ホームレスのおじさんとわたし
そのときは本当に仕事が忙しくて、朝早くから夜遅くまで陽の当たらない部屋で働いていた。
印刷会社で働いていたから、印刷物の色がわからなくてならないように日光の光が部屋に入らないようにしていたのだ。
おかげで日にも焼けないで青白かった。
睡眠時間も少なくていいダイエットになってた。
その日も仕事が忙しい日だった。
いつもより早く電車に乗った。
そこから地下鉄に乗るのだが、いつもラッシュにあうくらい混む。
でもその日はいつもより早く出たので空いていた。
あー乗り換えの電車まだこないな。眠いし疲れた。
ちょっとベンチに座ってまってようかな。
そう思って駅のホームのベンチに座った。
あー眠いな早く電車こないかなとぼーっとしながら考えていた。
ふと気づくと自分の目の前にホームレスのおじさんが立っていた。
右手にダンボール、長い髪、モジャモジャの髭。
わたしの目の前に立ってじっとわたしを見ていた。
ホームにはおじさんとわたし2人だけ。
そしておじさんはわたしにこういった。
「しんどいんやろ?ほらこれあげるから」
そしてわたしの目の前に手を差し出して、手のひらをひろげる。
110円。
「ほら、これでジュースでものみや」
「えっ!そんな!いただけません!わたしだいじょうぶです!」突然話しかけられてびっくりして慌てて返事をする。
そしてだいじょうぶなんでといいながら、やっときた電車に乗り込む。
優しいおじさんやった。
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