令和5年 一級建築士 学科試験
この記事は令和5年 一級建築士 学科試験を受けた際の、自分の記録としてまとめたものです。
記録としてまとめる事で、過程を整理し、突破した要因を把握し今後の人生に役立てられると思っています。
また、一級建築士試験を受験される方の参考になればと思います。
試験までの勉強時間推移
勉強は、資格学校の講義が始まった10月上旬から開始しました。
令和4年 二級建築士試験 学科・製図試験を受験していたので、少し知識はある状態でした。
勉強時間の推移は下記写真の通りです。
自宅学習時間:856時間
講習時間:426時間
合計学習時間:1282時間
初期に、資格学校の講師に自宅学習時間は1000時間程度確保しないと合格は厳しいと言われてました。
絶対に1000時間も勉強できないと思いましたが、意外と1000時間程度勉強してました。
2023年3月までは、仕事の残業時間が少なく、勉強時間が多く確保できていました。
そのため、基本的な知識や原理を理解する時間が取れていました。
しかし、4月からは仕事の残業時間が増えてしまい、1週間の勉強時間が確保できず、知識を維持することを心掛けました。
3月までは原理を理解することに努めていたので!知識が抜けることや、問題の出題方法が変わっても、ある程度対応できていました。
試験までの得点推移
資格学校の模擬試験の得点推移です。
模擬試験(1) 4/4
Ⅰ計画:14
Ⅱ環境:19
Ⅲ法規:24
Ⅳ構造:19
Ⅴ施工:20
合計:96
順位:375位/3950人
模擬試験(2) 5/3
Ⅰ計画:17
Ⅱ環境:16
Ⅲ法規:27
Ⅳ構造:26
Ⅴ施工:20
合計:106
順位:118位/4036人
模擬試験(3) 6/14
Ⅰ計画:18
Ⅱ環境:17
Ⅲ法規:28
Ⅳ構造:23
Ⅴ施工:23
合計:106
順位:108位/4212人
総合模擬試験
Ⅰ計画:17
Ⅱ環境:17
Ⅲ法規:27
Ⅳ構造:27
Ⅴ施工:21
合計:109
順位:119位/4172人
本試験 7/23
Ⅰ計画:17
Ⅱ環境:17
Ⅲ法規:28
Ⅳ構造:27
Ⅴ施工:19
合計:108
模擬試験で意識していたことは下記です。
合計得点で上位10%以内に入る
足切り点は取らないようにする
法規と構造は9割(27点)取る
→新出が少なく、本試験で得点源になるため。
勉強方法
過去問をひたすら何度も解くようなことはせずに、全ての問題の原理を理解できるように心掛けた。
範囲が多いため、暗記するのは厳しいと思い、原理を理解することで暗記しなくても回答できるようにした。
基本的に一度解いた問題は解答を覚えてしまっているため、一度しか解いていない。
意識した事
各模擬試験において、勉強方法、勉強時間、試験の解き方、心情、今後の学習方針を整理していました。
模擬試験で得点を取ることを目的にするのでは無く、本試験で確実に点数を取ることを目的として勉強に励んでいました。
そのため、試験中に1番頭が働く睡眠時間、空腹状態、試験直前の勉強方法を模擬試験で試していました。
とても長文になるので、興味が無い方は次の目次に進んでください。
合格判定テスト(3/1)振り返り
■テスト前
□テスト前の学習期間や方法、振り返り
・テストの復習は二週間前からトレトレを開始した。→全部の範囲は間に合わなかった
・細かい数字の暗記はあまり注力せずに、用語の理解や原則が理解できていないところ、自分が間違えやすいと感じた問題を抽出することや、理解することに時間を費やした。
・ミスリストを作ったことが今回の新たな取り組み
・総合資格の再度見直しリストを活用して、各テストで、自分がどこで間違えているのか、分からない問題はないかを整理した
→各テストで間違えたところを見直すとき、これ忘れているなとか、このミスは凡ミスだったから大丈夫などを整理することができる。
→これからの各テストなども間違えた原因をしっかり記載しておくと見直しのときに有効かもしれない
・トレトレは知識を思い出すのに効果的。図や語呂を書くといい
→ただ、細かい数字とかは△が多くて、曖昧な印象
→数字はただ数字だけで暗記するのは難しいため、数字と図のイメージをまとめた表などを作ると便利かもしれない
・試験前に何を復習すれば良いか分からなくなる
→復習すればするほど、曖昧な問題が出てきてパンクしそうになる
・テストが近づくにつれ、不安で寝れなくなってしまうことも
→そんなに気にしなくて大丈夫。その分前から頑張ってきているから
■テスト当日
□テストの感想
・▲で曖昧な問題はあったが、ミスなく解答できた点はよかった
・数値はやはり自信を持って解答できない問題がある
