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起業の道のり(新規営業編)
ビジネスはスキルだけでは成り立たない。
スキルより大事なものは何か?
それが「営業力」です。
どんなにスキルがあっても、そのスキルを仕事に変えないと、ビジネスにはならない。また、スキルがあるから仕事が取れる訳ではない。
営業力があるからこそ、仕事の獲得に繋がり、
その仕事が、結果的にスキルが高めてくれる。
若くて未熟。
そんな学生起業のイメージも、若いからこそ出来ること・知ってることを武器に、強みに変えてきた。
今日は、そんな我々が0から営業活動を行い、仕事を獲得してきた方法についてお話します。
【第1章:営業活動の3つの要点】
まずは基本的な要点を3つ説明します。
1つ目は、SNSやWEBの発信など、
オンラインをフルに活用することです。
特定のジャンルにおいて、価値ある情報を発信するのも1つ。良質な情報に人は集まる。
あるいは、人柄や人間性をアピールして、自分に興味を持ってもらうことも有効だ。
2つ目は、一方的な営業は何も生まないこと。
不思議かもしれないが、無闇に営業しないことで、信頼関係の構築や、その後の受注にも繋がる。
3つ目は、営業の原点は、常に相手のことを優先し続けるという、人間関係の本質にあることだ。
この3つを念頭において、行動すれば、
高い営業力と結果は自然とついてくる。
【第2章:具体的な営業の施策】
①Facebookの活用
初対面で話が弾み、仲良くなれた。
ところが、その次はいつ会えるか分からない。
そんな時にも、やはり、Facebookが活躍してくれる。「経営者の多くは、Facebookを利用している」というのが、ぼくの所感だ。
一度でも、仲良くなれば、自然と、お互いの投稿内容や近況を目にするようになる。
初対面では、「あいつ、なんかオモろいヤツやったな!」という印象を残せれば、十分だ。
興味を持ってもらい、「あいつ、何の仕事してるんやったっけ?」と思われるくらいで、丁度いい。
僕の仕事内容も経歴も、プロフィールも実績も、Facebookを見れば、誰もが分かる。
後で分かるような、自分の情報を、
初対面で自慢げに語る必要はない。
初対面での自分の押し売りは、時期尚早なのだ。
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色々な人と関係性を深め、Facebookで繋がる。
それは一見、地道で、骨が折れるように思うかもしれないが、続けていけば、必ず資産になる。
特に、我々のような「B to B」ビジネスは、インスタやTwitterのフォロワーを増やすより、実際に出会い、1対1の繋がりを大切にした方が効率的だ。
仕事を依頼する権限を持つ、事業主や経営者と直接に繋がれるのが、Facebookの強みだろう。
「映像をつくりたい。誰に頼もうかな?」
そう思った時に、僕らの名前を思い出す。そんな人が増えて、依頼の数も自然と増えてきた。
共に仕事をするなど、さらに関係性が深めれば、
定期的に依頼をもらえるようになる。
数百人と関係が深まれば、飛び込み営業やテレアポに頼る必要は、どこにもないだろう。
実績・活動・熱い想いなどを発信する、日頃の投稿が、ぼくの代わりに営業してくれるのだ。
②営業しない勇気を持つ。
「営業したいなら、営業しない。」
そんな勇気を持つことが大切だ。
人と会う時、その時間は有限です。「何を話して」「何を話さないのか」を考えるべきだ。
僕の場合「初対面で営業トークは一切しない。」
何かを売りたい。
自分のことを知ってもらいたい。
大きく見せたい。
その欲深い気持ちは、見透かされると思った方がいい。経営者が相手なら尚更である。
雑念が浮かんだら、すぐに捨てる。「仕事相手」という土俵から離脱して、人と人として向き合う。
とにかく、少しでも目の前の人が、良かっと思える時間を過ごせるよう、意識を向けた方がよい。
「目の前の人と、1対1の信頼関係を築く。」
それだけに集中しよう。
【第3章:信頼を獲得するには?】
冒頭で「人脈づくり・営業の原点は、コミュニケーションの本質を見失わないことにある」と述べた。
