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耳硬化症からの鼓室形成術〜これから手術を受ける人へ(通院から入院まで)

2024.9月某日 
基本データ 現在37歳男 左右両耳とも悪いが、特に右耳が悪い 補聴器は付けてない 日常会話はできるレベル(ヒソヒソ話は聞こえないが、めったにあることではないので特に支障なし) それ以外は普通

地元のクリニックにてひょんな話から耳硬化症の可能性もあり、仮にそうだとしたらいずれかは悪くなって聞こえなくなると聞き東京慈恵会医科大学附属病院(以下、東京慈恵会)にて、精密検査をすることに。

検査の結果はやはり聞こえは悪いけど、CTだとなかなか判断がしにくいとのこと。
可能性としてはやはり耳硬化症が第一、ただし影を見る感じ判断がつきにくいものの耳小骨奇形等の可能性もわずかにあると診断された。

この段階では左右両方とも聞こえにほんの少しの不便さは感じられていたが、それでも日常会話はできるレベル(ただし、ヒソヒソ話はあまり聞こえないので苦手)だったし、話す相手からは耳が悪いなんて言われたこともないし、自分から言ったこともない。ちなみに、聴力検査のレベルは両耳とも補聴器をつけるレベルと言われていて、特に右耳が悪いとは実感していた。

この頃からどうせいつかは耳が悪くなるなら若いうちに手術をやろうかなと心の中で思っていた中で、自身が大学生の頃に慈恵第三病院(狛江市)で鼻の媚中湾曲症の手術のため1週間程度の入院をしたことがあったため、その繋がりもあり東京慈恵会の紹介状を作成してもらい、ネット検索で出てきた医師を紹介していただいた。
基本的には各病院のホームページを見て実績などを参考に探すべきなのかなと思う。

紹介状をもとに執刀医師と面談し、当たり前のことだが最終的な判断は患者の意思に任せるとされたが、手術をやりたい旨伝えたところ偶然にも医師のスケジュールが空いておりかなり早い段取りで2ヶ月後と決まった。
その間2回の通院が必要で、手術に向けて本格的な聴力検査、血液検査、採尿、心電図等あらゆる検査を行い、執刀担当医より手術内容の説明があった。

入院自体は4〜5日程度を予定してるということのみで、術後の状態により退院日が決まるため入院前時点では手術日が決まっているのみで、何泊するかも確定していなかった。
手術時間も未定の段階で手術当日入院にするか、前日入院かを問われたが、当日だと相当朝早い来院の可能性があったため前日入院を選んだ。
病室に関しては4〜5日程度とのことだったので特に費用負担の発生しない6人部屋を希望したが、今思えば4人部屋か個室でもよかったかもしれない。
6人部屋はやや狭いのと、毎日の看護師さんとのやりとりがモロ聞こえてくるので特に聞かれたくない事はないが悩ましい。私の入院時は窓際に1人いただけだったが、まさかのその隣が私の割り当てだったので順序よく入っていくのかなと思いきや、3人目はもう一つの窓際を割り当てられており良いなぁ、と思った。
その理由も東京タワーがかなり近い距離に見えるため、夜はかなり癒されるだろうなと。
術後何もない前提になるが、とにかく時間を持て余すことになるのでなるべくだったら4人部屋の広い部屋か、金銭面でケチらないで個室にすればよかったかなと今更ながらに思う。

