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クレヨンで思い出す海外での「肌の色」体験

日本の商品から「肌の色」について考えることがあった。

先日、日本の友達からクレヨンをもらった。大喜びで新品のクレヨンでお絵かきをする息子の横で、私は衝撃を受けた。

「はだいろ」の色名が「うすだいだいいろ」になっているではないか!

調べてみたら「多様な人々が使う色として、肌色が特定の肌の色だけを表すのは不適切である」ということから、1999年から始まり、各社が色名を変更していたようだ。

確かに日本では、テニスの大阪なおみ選手や、バスケの八村塁選手など日本以外のルーツを持つ日本人たちの活躍もあり、「肌の色は多様」という価値観が以前よりも受け入れらているように感じる。

「肌の色」で私が衝撃を受けたのは、二十歳の頃にアメリカの大学に留学した時。私の肌は日本の外では「イエロー(黄色」」と表現されることにたいそう驚いた。

確かに「黄色人種」とは言うけれど、どう見たって私の肌は黄色ではない!と思っていた私。初めて聞いた時は、かなり違和感を感じた。実際、差別的な意味でアジア人に対してこの言葉を使う人もまだいる。

今でも覚えているのは、アジア系アメリカ人の友達から聞いたこんなジョーク。

友達:「バナナって、どういう人を指すか知ってる?」
私:「知らない……」
友達:「見た目はアジア人だけど、中身は白人のこと。まさに私のこと」

自虐的にそう教えてくれた彼女によると、見た目はアジア人(黄色)なのに、アメリカで育った人は中身はアメリカ人(白色)ということで、見た目は黄色だが向いたら白いバナナと呼ばれるそうだ。なるほどとは思ったけれど、それでもやっぱりアジア人を黄色と表現することに抵抗を感じる。

アメリカで留学していた同じ頃、クリスマスの時期にアフリカ系アメリカ人のお友達の家に呼ばれた時のことだ。そのお宅にあった絵本に出てくるのは、肌の色が黒いのサンタさんだった。そして、クリスマスの飾りつけのサンタさんも肌が黒かった。

初めて、肌の黒いサンタさんを見た時、まだ20代前半だった私は正直、違和感を感じた。「あれ、サンタさんって世界でどこでも肌の色が白くないの?」内心そんな風に思っていた。

自分がイエローだと言われ憤慨したり、肌の色が白ではないサンタさんを見て「あれ?」と感じた私も、その後、世界にはいろいろな肌の色があって、みんな自分とは肌の色が違う人をどう見ているか、あたりまえだと思っていた認識はその国の中だけだったこと、など少しずつ知るようになる。

海外で長く生活していても、小さい頃から身についた「肌の色」への意識はなかなか消えない。でも、クレヨンから「肌色」という色がなくなったように、私も少しずつ、自分の中の先入観を更新していきたい。世界にはいろんな肌の色があって、そんな多様性をちゃんと受け入れられる大人でありたい。

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