蝶の番人
全然弾けないや。
ピアノを30年振りに弾いてみた。 ショッピングモールの楽器屋さんにふと立ち寄ったら、「ご自由にお試しください」というプレートを見つけたのだ。
右手はおぼつかないながらも動き出したけれど、左手が動かない。両手一緒にやろうとすると、まさにしどろもどろ…という感じで…ひっちゃかめっちゃっかだ。
まるで錆びついた蝶番ね。 蝶番が錆びついて開かないドア、宝物箱、棚の扉、ピアノの蓋。 使わなくなるといつの間にか…固まっちゃう。
なんだか私の心と一緒だわ。
家事とパートと育児と。きちんとちゃんと。 そればっか気にして。
いつしか私の思う「きちんとちゃんと」のカタチからはみ出したものは、みんな悪いモノになっていた。モノとすら思われず、見過ごされたものも。世間一般の体裁ばっかりになってた。
寄り添うとか、思いやるとか、本当の気持ちとか。固まっちゃった。
そう、ちょうつがい…蝶の番をする人のことかと思ったのよね。魔法使いとか、羊使いとか…その類と一緒で。 そしたら、ドアのあの金具。あまりにもかけ離れていて、恥ずかしいよりびっくりして。思わずドアのところに行って、蝶番を眺めちゃったな。
ピカピカに光っているピアノの蓋の蝶番を見ながら、そんなことを思い出した。 磨いたら、元に戻れるかな。完璧じゃなくても。今のできるところまで。
帰ったら、口を聞かなくなった長男に蝶番の話をしてみよう。 「お母さんね、小さい頃ね…」って。
猫町のように猫も子どもも大人も心地良く過ごせる居場所を創りたい!いつか叶えたい夢はいくつも☺️ 今は、1からピザを作ろう!と小麦や野菜を自然栽培で育てています。(FBページ ちょこ工房)そちらの活動などに有難く活用させていただきます😌