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VShojoの誰が無人島で生き残れるか? [英語学習付録つき]
英語圏では人気があるものの、日本語圏ではあまり知られていないVShojoというVtuber事務所に所属するタレントを紹介しようと思ったのですが、普通に紹介してもつまらないので、代わりに2024年10月の動画の紹介をしてみようと思いました。
記事を読んだ後に、実際に動画も見てみることもおすすめします。内容を理解してから動画を見れば、英語も聞きやすくなるのではないでしょうか。リスニングに自信がなければ、YouTubeの字幕をオンにするとよいと思います。
記事の最後に付録として、動画の一部(80秒程度)をスクリプトに起こしたものと、その翻訳を付けました。
この切り抜き動画は、Henya the Geniusのtwitch配信のクリップです。
別の日に同じVShojo所属のZentreyaとGeegaがVShojo所属のタレントの誰がサバイバル能力があるかのランキング表(Tier List)を作っていたのですが、その動画をHenyaが配信中に再生しながらコメントをしているという動画です。Henyaが見ている元の動画はこちらです。
それぞれのキャラクターが誰なのかを書き込んだスクリーンショットを下に張り付けました。赤髪で角のあるのがZentreyaで、銀髪で眼帯をつけているのがGeega、紫の髪が伸び放題になっているのがHenyaです。

動画では2つのランキング表を作っているのですが、この記事では2つ目のランキング表だけを紹介します。テーマは「無人島に取り残されたら、どうなるか?」で、選択肢は次の通りです。
$$
\begin{array}{|c|c|c|}
\hline
& \text{ランク(英語)} & \text{日本語訳} \\ \hline
1 & \text{Escapes island} & \text{島から脱出する} \\ \hline
2 & \text{Dies on island} & \text{島で死亡する} \\ \hline
3 & \text{Lives on island} & \text{島で生き残る} \\ \hline
4 & \text{Eats friends} & \text{友達を食べる} \\ \hline
5 & \text{Swims and dies} & \text{泳いで死ぬ} \\ \hline
6 & \text{Gets saved} & \text{誰かに助けられる} \\ \hline
7 & \text{Makes Wilson} & \text{ウィルソンを作る} \\ \hline
\end{array}
$$
「ウィルソン」の意味は、動画中でも説明していますが、イマジナリーフレンドのことです。キャスト・アウェイという映画に登場するバレーボールのウィルソンから来ています。
Apricot (アプリコット)
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公式の名前はApricotですが、動画中ではFrootという名前の方が使われています。なお、本人もそちらで名乗っています。Fruit(果物)と同じ発音で、Apricotが果物であるところからの名前だと思われます。イラストレーター系Vtuberでお絵かき配信をTwitchでしています。
無人島サバイバルでは、普段から外出しないし、泳ぐのも怖がってしなさそう(そもそもリッチなので泳げない?)だし、料理もしないので、発見される前に死んでしまうのではということで意見が一致しました。
Geega (ギーガ)
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動画中ではGigi(じーじー)とも呼ばれています。眼帯は中二病です。
無人島サバイバルでは、リアルでもキャンプが好きなので無人島でも生活ができそうだし、死んでしまうリスクを冒して脱出したいと思わないから、島で生活して生き残るだろうということになりました。
Haruka (ハルカ)
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フルネームはHaruka Karibuで、Karibuはcaribou(トナカイ)です。……、角があって緑というのは、どこかの自然の番人と何か関係が……? 最近は、調子が悪いみたいなので、早く元気になってほしいです。
無人島サバイバルでは、泳ぎに自信があるので、きっと夕日に向かって泳いで脱出しようとするだろう。そして死ぬだろうと予想されていました。
Henya the genius (へにゃ・ざ・じーにあす)
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動画中での呼び名はHenya(へにゃ)です。由来はスペイン語のGenia(天才)です。こちらの記事でも紹介しているので、あわせて読んでください。
無人島サバイバルでは、普段から独り言が多いので、ココナッツをイマジナリーフレンドにするに違いないとGeegaが言ったことに対して、Henya本人が「元気? 今日で無人島7日目だよ」と話しかけていそうだと同意していました。
後から、チャットで「Henyaの声を聞いたら、モンスターがティーポットをチェックに行くから、その隙に逃げられる」というコメントが付いていました。Henyaがやかんのような声を出すことを指したジョークです。
Hime Hajime (ヒメ・ハジメ)
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動画中での呼び名はHimeですが、he may(ヒー・メイ)のように聞こえます。公式設定で日本の古アパートに住んでいることになっていますが、中の人も日本に住んでいます。
無人島サバイバルでは、即座にキレて「もうこんなところに居たくない!」と言って脱出するんじゃないかと予想されていました。
Ironmouse (アイアンマウス)
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動画中での呼び名はMouseです。Twitchのサブスク数で世界一位になったこともあるため、日本でも名前は知られているのではないでしょうか。また、非常に多くのモデルを持っていることでも知られています。
無人島サバイバルでは、「もう疲れた」と言って横になってしまい、誰かに見つけてもらえなかったらそのまま死んでしまうに違いないとGeegaとZentreyaが話していたのですが、Henyaは魔界の門を開いて脱出するんじゃないかと予想していました。
Kson
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説明は不要ですよね。
無人島サバイバルでは、サバイバル能力には疑問の余地がないし、必要なことならどんなことでもやるだろうという理由で、必ず脱出できるに違いないという結論になりました。
Kuro Kurenai (黒 紅)
