Star Guardian(スターガーディアン)
この金色の森を駆け抜けたら 何処に辿り着くのだろう。
突然 迷いこんだ この森には 何が潜んでいるのか?
疑問を抱えながら それでも立ち止まる訳にはいかない。
もう どのくらい走り続けただろうか。
喉は乾し草のようで 声すら出すことも ままならない。
初めは 幻かと疑わなかった。
突然 目の前に 辺り一面に広がる 澄み渡った湖が姿を現した。
「これは!」
余りの瑞々しさに 乾いた喉すらも 頭から飛んでしまっていた。
「どうぞ 喉を潤してください。」
彼の肩に 手の平に収まるほどの小さな命が 降り注いだ。
「ここは?」
彼は 夢と現実の狭間にいるような フワフワ浮いた瞳で 尋ねた。
「安息の湖 キュアレイクです。 まさか この時代に 辿り着く者がいるとは…」
「なぁ 1つ 聞きたいことがある。」
全身を草原に投げ出して 潤った喉を鳴らす。
「なんでしょう?」
「お前以外に 誰もいないのか?」
妖精は黙りこんでしまった。
触れてはいけないかとも考えたが 知りたいと思ってしまったのだ。
「はい…かつては この湖を埋め尽くす程の仲間達が居ました。 もう遠い昔のことですが。」
何も言えなかった。
「この地を 失ってはなりません。」
妖精が 矢継ぎ早に語りかけてくる。
「私は出会ったばかりのあなたを信じることしか出来ません。 そして ここに導かれたあなたは この地を守る者 スターガーディアンという証拠。」
全然 理解出来なかった。
しかし 自分は『スターガーディアン』なるモノらしい。
「この世界に 色を取り戻していただけませんか?」
意味はよく分からないが どうやら立ち向かうべき事らしい。
「丁度良かったよ。 俺もこの世界に辟易していたからな。 よし! その話乗った! つうか やるしかねぇんだろ?」
二人は 笑みを浮かべあった。
(一人一人が輝ける世界にしてやろうじゃねぇか…)
彼は 想いを形にする機会を得た。
目に映る全てを守る為に。
散り急ぐ花達の盾になってみせると。
美しき 金色に染まる この安息の地を 欲望という名の業火から 守り続けると。
「さて お前の言う『色』とやらを取り戻しにいくとしますか。」
「あなたには その力があります。」
この金色の森を 駆け抜けたら 何処に辿り着くのだろう。
突然 迷いこんだ この森には『始まり』があった。
※この文章は『Fox capture plan×bohemianvoodoo』様の『Golden forest』を参考にさせていただいております。
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