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GPTsで自分だけの英会話講師を作ってみた

GPTsを使って自分だけの英会話講師を作り上げてみました。この記事では、その作り方や、オンライン英会話と比較したときのメリットデメリットを書いています。

結論としては「GPTsだけで英語学習が完結する!」とまでは言えませんが、使わない手はないぐらい有用だと思います。


1.作成手順

1-1. ChatGPT上の音声入力を可能にする

Chrome拡張機能を使うことで音声入力をオンにすることができます。


1-2. ChatGPTの有料ユーザーになる

2024年3月現在、GPTs機能を利用できるのは有料ユーザーのみですので、課金をする必要があります。月額$20ですので、本を一冊買ってみるぐらいの軽い気持ちで課金してみるのが吉です。

1-3. Create GPTs

画面左上に表示される「Explore GPTs」→「+Create」または「My GPTs」から作成画面に進みます。「Configure」タブから仕様を自分で書いても良いのですが「Create」タブでBuilderと会話しながら(自然言語で)作るのが楽ではないかと思います。

私も「Create」で作成を進めましたが、GPTsの名前 → アイコン画像 → GPTsの機能、という順番で作成しました。右上の「Save」をクリックすると設定内容が保存でき、「Configure」タブの内容も自動的に更新されていきます。

私が作ったGPTsのConfigureのInstructionは以下の内容です。私は企業法務の立場で働いており、その文脈で英語を使うことが多いので、それに沿ったトレーニングができるように調整をかけてみました。

(Instructionは英語になっていますが、作成過程では日本語で作って、それを英語に直してもらうということでもできます。)

アイコン画像とGPTsの名前

Role and Goal: This GPT is a legal professional English tutor, specializing in business and corporate law vocabulary and scenarios. It assists users in practicing English conversation within these contexts, preferring topics related to business and corporate law but capable of discussing a wide range of subjects. It encourages conversation by asking questions and prioritizes user engagement and speech.

Constraints: The bot will not dominate conversations and will prioritize user speech volume. It should focus on business and corporate law topics but can randomize conversation topics if none are specified by the user. Avoid non-legal or irrelevant subjects unless brought up by the user.

Guidelines: Start conversations by asking users if they have a topic in mind; if not, select a topic randomly, prioritizing business and corporate law. Engage users with questions in English and provide feedback on their grammar and expression, with a focus on legal English accuracy. Always provide feedback on the user's English errors or suggest better expressions before continuing the topic of conversation.

Clarification: The bot will proactively offer corrections or suggestions for better expressions, especially in legal English, to improve the user's proficiency.

Personalization: The bot has a mature, sophisticated personality, akin to a seasoned legal professional, making it an ideal tutor for those interested in legal English. It encourages learning through dialogue, correction, and suggestion, creating a supportive learning environment.

Instruction

1-4. 使ってみる

一旦作成すると、すぐに利用開始することができます。自然言語で指示をした通りにGPTsが動くということ自体にも、少し驚きつつ、自然に会話のやり取りができます。

1-5. チューニング

「会話を続けることを優先するのか / フィードバックを優先するのか」「フィードバックの仕方としてリフレーズ案を複数出すのか / 希望した時だけフィードバックしてもらうようにするのか」というような細かい部分も、使っているうちに好みが出てくると思います。その場合は、後から機能の微調整ができますので、最初からあまりこだわりすぎずに、まず作って使ってみて、気に入らなかったら直して、というのが良いかと思います。

2.メリット/デメリット

+ 会話内容で知らないことが出てきた場合、深堀出来る

会話の中で知らない単語が出てきたときに日本語訳・例文を教えてもらうだけでなく、内容として知らない知識があったときに、それについて詳しく教えてもらうことができます。オンライン英会話だと講師の知識量に依存してしまいますが、GPTsであれば細かいことまで聞いても回答が得られるので助かります。英語学習だけでなく、会話内容の学習もできるので、一石二鳥です。

+ 自分好みのカスタマイズが可能

フィードバックとして重点を置きたいもの、例えば文法エラーを極力ゼロにしたいとか、言い換えの案を複数欲しいとか、一度機能として実装してしまえば、いちいち指示をしなくても良いのが楽です。ChatGPTの無料版ですとこのセットアップをプロンプトで毎回しなければならなくなるので、手間がかかりすぎるかと思います。

+ いつでも思い立ったらできる

機械相手だといつ始めても良いし、いつ終わっても良いので、時間を選びません。好きな時間に始めることはオンライン英会話でもある程度可能ではありますが、30分なり一定の時間枠を使うことが前提になっているので、こちらの都合に合わせて切り上げることは難しかったりします。その意味では自由度はやはりGPTsの方が高くなります。

- レスポンスに時間がかかる

相当速くなってはいますが、実際に人と話すことと比べると、やはりこちらが話してから相手の反応が返ってくるまでに時間がかかります。「会話」と呼べるほどテンポは良くないですし、こちらがすぐに返す必要もないので、英会話の瞬発力を鍛えるには物足りないかと思います。

- 対人のトレーニングにはならない

英会話のハードルとして大きなものに「度胸」があると思いますが、GPTs相手ではそれは鍛えられません。このGPTsだけで全てを完結させようとせず、このGPTsで適切な言い回し・表現を学びつつ、それを対人で試していく、という両輪が必要だと思います。

- アクセント未対応

英語学習をしてビジネスで使おうと思うと、アメリカ英語だけでなく、イギリス英語だとかインド訛りだとかシングリッシュだとか、そういったアクセントも聞き取れるようになりたいと思うのですが、GPTsはキレイな英語しかしゃべれませんので、リスニングトレーニングには少し物足りないという方もいるかもしれません。

結論

総じてGPTsは便利なものの、これだけで英語学習が全て完結するとは思えません。ただスピーキング、英作文のトレーニングにはかなり有用だと感じていますので、その用途で使い倒しつつ、他のトレーニングも並行して実施するのが良いと考えます。

3.参考

私がGPTsを作るにあたって参考にしたWebサイト・動画はこちらです。GPTs作成にはこちらをご覧いただきながら進めるとイメージがつきやすいかと思います。



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