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動画中での呼び名はKuroです。VShojo唯一の男性Vtuberです。K9 Kuroとも呼ばれますが、K9はcanine(犬、犬歯)と同じ発音です。
無人島サバイバルでは、絶対にイマジナリーフレンドを作ると断言されていました。サバイバル中に頭が変になるというより、初めから変だからと散々な言われようでした。
Matara Kan (マタラ カン)
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動画中での呼び名はMataです。キャラクターのモチーフがゴキブリという異色のVtuberです。本人の性格に加え、周りの若いVtuberよりも20歳くらい年上と公言していることから、「ママ」として認知されています。
無人島サバイバルでは、キャラ設定的には人間を襲って食べるはずだけれども、現実の性格はその正反対で「ココナッツが1つしかないけど、私はいらないからみんなで食べて」と人にあげてしまうようなタイプだと言っていました。いい人だから、きっと助かるんじゃないかという結論になりました。
Michi Mochievee (ミチ モチヴィ)
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動画中での呼び名はMichiです。インドネシア在住で、ホロライブインドネシアのクレイジー・オリーが推しであると、前世の卒業配信で語っています。また、こちらの記事でも紹介しているので、あわせて読んでください。
無人島サバイバルでは、友達が死んだときに、それを食べないと生き残れないなら、食べ物を粗末にしてはいけないと迷いなく食べるだろうと言われていました。
Projekt Melody (プロジェクト メロディ)
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動画中での呼び名はMelです。VShojoの18禁担当です。(注:YouTubeやTwitchに18禁動画があるわけではありません。)
無人島サバイバルでは、誰かがふらりと舟でやってきて「こんなところで何をしているの?」と聞かれて、「分からないけど、舟に乗せてくれるの? ありがとう」と言って、舟に乗り込んで島から出るのではないかという話でした。
Zentreya (ゼントレヤ)
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動画中での呼び名はZenです。ドラゴンとサイボーグの2つの形態があり、ドラゴンは赤髪でサイボーグは銀髪です。音声認識と合成音声で話すのらきゃっとスタイルのVtuberです。
無人島サバイバルでは、Geegaと一緒に家を建てて、快適な無人島サバイバル生活を送ることになりそうだと、2人で意気投合していました。間違ってもいかだを組んで海に漕ぎ出すようなバカな真似はしないとも言っていました。
[付録] スクリプトとその翻訳
以下に、Henya the geniusの評価を付けているところの会話をスクリプトに起こしたものを付録として付けます。Henya自身がコメントをしているところを含めたので、次のHime Hajimeの評価を付けているところまで入って、全部で80秒程度の分量となりました。
Zen: Next up is Henya.
Geega: Henya... I think Henya would ...
Zen: Makes Wilson.
Geega: Ooh, yeah yeah, I think you know she talks to herself a lot.
Henya: What!?
Zen: She definitely makes Wilson.
Henya: I mean, I do ...
Geega: Yeah, you know, you know, her brain would start that like magical thinking kind of thing. She'd see a coconut.
Henya: What do you mean, dayo!
Geega: And she'd be like "Oh it's like little face." Next thing, you know, she Wilson!
Zen: Yes.
Geega: And that being said, there's a small chance she did does get saved ...
Zen: Absolutely yes.
Geega: because she just scream really loud, but yeah, I'm down with her making Wilson.
Henya: Wait! I'll get saved because I scream really loud? What the heck, dayo! What the heck, dayo!!
Zen: Next up is Hime.
Geega: Hmm, I think Hime would be like "Nope. I'm out. I'm not doing this."
Henya: Wilson!
Geega: I think she she do the raft plan and try to escape.
Henya: Do I?
Geega: Knowing her, she she'd be like "I am out!"
Henya: Maybe?
Zen: Honestly, yeah, I can see that.
Geega: I don't think she'd have ...
Henya: Maybe, I do, I do talk to myself, so, yeah maybe, maybe,
Geega: the patience ...
Henya: maybe I'm just going to bring a coconut, and like, name him like something like Chat or something. Like "Hey Chat, how you doing? This is my day seven on the island."
Geega: try and like just wait on the island long enough to get saved or like to just live there. I think, I think she'd just be like "I can't fucking do this anymore."
Zen: The panic would set in.
Geega: Yeah.
少しずつ訳していきます。
Zen: Next up is Henya.
Geega: Henya... I think Henya would ...
Zen: Makes Wilson.
