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氷河急行でミラノに戻り、マリア様と遭遇。青い目の女はなぁ、手ごわいぞ。

卒業旅行06
1993年スイスからミラノに戻った僕らは、バスの名でマリア様と出逢ったのさ。

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3/2(火)
BUS 0746 0814

バス代 2SF
パン 3SF
タバコ 3.2SF
チョコ 2.1SF

朝飯を食いST.MOLITZE BAHNHOF(サンモリッツ駅)へ向かう。途中のBUS STOPでは親切な人が英語で話しかけてくれた。カメラのシャッターを押してくれたのだ。
駅でGLACIR EXPRESSに乗り込むと、おじさんにこれで良いか確かめてみた。親切に前2両だと英語で教えてくれた。

氷河急行 GLACIER EXPRESS

雪山の中を走る列車の景色は最高。富士急行の姉妹線らしい。
1人の日本人は山男っぽくて近付きがたい感じの人だった。その他には日本人は僕たちだけだった。
雪山を流れる川は寒々しく澄んでいた。
途中スキーヤー達が立ち止まり手を振る場面がいくつかあった。
空も白く光り、山も白く光り、目が痛くなるほど白の世界が広がっていた。

スイスは言葉がめちゃくちゃだ。

ドイツ語、英語、フランス語が車内で聞かれ、ユースホステルにはイタリア人がたくさんいたのかイタリア語も交わされていた。

ST.MOLITZEの駅を聞くのに、おじさんにSTATIONと言って、BAHNHOFと言って、お礼の言葉はTHANK YOUに、GRAZIEに、DANKE。一体俺らは何人なんだ?

1510 BRIGに到着。Milano.C行きを待つ。
駅のトイレで20セント必要だったが、壊れていた為だろうか、水を流せなかった。

I.Cに乗り込む。一等車は乗り心地が違う。自分の吸うタバコより灰皿に捨てられた葉巻の方がいい匂いだったりする。

イタリアに入りdomodossoloを越えると雪がふっていた。走り抜けるうちに雪は止んでしまったが、あたり一面濡れていた。川の分流の方に水が少なく、道路の方がびしょびしょだった。

途中公園らしく木立が続き、雨に濡れた景色を見ると、雨のヨーロッパって感じて大貫妙子の歌が頭の中で流れ始める。濡れた道路をヘッドライトをつけた車が走り、人々は傘をさす。空は寂しい灰色。これが俺の思い描いていた(ヨーロッパの)絵だ。

1815 ミラノ駅に着く
E氏がHB氏に、ミラノ駅にもジプシーがいるなんて教えるからさぁ大変。またミラノ駅でHB氏の足が早くなった。小雨の降る夜の街。でもウットリしている場合じゃない。とりあえずバス停を探してユースホステルを見つけて宿を確保しなければ…。

周りの人に声をかけながら、ようやくバス停を見つけた。しかし降りる所がわからない。でも乗ってしまえ!バスで20分ぐらいの所と思って乗ってしまった。バスに乗り隣の人にYou speak English? 答えはNO。しかし地図を見せると、相手もカタコトの英語で色々教えてくれた。しかし相手の話だと、このバスは乗り換えが必要だ、運転手に聞け、などと言うのだ。3人顔を見合わせて、どうする?!状態に陥った時、それまでのやり取りをずっと見ていた若い女の人が、Do you have any trouble?と親切に、わかりやすい英語で話しかけてくれた。その人は地図を友人と真剣にながめ、バスの運転手に聞いてくれるとのことだ。その瞬間、その人がマリア様に見えたのだ。その後も真剣に教えてくれた。どこで降りればよいのか、目印、バス停の数まで教えてくれた。

その2人組の綺麗な人が降りる時にgood byeと声をかけてくれ、僕もthank you so match! very very grazie!と言ったらgood Englishと笑ってくれた。素性も知らぬ東洋人に、ここまで親切にしてくれたマリア様。その筆跡だけが残っている…。

結局僕はバス停の数を数え間違えたが、陽気で親切なバスの運転手に助けられ無事ユースホステルに泊まることになった。日本人が多くて、汚いユースホステルではあるが色々な国の人ともコミュニケーションが取れて面白いものだ。
アルゼンチンの人で、ブラジル、ローマの旅行写真を見せてくれた。

今日はこれで眠る。

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氷河急行の車窓からの景色は素晴らしかった。列車から景色を楽しむ旅なんて、この先も実行できるかわからないなぁ。

ミラノで出逢った親切なマリア様は一生忘れない。運転手にまで掛け合ってくれたおかげで、彼女たちが降車したあと、違うバス停で降りそうになった私たちを運転手さんが、違うここじゃない、戻れ戻れと身振りで教えてくれたのだ。素直に感動。日本で困っているツーリストが居たら、絶対優しく親切にしてやるんだと心に誓う。まぁ帰国して1週間経つと忘れちゃうんですけどね。

日本は本当に閉ざされた国で、外人コンプレックスが強く、外国語コミニュケーションが苦手ですよね。でも海外旅行慣れしている人って、写真なんかをうまく使って、ココはよかった、アソコもよかったなどと旅情報を交換して、会話が弾むのだ。今ならiPhone使ってカメラロール見せ合いっことか、インスタのアドレス交換とかするんですかね。写真なら言葉要らずで伝わるもんね。あーマリア様とアドレス交換したかった。笑

青い目の女はな、手ごわいぞ。

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