(入院1日目)
翌日の手術に向けてのレクチャーが看護師よりあり、手術する耳の左右の確認、再度の聴力検査、執刀医、担当医以外の医師、担当の麻酔科医からの簡単な問診が行われた。
この時、初めて看護師から翌日の手術時間のお知らせがあり13:30を予定してるとのことでした。
手術前日のいくつかの検査も終わり、あとは風呂入って寝るだけというところで、看護師よりスケジュール変更があり手術時間が8:15と変更されたのはやや緊張感が増したが、病院の朝は6時起床なので返って昼過ぎまでを緊張状態で過ごすよりかは良かったのかなと思った。
夜の9時から絶食となり、それ以降はオーエスワン×1、アルジネートウォーター(アクエリみたいなもの)×4を翌日6時までに飲むものとして渡され、基本的には栄養の補助的なものなのでなるべく飲んでくださいとのことだが、無理して飲むものではないそう。
私はアルジネートは全て飲み干し、オーエスワンは数口飲んだ程度で済ませた。
ちなみに夜にそんなにたくさん飲むのもなと思いつつ、そのまま寝てしまい朝6時の慌ててにアルジネート3本飲みました笑。これは悪い見本です。

(入院2日目)
手術当日は自分の足で歩いて手術室に行くため遅くとも5〜10分前には手術着に着替えてトイレを済ませておく必要があり、着替えて待っていると担当看護師さんと一緒に手術室まで行くことになる。
手術室まで着くと、室内からは外科担当看護師さんに案内され、立て続けに昨日の麻酔科医にもさまざまな質問と確認作業が行われた。
これは左右の取り違え等の医療事故を防ぐための確認作業だそうだが、かなりの回数色んな人に言うことになるのでやや煩わしいが仕方ないと言い聞かせるしかない。
いざ手術台に寝ると緊張状態はMAXに達するが誰しも同じだと思う。
色んな器具を装着され、5分もするとすぐに全身麻酔のマスクを装着案内があり、ものの1分で眠りにつくことになる。
次の目覚めはまさに言われた通り、術後起こされた時である。その間は全く記憶はない。ちょうど母が見舞いに来てくれ、母に名前を呼ばれた記憶はあるが、まだ少し麻酔が効いてたのかまぶたが重く目が開かなかった記憶はある。
そのまますぐに病室に直行し、酸素マスクを装着され、抗生剤などの点滴、それから足は鬱血しないように左右両足とまマッサージ機みたいなものを取り付けられ、意外と動きずらい体制のまま、おそらく2〜3時間程度はウトウトした記憶がある。
ちなみに、手術後は目覚めたら安静室(寝てたのでどんな部屋だったか全く記憶にない)から病室までベッドのまま直行だが、結構酔いました。たぶん麻酔の影響でしょうが、微妙に吐き気はあった。
そうこうしてるうちに昼過ぎになったところで麻酔が切れ、尿道カテーテルは装着していなかったので点滴による尿意が半端なく、ナースコールをしてトイレに行きたい旨伝えた。
麻酔直後なのでふらつきには気をつけてながら、偶然にも病室とトイレは近かったので難なく行けたものの、帰り際に若干の吐き気があり、それをみてくれていた看護師さんが吐き気止め点滴をしてくれたおかげで10分もすると落ち着きを取り戻した。
ここまでで個人的にかなり安心したのが、当初より想定されていためまいが全くなかったこと。耳の痛みについても気になる痛みはなく、特に気にならない程度であったように思う。
どの病院の耳硬化症について調べてみても一日程度はめまいの可能性が載っており、それが無かったのは感謝しかない。
執刀医師がちようど吐き気でムカムカしていた時に来てくれて、手術について説明してくれたが、もともと両耳とも悪い上に、手術をした右は詰め物の関係で手術前より聞こえないため説明の60%くらいしか聞き取れなかった記憶がある。
その中で当初想定していた耳硬化症ではなく、耳小骨はどれも正常だったが、そのうちの一つが生まれつき細いことから音が伝わりにくかったとのことで、耳のほんの一部の軟骨を使って細い骨を補強するような再建をしたとのことだった。
これを経外耳道的鼓室形成術というらしい。
経外耳道的とは耳の穴から直接器具を入れてという意味らしく、軟骨を補強用に一部切った以外は外傷はないらしい。現代医学すごいなと感心。