Zen: 次はへにゃです。
Geega: へにゃね……。へにゃの場合は……
Zen: ウィルソンを作ります。
Geegaの言葉で"would"となっているのは、仮定法です。
Geega: Ooh, yeah yeah, I think you know she talks to herself a lot.
Henya: What!?
Zen: She definitely makes Wilson.
Henya: I mean, I do ...
Geega: あー、そうそう。あの子は独り言が多かったよね。
Henya: ええ!?
Zen: あの子は絶対にウィルソンを作ります。
Henya: いや、まあ、そうだけど……
"you know"や"I mean"などは、特に意味のないつなぎ言葉です。
Geega: Yeah, you know, you know, her brain would start that like magical thinking kind of thing. She'd see a coconut.
Henya: What do you mean, dayo!
Geega: And she'd be like "Oh it's like little face." Next thing, you know, she Wilson!
Zen: Yes.
Geega: うんうん、そうそう。あの子の頭の中で、なんかマジカルっぽい、なんか思考回路的なのが始まって、ココナッツとかを見つけた時にさ、
Henya: どういう意味ダヨ!
Geega: 「あ、ちっちゃい顔みたいだ」とかなって、そしたら、ウィルソンし始めるんだよ!
Zen: そうです。
ここの"she Wilson"は、たぶん、名詞を動詞のように使っている表現だと思います。また、"she'd be like"のbeは「言う」や「思う」の慣用的な省略表現だと思います。
Geega: And that being said, there's a small chance she did does get saved ...
Zen: Absolutely yes.
Geega: because she just scream really loud, but yeah, I'm down with her making Wilson.
Henya: Wait! I'll get saved because I scream really loud? What the heck, dayo! What the heck, dayo!!
Geega: まあ、それを言ったら、あの子が助かる可能性もちょっとはあるんだよね。
Zen: 全くその通りです。
Geega: 単に、あの子の叫び声はほんとに大きいから。でもまあ、私はウィルソンを作るに一票かな。
Henya: 待って! 私の叫び声が大きいから助かるって? どういうことダヨ! どういうことダヨ!!
"that being said"は慣用句で、前の部分を受けて次の話を始めるつなぎに使う言葉です。"did does get"はどもって言い直したのだと思います。Zenの相槌は、たぶん、ワンテンポ遅れて前の部分に対する賛同だと思います。"I'm down"は「賛成です」という意味です。
Zen: Next up is Hime.
Geega: Hmm, I think Hime would be like "Nope. I'm out. I'm not doing this."
Henya: Wilson!
Geega: I think she she do the raft plan and try to escape.
Henya: Do I?
Geega: Knowing her, she she'd be like "I am out!"
Henya: Maybe?
Zen: Honestly, yeah, I can see that.
Zen: 次はヒメです。
Geega: んー、ヒメの場合は、「いや。もうやめる。こんなのやってられない」ってなるかな。
Henya: ウィルソン!
Geega: なんか、いかだ計画とかを立てて、脱出しようとしそう。
Henya: 本当に?
Geega: 本人の性格を考えると、「もうやめる!」ってなりそうだよね。
Henya: まあね?
Zen: 正直に言って、光景が目に浮かびます。
Henyaは前の話を引きずって、話を聞いてないですね。"Nope"は"No"の口語的な言い方です。"raft"は「いかだ」という意味です。"Knowing her"は「彼女のことを(直接/個人的に)知っている」という意味になるので、「性格を考えると」と訳しています。
Geega: I don't think she'd have ...
Henya: Maybe, I do, I do talk to myself, so, yeah maybe, maybe,
Geega: the patience ...
Henya: maybe I'm just going to bring a coconut, and like, name him like something like Chat or something. Like "Hey Chat, how you doing? This is my day seven on the island."
Geega: 思うんだけど、彼女って、
Henya: まあ、まあ、確かに独り言はあるから、多分、たぶんね
Geega: ずっと
Henya: 例えばココナッツを拾ってきて、それで、なにか「チャット」とかなんとかって名前を付けたりして、なんか「もしもし、チャット、今日は元気? この島に来て今日で7日目だよ」みたいな。
相変わらず、Henyaは話を聞かずに自分の話をしています。Geegaの話は文の途中で切られているので、次の部分とつなげて確認してください。"like"とか"something"とか"maybe"とかというのはつなぎ言葉です。"how you doing?"はareが省略されています。
Geega: try and like just wait on the island long enough to get saved or like to just live there. I think, I think she'd just be like "I can't fucking do this anymore."
Zen: The panic would set in.
Geega: Yeah.
Geega: 島で救出されるまでただ待ってるだけとか、ただそこで生活するだけとか、我慢が出来なさそう。しても「こんなくだらないこともうやってられない」ってなりそうな。
Zen: パニックが始まります。
Geega: そうそう。
"like"や"just"はつなぎ言葉なので、"try and like just wait"は"try to wait"と同じ解釈でよいと思います。後ろに出てくる"or like to just live"は"or (try) to live"ということになります。"set in"は「(よくないことが)始まる」という意味です。