっと入り口のところに何かデキモノがありますね、念のため検査にまわしておきましょうね。
年齢的に考えて、まだお若いので問題ないと思います。
1週間後にきてください。」
検査結果
「残念な結果ですが、〇※△$センガンです。センガンという字は線という字に癌と書きます。
顔つきの悪いタイプの癌でスキップして飛んでしまう癌です。すぐに大学病院にいってください。手術をすることになるでしょう。
詳しいことは大学病院で検査をしてもらってからになると思います。
紹介状を書きますので、大学病院、どこがいいとかありますか?」
『都内の出身でこのあたりの大学病院がわからないのですが、どこかご紹介いただける大学病院はありませんか?』
「紹介できる病院はありません。」
紹介できる病院もないと言われてしまったので、過去に入院歴のある都内の大学病院の名前を伝えた。
受付で会計時に受け取るように言われ、診察室を出た。
目の前の現実
風邪だと思って病院に行ってみたらインフルエンザだった。
みたいにサラっと言われて、病名もちゃんと聞き取れなかったけど、手に握りしめている検査結果用紙に先生が説明しながら書いていた
【子宮頸部腺癌】
という文字が書かれていた。
病院を出てまずは主人に電話をした。
『私、子宮がんだって。すぐに大学病院に行くようにって。』
口に出した途端、自分が癌になったこと、
これは現実に、自分に起きていることなのだと実感した。
と同時に涙が溢れ出して止まらなくなった。
主人が私に何と声を掛けてくれたのかは覚えていない。
主人と電話を切ってから母へ電話をした。
「……うそ……」
絞りだしたその一言は涙声だった。
姉に電話をしたけれど、繋がらず、メールで報告し、
とりあえず家に帰ることにした。