白日#5
「あなた。なんでこの会に来たの?
舞はくるりとウイスキーの入ったグラスを回す。ウイスキーは水面できらきらとスポットライトを反射させている。
「君こそ」
「質問に質問で返さないでよ」
舞は眉間に皺を寄せている。本当に嫌そうだった。
「ごめん。つれがどうしてもってね」
「私と一緒だ。私に彼氏がいないと言うと、次の朝には合コンが組まれていたの。私の意思ってなんだろうね。ほしいって言ったわけじゃないのに」
「君は可愛いよ」
舞は、僕の目を五秒位眺めていた。
「どうして、男っていう人種は」
「生まれて始めて言った言葉なんだけど」
舞がずっと僕の目をじっと眺めているので、
「僕は、フォアローゼスを」
と店員に言った。
舞は、くすくす笑った。
「やっと笑った」
僕が言うと、
「あなた、変な人ね」と舞は言う。
「君こそ」
「私、付き合う時、その人が死ぬまで付き合う事にしているの」
「怖いね」
舞は、また、くすくす笑った。
「思ってないでしょ」
「思ってない」
窓のひびから、北風が寒い空気が入ってきて、僕の肌は粟立つ。
「私が死ぬより先に、殺してほしいの」
舞の目をじっと眺める。その視線は僕の目を見てはなさない。多分、本当に舞はそう思っているんだろうなと感じた。舞は僕のペニスを触りながら、そっと、僕の首筋に唇で触れた。
「あなたは私のものなの」
「もの?」
「そう、あなたは私のもの。だって、言ったでしょ。付き合うとき、私が死ぬまで付き合うって。でも、私はあなたを殺せない」
「なんで」
舞の目に緋が走った気がした。
「愛しているって言ったでしょ」
「殺していいよ」
僕は舞のショーツに手を滑らせ、ヴァギナに触れる。微かに湿り気を帯びたていた。
「私はあなたを殺せない」
舞はぼそりと呟いた。