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重要なのはインプットでもアウトプットでもなくその過程。
アウトプットとインプット、あともう一つ。
自分の行動や意見、感情の変化の裏には、常に自分の思考方法があります。思考方法を「思考の癖」と言い換えることも出来ます。行動や意見は、その思考プロセスを経て形成されます。
一般的な見方では、アウトプットの前にはインプットがあるとされ、したがってインプットが重要であると考えられてきました。しかし、果たしてアウトプットの質はインプットの質のみで決まるのでしょうか。
思考方法は知識である。
一般的に、インプットとアウトプットが重要だと考えられていますが、それに加えて重要な要素が存在します。それはインプットがアウトプットされるまでの過程、すなわちスループットとしての思考プロセスです。そのため、質の高いアウトプットを生み出すには、単に情報を摂取してアウトプットするだけでなく、思考方法を学ぶ必要があります。
また、私は思考方法を単なる知識であると考えます。のちに説明しますが、まずは知識とはどういうものかを整理していきます。
知識には「形式知」と「暗黙知」があります。「形式知」は言語化された知識で、業務マニュアルや書籍に該当します。一方、「暗黙知」は言語化されていない知識で、熟練の技術などがこれにあたります。これらの違いは、情報として伝達可能で、それにより他人に共有ができるかどうかです。
したがって、思考方法を知識として捉える場合、書籍や言葉によって説明されている思考方法は「形式知」に、無意識下の思考方法は「暗黙知」に分類されます。思考方法は知識であるため、読書をすれば身につけることができ、他人から教えてもらえば自分のものにすることが可能です。そして、優れたスループットを持てば、同じインプットからより良いアウトプットを生み出すことができると考えています。
例えば、ポジティブシンキングの思考過程。
ポジティブシンキングというものがあります。
積極思考(せっきょくしこう、英: positive thinking ポジティブ・シンキング)は、なんでも前向きに物事を考えればそれは実現し、人生はうまくいく、という考え方[1]、物事の良い面を見ようと努め、ポジティブな姿勢を保ち、「思考そのもの」を変えることで現実を変えることを目指す思考法である。ポジティブな思考はポジティブな現実を、ネガティブな思考はネガティブな現実をもたらすとされる。
ここでの、ポジティブな現実とはアウトプットのことを表します。
出力(しゅつりょく)は、何らかの対象から出る信号や力、またその種類や大きさのことである。入力の対義語。アウトプット(英: output)ともいう。
ここでのアウトプットとは、自分自身から発せられるものやことを指し、インプットとは、新たな自分の経験や知識を意味します。そして、スループットは自分自身の思考プロセスを表します。
ポジティブシンキングで整理すると、アウトプットとは自分の思考によってとらえ直されたポジティブな現実であり、インプットとは実際に自分自身に起こった物事を指します。そして、スループットは物事の良い面を見ようと努めるポジティブな姿勢や考え方のことを表します。
たとえば、私が過度にスマートフォンを使用したことで遅刻しそうになり、その急ぎ足が事故を引き起こした事例があります。この事例を通じて、私は事故後に冷静になり、以後は夜はスマートフォンをリビングルームに置くなどの対策を講じることにしました。この経験は、インプットとしての事実を受け、スループットとしての思考プロセスを経て、新たな行動規範というアウトプットに至りました。
このように、単にインプットやアウトプットが重要なのではなく、それらをどう変換するかというスループットとしての思考プロセスが重要です。私たちは、効果的な思考プロセスを身につけることで、質の高いアウトプットを得ることができるのです。
まとめ:知識は使わなければ身にならない。
行動や意見、感情の変化といったアウトプットの前段階には、インプットとスループットがありますが、ここで重要なのは、アウトプットとインプットの関係性に加え、スループットとしての思考プロセスです。
思考プロセス自体を「知識」と捉えることができますが、この知識には「形式知」と「暗黙知」が存在します。質の高いアウトプットを実現するためには、思考方法を積極的に学び、発展させる必要があります。
ただ、知識であることから、それを知っているだけでは不十分であり、実際に活用し自分のものにするためには意識的にその思考方法を取り入れる必要があります。