023 幸運が重なった第二志望
「022 第一志望校を受けるまで」とした前話では、受験をしたい、と言いだしたところから、第一志望が残念だったというトコロまでをざっと書きました。今話では、第二志望の話です。
今の塾に入塾する時に、第一志望は公立中高一貫校A校、第二希望は国立のB校。ただ、A校、B校両方の勉強をしてはどっちつかずになるので、A校のみの勉強だけで良いです。と担当の先生にお伝えしました。
次女自身器用なタイプでもないですし、そもそも、A校とB校は、試験の内容が全く違うのです。
A校は適正検査なのに対して、B校は国算理社の4教科。両方をやれば、二兎追うものは一兎をも得ず、ということになりかねません。
この2校がダメなら、もう地元の公立ね、という話で受験を始めたので、何がなんでもどこかに、というわけではないため、とにかく、第一志望に向けて、頑張って欲しいと思っていました。
六年生の夏頃、このB校の入試説明会に参加すると、今年から試験内容が代わります、と具体的なお話がありました。これまで4教科のテストだったのが、今年から書類審査、総合問題、面接、自己アピール、作文になると言うのです。
これまで、この学校を目指して頑張ってきた子には申し訳ないですが、我が子にはありがたい変更でした。もう、勉強のしようがないに等しい。
また、作文はとにかく得意だったのと、本人を見てくれる、というのは、娘にとってとても良いと思いました。校風に合わないと思われれば入れないわけですから、入れればとても過ごしやすい学校なのだろうと感じました。
志望校A校に比べると、偏差値は6〜10ほど下です。とはいえここ数年の倍率は5〜6倍。第一志望と同様に運もかなり必要です。でもなんとなく、この試験変更を聞き、運を味方につけたような気がしました。
そして、第一志望がダメで、私にコテンパンに言われ、気持ちを切り替えた次女。それからは積極的に勉強し、これは良い感じで取り組めているな、と感じました。このまま本番に臨めば、イケる!親としてそう思える様子でした。
当日を迎え、無事に本番を終えた娘に、新しくなった試験の感想を聞きました。
「花の絵を描く問題では、花びらの枚数を間違えた」
「ペーパーテストは、適性検査のようだったけど難しい内容ではなかった。とは言え、自信がある物は半分くらい」
「ディスカッションでは、緊張して間違えて、担当の先生に笑われた」
「自己アピールは、練習通りに発言できた」
「作文は、自分の経験を交えて書けた」
そんな風に言っていました。
どう捉えればいいのでしょう。
「地元の学校もいい学校よ。やってきたことは無駄にならないから、どんな結果でも、高校で第一志望の学校をもう一度チャレンジしよう!」
と合格の日まで家族で何度も話しました。
いよいよ発表当日、娘と2人で結果を見に行ってきました。
それぞれ掲示された用紙から、娘の番号を見つけ、淡々と書類を受け取り、帰りました。
「よっしゃー!」
という感じになるのかと思いましたが、「良かったね」と穏やかに、そして小さな声でお互い言うだけでした。
私自身、嬉しかったと言うよりは、ホッとした、と言うのが本音です。でも、小学校から上がってくるお子さんもいる中で、親として知り合いもいないところに飛び込んでいく不安もあります。そして、給食がない学校だと言うことに、少しがっかり。第一志望と地元の学校なら給食だったので、贅沢な悩みだとわかっていますが、下の子の幼稚園の時以来、5年ぶりにお弁当を持たせる生活です。作るの嫌いじゃないけど、年頃の女の子のお弁当は、ちょっと緊張します。
中学受験をすると決めて、1年半ほどの受験勉強を振り返ってみると、娘は志望校に行きたいと口先ばかりでした。同じ学校を志望している子はこういうことまで勉強しているよ、と言っても受け入れないし、塾で言われたことだけをただこなすだけで、自ら復習したり、対策したり、そういうことは一切しませんでした。
夫とも、結局受験勉強していなかったよね。勉強はしていたけど、トップクラスの学校に合格する姿勢ではなかったよね。という結論に達しました。
とはいえ、スポーツ系、習字、生花の習い事を続けながら、大好きな読書をたしなみ、それらをネタにしてこの第二志望の面接や作文を乗り切ったことを考えると、バランス良く小学校生活を過ごせたのかなとも思います。
結局勉強という意味での体力がなかったことや、自分を追い込むのが苦手な彼女を見ていると、中高一貫の第一志望に合格してたとしても、きっと大学で失敗するね、という結論を導き出しました。
負け惜しみ。まぁ、そうかも知れません。でも、そういうことが言いたいのではなく、これじゃ合格できないよね、と反省です。
そして塾の先生には、第一志望だったA校の高校を目指すには、、、と結果が出るなり洗脳され、すでに高校受験に向けての戦いが始まりました。この子は一生勉強するタイプのようです。
運も実力のうち。
娘よ、合格おめでとう。
「一芸に秀でる子」をモットーに、部活のために中2から私立に転校して寮生活を送っている中3、受験勉強を自ら希望し、読書力だけで乗り切ろうとする小6、彼氏アリのおしゃまな小2の三姉妹を育てる母です。普段は、書籍などのデザイン・編集・雑用をこなす、獅子座のAB型です。