2024年12月28日の10時ごろ、セレス・ファウナがYouTube登録者数100万人を達成しました。そのことを英語圏のファンは大喜びなのですが、同時に、日本のファンに感謝してもいます。そのあたりの事情が伺えるredditのポストを1つ取り上げて翻訳してみたいと思います。
背景
2024年12月1日に、ホロライブEnglishのセレス・ファウナが卒業を発表しました。その時点で、YouTube登録者数は92万人に少し足りないくらいでした。同期の他のタレントが100万を達成する中で、ファウナのファンは、1月3日の卒業の前に100万人を達成させて、金の盾をお別れのプレゼントにしたいと考えました。
その後、わずか4日で、登録者数は95万人を超えました。その頃は、100万人達成について、多くのファンが楽観的な見通しで考えていたと思います。それでも、100万人の期限内の達成を確実にしようと、多くのファンが継続して声を上げていました。
しかし、最初のブーストの後、登録者数は急速に伸び悩みます。登録者数の伸びは1日約2000人程度で、卒業までにぎりぎりで足りないのではないかという見通しとなっていました。Vtuber賞でのダブル受賞でも、100万人に押し上げるには足りなかったのです。
ところが、12月27日になって流れが急に変わります。突然、わずか1日で1万人以上も登録者数が増え、その後も増え続けて28日にはとうとう100万人を達成したのです。
この急激な登録者数の伸びの背景には、日本のファンの動向がありました。日本のホロライブのタレントがファウナの状況をファンに紹介して、日本のファンがファウナの100万人達成に向けて協力したことで、一気に状況が変わったのです。
Redditのポスト
最初に、r/Hololive(ホロライブのサブレディット)に "Ceres Fauna has reached 990K subscribers!"(セレス・ファウナが登録者数99万人を達成!)というポストが上がりました。
そして、それがr/kurosanji(にじさんじのサブレディット)に再投稿されました。タイトルは、"This is what happens when you don't divide the EN and JP fanbases. When the time comes, they can count on each other's back."(これが英語圏と日本のファンベースを分けなかった結果だ。いざという時には、お互いに背中を預けあうことができるんだ。)というもので、にじさんじの現状を嘆く内容でした。
この先は、このポストにつけられたコメントを引用して翻訳をしていきます。
ホロライブで起きたこと
コンテキスト: 日本ニキが、discordのファンサーバーを中心に、ファウナを卒業前に100万人にしようという動きに合流して、大勢現れています。ねねちが昨日世界樹(訳注:ファウナがマインクラフトサーバーに卒業前までに完成させようとしている大規模建築)を訪れたり、今日のファウナとわためのコラボがあったりしたことで、この動きにさらに吸引力が集まりました。最近の数週間は安定して1日2000人程度の増加が続いていましたが、この1日半で13000人くらい登録者数が増加しました。
「ENでのろしが上がりました! ENでのろしが上がりました! Saplingsが援軍を求めています!」
「求めに応じようぞ。JPニキを招集せよ」
(訳注:ロード・オブ・ザ・リングの王の帰還で、ゴンドールの烽火が点火されたときのオマージュです。映画の日本語訳が分からなかったので、ネットで見つけた訳を基にしています。)
正直に言うと、JPニキが参加してきたのを見たとき、炎上コメント投稿者(訳注:100万人到達に否定的な発言を繰り返すユーザー?)に対する嫌悪を忘れて、大切なことにだけに集中するべきだってことを思い出したよ。100万人にするんだ!
ファウナの妹まで、呼びかけを広めてるよ……
わためがファウナの登録者数のためにヘイルメリーパス(訳注:アメフトで試合終盤に、負けているチームが一か八かで投げるロングパス)を投げるのは、俺のビンゴカードには書いてなかった(訳注:全く予想していなかったことの比喩)。先週は、95万人に達した後に伸び悩んでるのを見て、そこに到達できるのか半信半疑だったよ。
次はアキロゼだ。受けた恩は返さないといけない。
(訳注:ホロライブのアキ・ローゼンタールは、執筆時点で登録者数96万人です。)
にじさんじの現状を憂う声
訳注:この記事がにじさんじヘイト記事と勘違いした攻撃的なコメントが来るのですが(非生産的なコメントは見つけ次第削除しています)、私には、ここにあるコメントはにじさんじライバーの海外ファンが上げる悲鳴に聞こえます。悲鳴を上げるファンをアンチのヘイトだと排除する態度が、Vtuberのファンベースを育てることにつながるとは思えません。私は、にじさんじの海外ライバーとファンが幸せになる未来を応援しています。
にじさんじは何をしてファンベースを分けるようなことになったんだ?