・一言一句を確認して解答すべき。いつもと同じ問題だと思って、流し読みすることは絶対にしてはいけない。
◾️テスト当日直前の学習
・iPadで各科目ミスリストを見る
・テキストをパラパラ見る
■次回テスト当日直前の学習方法
・間違えやすい問題、忘れやすい数値などをトレトレのような一問一答形式でまとめてあると確認しやすいと感じた
・ミスリストはかなり効果的
・テキストをパラパラ見る時に、どこを見れば良いかが分かりにくいため、特に注意すべきポイントは目立つマーカーで印をつけるといいかも
■今後の学習
・合格判定テスト以前の範囲の復習は模擬試験1の後で良い。(例年の受講生はそのように取り組んでいる)→教務担当曰く復習より、講義範囲の予習などをしっかりやってほしいらしい
・ゴールデンウィーク講座で総復習できるから、そこで忘れている内容をもう一度復習する。
模擬試験1(4/4)振り返り
■テスト前
□テスト前の学習期間や方法、振り返り
・復習に取り組み始めた時期:1週間前
・テストの復習は1週間前からトレトレを開始した。
→最後に取り組んだもので△、×が付いているものを中心に復習
→基本的に×が付いているものは再び×が付いてしまった
→×が付いているものは原則を理解していない、公式を覚えられていない
→ミスリストに追加、質問した方がいいかも
・全範囲の復習や予習に注力するのではなく、前回までの授業の復習や知識の定着に注力した。
→模擬試験のために、ただ文章を覚えるのは意味がない。本試験で得点を取るために、今まで学んだ部分の本質を理解することに注力
・余った時間を使って、合格判定テスト、トレトレで全範囲の復習を行なった。
・4/1から設計研修になったり、親知らずの抜歯があり、環境の変化が激しいため、勉強することより体調管理を優先することにした。
→1週間の勉強時間が14.5hだった。
■テスト当日
□テストの感想
・法規を解き終わったあたりから、集中力がきれて、構造・施工の解答が一言一句まで読み取れず投げやりになってしまった
→構造・施工は、やる気がなくなり、見直しさえ行なっていない。
・難しい問題が続き、やる気がどんどん削がれていってしまった。
・計画・環境では環境から先に解き、構造・施工では施工から問題を解いた。
→マークする場所を間違えそうになる。
・法規は時間が足らず、法令集で正確に引けていない問題が多い。また、細かく条文を読めていないため、見落としが多い。
◾️テスト当日の体調管理、食事
・睡眠時間は良好。
・食事は、法規前にサラダチキンパン、構造前におにぎり1つ、チョコレート5個は適切だった。
■テスト当日直前の学習
・iPadで各科目ミスリストを見る
・テキストをパラパラ見る
テスト前の勉強方法が分からない。
■今後の学習
・履修済みの範囲で間違えた部分は知識を定着させて、次間違えないように。後回しにすると後々痛い目を見るから、今のうちに潰しておく。
・それに関連して、トレトレで何回も間違えている問題も習得できるように。
模擬試験2(5/3)振り返り
■テスト前
□テスト前の学習期間や方法、振り返り
・仕事で勉強時間が確保できなかった。
・特に模擬試験対策は行わなかった
■テスト当日
□テストの感想
・法規で一問わからない問題があり、15分くらい費やしてしまった。その後の問題で時間が無くなり、法令集を引いて解答できなかった。
・計画・環境は計画から、構造・施工は構造から解いて良い。
・構造・施工で疲れがきて集中力がきれてしまった
◾️テスト当日の体調管理、食事
・睡眠時間は良好。
・食事は、法規前にサラダチキンパン、構造前におにぎり1つ、チョコレート5個は適切だった。
次はチョコレート6個あるといいかも、、、
■テスト当日直前の学習
・iPadで各科目ミスリストを見る
・テキストをパラパラ見る
・環境のGWテキストで数値、公式を確認するのは良かった
・施工の数値は微妙かも
■今後の学習
・模擬試験の内容は全て理解する。
・ラストスパート問題などに取り組み、知識を習得、試験の体力づくり
模擬試験3(6/14)振り返り
■テスト前
□テスト前の学習期間や方法、振り返り
・仕事で勉強時間が確保できなかった。
・特に模擬試験対策は行わなかった
■テスト当日
□テストの感想
・計画、環境、法規は比較的簡単だった
・法規の高さ制限の特殊ケースが苦手かも。
あと既存不適格、省エネ法
・構造の計算方法がわからなかった
・構造のコンクリートも日本語を読み解くのが難しかった。
・構造・施工でやはり疲れがきて集中力がきれてしまった
◾️テスト当日の体調管理、食事
・睡眠時間はあったが、少し眠たい。
・食事は、大戸屋 さばの味噌煮定食、五穀米少なめ、麦味噌汁、ねばねば小鉢
