コロナで家族全滅しそうな話(第2話)

【11月15日(火)】
妻は相変わらず38.0℃前後の発熱で寝たきり生活をしている。
うちの母が泊まる時に使っている空き部屋はテレビやベッドなど一通り揃っているので、引きこもり体質の妻にとっては何不自由ない環境である。
(治癒してもこのまま出てこないのではと思うくらい)
風邪を引いた時と変わらず、食欲はないようだ。

夜にそうめんを食べただけで、あとはスポーツドリンクとお茶を飲み、定期的に解熱鎮痛剤を服用するだけ。

部屋の前でこっそり様子を伺うと、ひたすらベッドに横になってNetflixやYoutubeを見ている。まぁそんな時もあるか。


私は、毎朝のメールチェックや細々とした仕事の連絡だけを済ませたらあとは子どもたちと過ごしつつこまめに家事をするだけ。
だるいけれど、数時間後にはもっとだるくなっているかもしれないと思うといつもよりやる気が出る。

平熱ではあるが、なんとなく関節の痛みがある。前日もそうだったが、昼過ぎにやってくるだるさと眠気に勝てずに1時間昼寝。

私の会社でも、同じタイミングで担当部署の現場に感染者(初!)が出たので、新型コロナウイルスの脅威に囲まれている。

子どもたちは、なぜ保育園が休みなのか、なぜ両親ともに家にいるのかを少しも疑問に思っていない。

せめて上の子(5歳)は曜日や時間の感覚があって欲しかった…
(来年から小学校に行けるのだろうか)



【11月16日(水)】
体中が痛い…。

我が家は、私がベッドで妻が布団(床)で寝ている。
妻は私と正反対で、床を好んで生活する人だ。

子どもたちは、上の子は私と一緒に寝るためにベッドへ来るが、下の子は布団(床)が好きで呼んでも来ることはない。

なので、普段はセミダブルベッド・布団それぞれに大人1人・子ども1人で寝ているのだが、妻の隔離生活に伴って布団が撤去されたため、この数日は下の子もベッドに寝るようになっている。

上の子が大きくなってきたこともあり、3人で寝ると非常に窮屈だ。
さらに、上の子は私が夜中に一時的に起き上がる(子どもたちに布団をかけなおす)ことで隙間が空くと、離れていったと勘違いしてそのスペースを埋めにかかる。

その繰り返しで、どんどんスペースがなくなっていく。

結果、とても窮屈な体勢で寝ることを強いられてしまい、朝になる頃には体が凝り固まってしまうのだ。

妻も私も、体調に変化は無し。


しかし、その日の夜中2時に体中の痛みと喉の痛みで目が覚めた。

変な体勢で寝ていたことももちろんあるし、蓄膿の症状により喉に緑色の鼻水が落ちてくることで炎症が起きていることもある。

とはいえ、なんとなくおかしい。

体温は37.3℃。

これは発熱の予兆だ…。


数時間後、下の子が起きてきた。顔が赤い。

体温は38.3℃。

こうして家庭内感染が始まったのだった…。

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