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オンボーディングと向き合う秋2020[前編]

※Sansan Builders Blogからの転載です

こんにちは。最近は「気まぐれクック」の動画を見て、自分自身もいろんな魚を捌ける気になっているデザイナーの阿部です!

SansanのPC向けのアプリケーションのUIデザインや、ユーザーインタビューなどのリサーチ業務をメインでおこなっております。

何故オンボーディングに向き合ったのか

みなさんは、Sansanと聞くとどんなことができると思いますか?

「早く言ってよー」のCMでもよく言われる名刺管理のイメージが強いのではないでしょうか?実際に使っている方は、それ以外の機能もご存知だと思うのですが、大半の方が「Sansan=名刺管理」という印象をお持ちだと思います。

名刺管理という切り口で言えば、すでに色々なサービスが世の中には溢れています。その中でもSansanのサービスが他よりも優れている点として「同僚との人脈の共有」「接点のある企業に関する情報収集(Ex. ニュースや人事異動、財務情報など)」「オンライン商談で使えるオンライン名刺」などが挙げられるのではないでしょうか。

ですが、ユーザーには「名刺管理」の印象が強く伝わってしまっているというのが現状の課題です。サービスを実際に使うユーザー自身で導入を決定したわけではなく、導入担当者からの利用指示を受けるという流れのため、名刺管理以外のSansanの機能を認識できておらず、その結果活用は限定的なものになっております。

そのため、ユーザーが持つSansanに関する知識というのは今後ツールを使い続けてもらう上で、とても大切なものとなってきます。

Sansanに関する知識を身をもって理解してもらううためには、まず「1枚の名刺をスキャンしてもらう」ということが必須体験となってくると私たちは考えました。


どんなアプローチを取ったのか

まずSansanが組織として、ユーザーに対しどのように利用促進をしているかを整理すると二つに分けられました。1つは「CS(カスタマーサクセス)によるサポート」、もう1つは「システムにおけるオンボーディング機能」です。

SaaS系のシステムは機能がどんどん増えていきますし、システムだけで解決するのはどうしても難しいケースが多く存在します。システムの方が強いサポート、人力の方が強いサポートを包含して考える必要があります。そのため、現状どのような運営となっているのか、どんな流れをユーザーが辿っているのかを理解し、何が課題となっているかを認識した上で設計に向かうために調査を開始しました。

まずは、社内においてユーザーの理解促進を司っているCSです。Sansanの提供先の規模は、多岐にわたります。そのため、規模によってサポートの方法も異なってきます。そのため、一部ではなく、各フェーズにおいてカスタマーサクセスを担当しているメンバーにインタビューをおこないました。

インタビュー実施時には、まずはインタビュー設計をします。今回に限らず、自分がよく意識する3つのポイントがあります。「インタビュイーのことを知る(どんな役割なのか、どんな属性の人なのか)」「インタビュイーの動きを知る(どんな流れでTODOをおこなっているのか)」「どんな考え・感情のもと動いているのか」この3つの視点で設計をすることが多いです。

勘の良い方はすぐに気づかれるかもしれませんが、上記をヒアリングして言語化するとカスタマージャーニーマップができます。今回は、あくまでCSがメインではないので、作成はしませんでしたが、よく使える手法なので、おすすめです。

インタビューと同時に、現状システム側ではどの流れで、どのようなアプローチをしているのかフローチャートを作成しました。これは先述したとおり、実際にユーザーさんがどのような流れでシステムを使い始めているのかを俯瞰的に見るためのものです。

そのため、テキストだけでなく画面キャプチャを貼って記載することで、より認識をしやすい状態にしました。

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どんな発見があったのか

調査を進めると、さまざまなインサイトが得られました。

ユーザーの習熟度はシステム管理者の質に依存する
下記のステークホルダーマップをご覧ください。これは今回実際にヒアリングした際に出てきた登場人物をまとめ、整理したものです。

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ここで見るとわかるのですが、CSは直接Sansanを使っているユーザーに対して説明をおこなっているのではなく、ユーザー企業の運営担当者の方がユーザーとなる社員に説明をしているということです。当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、ここは大きなポイントです。

何故なら、運営担当者の方が理解度が低ければ、説明の質が下がりユーザーの理解が進まない可能性があるためです。ではCS側がサポートすればいいのではないかという話ですが、それも違います。エンタープライズ向けのサービスであれば、対象者は何十人ではなく、何千人といってしまう可能性が高いです。そう考えると、直接サポートするのは現実味がありません。(ユーザーの半数が説明会にも参加していないという話も上がってきていました)

そのように考えると、ユーザーへのSansanの価値訴求はシステム側で実施をした方が良さそうです。


ユーザーへの価値訴求がシステム上では存在しない

実際にフローチャートを確認してみると、ユーザーへの価値訴求がシステム上では確認することができませんでした。

ではどこで実施しているのか?と探してみると、ログイン後メールにて届いていたという状況でした。基本的にそれでもいいとは思うのですが、コミュニケーションをSlackや、Chatworkなどのツールを利用してメールを閲覧していない人も可能性としては存在します。となると、価値訴求コンテンツを見る人、見ない人が存在するわけです。

説明会も参加しておらず、システム管理者に使いなさいと指示されたツールでは利用促進もとても難しくなってしまいます。そのため、ユーザーへの価値訴求コンテンツをシステム内に取り入れることが必要となります。

他にも多くのインサイトが得られました。現在はそれらをもとにプロトタイプを作り、プロトタイプテストを実施しています。今後、これらを実装したことで、どれだけ名刺をスキャンし、Sansanの価値に気づいてくれる人がいるのかは神のみぞ知ります。

いい結果を期待しましょう。たとえいい結果でなかったとしても、改善することで、より良くなることを祈って。。。

[追記]
前編という形でまとめましたが、今後リリース後の状況も踏まえて後編を書きますので、お楽しみに。

以上ちゃんあべこと阿部でした。


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