→模試2などに比べて摂取カロリーは多いが、法規の時に眠たさは感じていない。
・チョコレートは7個
・食事を変えてみたが、最後までエネルギーが切れることなく頑張れた
■テスト当日直前の学習
・iPadで各科目ミスリストを見る
・テキストをパラパラ見る
・環境のGWテキストで数値、公式を確認するのは良かった
・施工のGWプレテストで数値を確認するのはよかった(追記してわかりやすくするのもありかも)
■今後の学習
・模擬試験の内容は全て理解する。
・ラストスパート問題などに取り組み、知識を習得、試験の体力づくり
本試験直前期の勉強方法と心情
直前対策講座の復習と模試の復習のみ
→闇雲に学習範囲を広げたり、過去問を解いたりはしなかった
→この方法がかなり功を奏した気がする。
理由は、過去問を多く解いて高得点を取れていたとしても、数値が曖昧だったり原理をしっかり理解できていなかったりすると文章や問題の出題方式が変わると解けなくなる。
それだったら、直近(直前講座、模試)で明らかになっている自分の弱点を補強する方が本試験では有効な気がする。
本試験の感想
本試験当日の心情です。
全体の流れとしては、計画、環境、法規までは今まで通りの難易度、手応えだったので、いつも通り落ち着いて一言一句しっかりと読んで解答することができた。
構造、施工は、構造の文章問題が難しくて、文章を理解しながら読むのに時間がかかった。構造の問題を解き終わるのに1時間45分くらいかかった。
なので施工は1時間くらいで解かなくてはいけない状況になってしまった。その中で施工は個人的に曖昧な選択肢が多く、10問目くらい解いたところで足切り点で不合格になてしまう未来が頭によぎった。そのあたりから頭の中が真っ白になって冷静さを欠き始めた。でもここまでやったのに、途中で諦めるのはダサいと思い、深呼吸して落ち着きを取り戻して、もう一度見直しをしてなんとか最後までしっかりと解くことができた。
やはり試験ではいつも通り取り組める精神状態を作ることが大切だと感じた。
何かいつもと違うことが起きると焦ってしまう。
焦ってしまうといつもなら分かる問題も急に分からなくなってしまう。
□計画(17点)
資格学校の直前講座でやった内容に関連した内容が多くでた印象。新規問題は少なく感じたため、比較的解きやすかった。
□環境(17点)
現象の原理を理解していれば解ける問題が多かった。文章を一言一句を読むことが大切だと感じた。
□法規(27点)
構造力学は、模試などより簡単に感じた。
正確に答えが導き出せなくても、選択肢が絞れた。
ただ、文章問題は文章自体が難しくて、問題を解くのに凄く時間がかかった。
その分、しっかり文章を読んで日本語を理解すれば、過去に習った知識が結びついて答えが導き出せた。
□施工(19点)
全く分からない問題や、二択までしか絞れない問題が多くあった。数値で曖昧な問題が多いと、自信を持って回答できずに、頭の中がごちゃごちゃしてきて変な回答を選択してしまった。
学科試験を終えて
試験の時に重要だなと感じたことは、日頃から文章を暗記して解くのではなく、分からない言葉は調べて、文章を図としてイメージできることが大切だと感じた。
分からない言葉を少なくすれば、言い回しが変わっても答えられる確率が高くなる。
図としてイメージできれば、応用が効いたり、解答の間違いに気づくことができる。
過去問をひたすら解けば良いわけではない。
試験勉強開始時は問題傾向や自分の理解度の確認として活用するのは良いが、試験2ヶ月前からは過去問をどんどん解くというよりは、一問一答で一言一句読み飛ばさず、分からない言葉を無くす、正確に答えられるようにすることが大切だと感じた。
学科試験に限った話ではないが、闇雲に勉強するのではなく、自己分析しながら勉強することが大切だと改めて感じた。
みんなに効果的な方法が必ずしも自分にも効果的とは限らない。
私の場合は、小学校の頃からテストでは問題文を流し読みしてしまい、簡単な問題もミスしてしまうことが多かった。
一級建築士でも最初の頃はしっかり文章を読めば解ける問題をミスすることがあった。
そんな勿体無いミスを無くそうと、文章を一言一句しっかり読み始めた。
それによって試験時間はフルに使ってしまうことになったが、ケアレスミスをすることは少なくなった。
周りは問題を解くスピードが早くて焦ることもあったが、試験に与えられた時間は同じだと言い聞かせてこの方法を貫いてきました。
本試験でも時間をフルに使って一言一句を読みました。
それが良い結果に結びついたのかも知れません。
試験勉強を通じて、自分の特徴を理解していくことが大切だなと感じました。
自分の特徴を理解して、行動していくことは人生においてもとても重要だと思います。