記憶が確かなら、GTAコラボでENタレントが日本語が話せなくて交流がぎこちなくなるからって理由で除外されたことがあったけど、それか?
他に何か2つのグループで事件とか衝突とかが起きたというのは思い出せないんだが。
2021年から2023年ごろ、にじさんじは事務所主導のグループをまたがった合同コラボにあまり積極的でなくて、ライバーの配信の切り抜き動画も否定的だったんだ。
2021年から2022年ごろにじIDとラズライト(にじさんじENの第1世代ユニット)のファンみたいなものだった自分の見てきた範囲では、その頃にIDのライバーやラズライトが大きく取り上げられるようなコラボの機会を与えられたのを見たことは一度もなかった。にじフェス 2023では、ほんの少しのにじENと元にじIDのライバーしか参加してなかった。
だから、おおよそ、そのころはずっと、にじJPとにじENと他の解散したグループはそれぞれの輪の中に閉じこもっていたんだ。ファンが悪意みたいなもので無理やり分けられたってわけじゃないと思うんだけど、それぞれのグループにすごい数のライバーがいてファンベースの分断は不可避だったし、それに加えて戦略的に(訳注:イベントの)間隔を空けたことと、すこし放置され気味だったってのもあるかな。
それから、えにからが多かれ少なかれ無理矢理、英語圏のにじさんじの切り抜き動画コミュニティをつぶした(これはこれで長くて不快な話があるんだけど)後で、にじの切り抜きは大半が死に絶えて、にじJPの英語字幕切り抜きはほぼ完全に消滅したんだ。大量にいるはずの日本のにじさんじタレントは、英語圏では実質的に無名と言ってもいい状態で、ROF-MAOとかChroNoiRみたいな大ヒットグループですら、英語圏の視聴者の関心はゼロと言ってもいい状態なんだよ。(ぺこらとかころねとかすいせいとかが日本語オンリーのタレントなのに、大きな関心と注目を受けてるのとは対照的だよね。)
だから、にじのファンベースが「分断」されているってのは、単に同じものを見て楽しんではいないってことで、それは部分的にはえにからが意図的に引き起こした結果に見えるってことだね。
なんてこと……、切り抜き師を攻撃するなんて完全におかしな態度だね。あいつらは好き好んでただで宣伝して、いい評判をコミュニティに広めてくれるのに。
俺は昔、ペトラの切り抜き師をフォローしてたんだけど、3人いたうちの、ほとんど、いや多分、全員があるとき突然活動を止めちゃったのは、そういうことか。
これって、2020年に、にじホロの切り抜き師が大勢、ホロライブオンリーの切り抜きに切り替わった理由だったりするの? その時は何が起きたかよくわかってなくて、単ににじの切り抜きよりホロの切り抜きの方が視聴数が多いからだと思ってたんだけど。
くろさんじ(訳注:英語圏でのにじさんじの別名)の嫌いなところはたくさんあるんだけど、その1つはあからさまに片方(JP)しか見てないことなんだ。パートタイムの視聴者(EN)が切り抜き師が著作権侵害の警告(訳注:strikeはcopyright strikeの略)を受けた状態でライバーをフォローするのは本当に難しくて、字幕を手に入れるのに個人的に誰かを頼るか、日本語を勉強するかしか選択肢がないんだよ。
ライバー/タレント側だと、(訳注:EN/JPの)どちらの側にもSNS上の気軽なやりとりは本当にみられないね。嫌な話、日本語が話せるENライバーだけが反対側(訳注:JP側)とやり取りできてるんだよ。(しかも、その中でもJPニキと海外ニキの間には越えられない壁がある感じなんだ。)
まあ、俺の主観では、これはくろさんじがこういうふうにしたせいだと思うよ。運営の仕方やイベントの企画の仕方やなんやかんやとね。
(訳注:セレン 龍月の契約解除に触れたコメントに対する返信として、)いいや、振り返ってみれば、2024年はセレンの契約解除の後、ENとJPの合同企画がたくさん増えた。ENは、ある意味どうしようもなくなってJPのファンベースに頼らざるを得なくなったんだ。