手術当日は点滴だけで5個くらいは次々交換された記憶があるが、その日は何も口にしていないのに尿意が半端なく、点滴の影響なのか看護師さんに聞いたところ点滴は抗生剤ばかりで尿意のあるものではないと言われたが、一日何も飲んでないのに出るわけないと思ってた。
この日は何度もトイレに行ったが、結局めまい生じることなくフラつきもなく歩けるようになったのは嬉しかった。

(入院3日目)
手術翌日は37.3度程度の微熱があったが、それ以外に特に問題はなく、普通にご飯を食べれるようになったのが嬉しかった。
唯一耳の位置を高くしなきゃいけないと言うことで背もたれをあげて寝かされてたので、個人的には朝起きたら首が痛かった記憶がある。
また、通年のアレルギー性鼻炎があり、季節の変わり目というのもあってか、術後は鼻詰まりがしんどく看護師さんに相談したがしばらくしても治らなければまだ言ってくださいと言われたものの、治るはずもなく弱めにではあるものの何度か鼻をかんでしまったのは耳に圧力をあけるため、あまり良くないとのこと。
朝から担当医が来てくれ耳の詰め物を交換してくれたが、ここでも想定以上に耳からの血などの滲出液は少なかったらしくいい感じだと言われた。
この日からは点滴は依然として結構やってた記憶があるが、食事制限もなく自由に動き回れるレベルに回復した実感があった。お菓子についても自由に食べていいか聞いたところ、むしろ食べて下さいと言われた。
耳の違和感といえば、詰め物の影響もあり、術前よりも聞こえは悪く本当に1ヶ月〜2ヶ月で良くなるのかは全く実感できず。
むしろ、今までは左右とも悪かったわけだが、左右で相互に補完し合っていたからなのか、ほぼ左だけで生活する方が耳が悪く感じる始末。ある意味で本当に耳悪いんだなと実感はできた。
午後に看護師より、このままいけば明日退院ができるとのことを告げられ退院日が確定したのは嬉しさしかない。退院計画書なるものを渡された日時の基本的なことが書いてあった。入浴、運動についてなどなど。

(入院4日目)
朝食後、担当医が来て退院後のあれこれについて質問することができた。
急に来るので何を質問しようか考える暇もなかったのが悔やまれたが、入浴についても今日まで全く入ってなかったが、耳に水が入らないように入ることが可能になった。耳に入れている脱脂綿は毎日変えるべきかどうかについては入れなくても良いと言われたが、どうせしばらくは聞こえにくい生活だから退院後の会う人会う人に説明するのも面倒なので個人的にはしばらくは入れることにした。

(それ以外で聞きたかったこと)
・どれくらいから回復しだすのか
・回復は急に来るものか、徐々に来るものなのか
・ジムでの運動は可能か
・コンサートなどのライブに行っていいかどうか
考えればいくらでもあるが、個人的にはこんな感じか。

ちなみに、退院日はせっかくなので退院前に朝風呂に入ることにした。術後は風呂に入ってなかったし、急遽アレルギー性鼻炎の薬を処方してもらうことにしたため、会計が出るまでに2、3時間かかるとのことだったためである。
久しぶりのシャワーは耳に水が入らないようにとのことなのでかなり慎重にやったが、意外と入らないもので、耳に入れた綿球もほぼ濡れていないと思う。念のため、病室では新しいものに交換した。
11時あたりに看護師より費用確定が行われて、会計窓口で精算という形で入院生活は終了。
つづく

(退院計画書の主な記載事項)
・退院後の入浴は可能
・洗髪も可能(耳に水が入らないように)
・運動は許可が出るまで不可

※入院中にメモ程度に書き記したものを退院後に文章化したため、誤字脱字、おかしな点等あるかと思いますが、これから手術を予定している方向けの実記録として大目に見ていただけると幸いです。気になる点等ありましたら、コメントいただけますと可能な範囲でお答えいたします。

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