そして、営業というのは、新たな人と知り合うだけではなく、信頼関係を構築する必要がある。
そこで、「信頼」を分解して、考えてみた。
「コミュニケーション力」×「教養」×「実績」×「与える力」=信頼の獲得
飛び込み営業やテレアポを否定するわけではないが、どれだけ耳障りの良い言葉を伝えても、台本をつくっても、相手が求めてなければ届かない。
営業する前の段階。つまり、マーケティングで、勝負は決まる。営業マンのスキルに限らず。
我々は、営業先と打ち合わせをするのは、問い合わせをいただいた時だけ、と決めている。
無理にこちらから、アポイントを取ったりはしないし、押し売りなんて、もってのほかだ。
そんなことを踏まえて、上記で分解した、
信頼の4つの要素について解説していく。
①コミュニケーション力
コミュニケーション力の本質は「必要とする人の元に必要なものを届ける姿勢」にあると思っている。
トーク力や質問力は、二の次だ。
必要としていない人に、不要なものを投げつける行為は、コミュニケーションとは言えない。
たとえば、とある映像制作会社に、「うちの事業をPRしたい」と相談が入ったとする。
すると営業担当は、こう説明するだろう。
「動画は良いですよ!」
「御社のPRには動画が最適です!」
もし、その会社にとって、チラシ広告が最適な戦略であっても、そんなことは口がさけても言えない。
自社の商材を売らなければ、
売上が立たなくなるからだ。
それでは、お客様を勝たせることが難しくなるため、長期的な集客や事業成長は望めない。
商材が決まっているなら、「自分が売りたいものを売りつける」よりも、自社のサービスのニーズにマッチした企業を見つける方が、よほど効率的だ。
双方にとってのメリットも大きい。
MOVEDOORの場合は、クライアントの悩みに合わせて、最適な広報PR戦略をオーダーメイドで提案することで、ミスマッチを防いでいる。
「いかに求めている人を探して、提供するか」
コミュニケーションを取る相手を間違えないことだって、立派なコミュニケーション力の1つだ。
②教養
2つ目は「教養」だ。
いざ、という場面で「あー、この人は不勉強だな」「頭があまり良くないんだろうな」と思われてしまっては、信頼などされるはずがない。
一定の教養がなければ、相手にされないだろう。
そのため、依頼の連絡が入り、打ち合わせの日が決まれば、クライアントが置かれている市場や状況を、徹底的に分析するようにしている。
「施策はどれだけハマっているか」
「課題や悩みはどこにありそうか」
幸いにも、今や広報PRにおける各業界の課題や事例は、ネット上に溢れている。仮説を立てた上で、ヒアリングに挑むことは、十分可能だろう。
全ての経営者や役員が、自社や業界の課題を適切に認識しているとは限らない。その業界や会社に長く勤めているからこそ、見えにくい点もある。
だからこそ、我々は「正しいと思うことを、正直に言うこと」を媚びずに、やり抜く必要がある。
課題や問題点を正直に伝えなければ
決定権を持つ人の信用は得られない。
だからこそ、日頃から、本を読んだり、ニュースを見たりして、思考を深めておく。鍛えておく。
こうした日々の積み重ねが、教養となり、資産となり、長期的に自分を助けてくれるのだ。
③実績
「何を言うかより、誰が言ったかの方が大事である。」そんな心理学の効果がある。
「ハロー効果」といって、ある人に突き抜けた実績があれば、その人の発言に信頼が集まりやすい。
MOVEDOORの平均年齢は23歳。きっと、第一印象で「若い人が集まる会社だ」と思うだろう。
とはいえ、若さやフレッシュさばかりをアピールしていては、大きな仕事は任せてもらえない。
「依頼してあげよう。」
「若い人を助けてあげたい。」
そんな風に、若いから未熟の思われてはダメだ。
だからこそ、確かな「実績」が必要なのだ。反対に、どんなにスキルのある人でも、実績が無ければ大きな仕事はもらえないだろう。
「こういう企業と取引きしてきました」
「こんなデザインや映像がつくれます」
きちんと見える形でアピールしていく。
「若いから未熟」を「若いからデザインが今時、若いからネットに詳しい」などの強みに変える。
もちろん、実績が少ない時期というのは、誰にでもある。初めから実績のある人などいない。
僕たちも最初は無償で依頼を受けて、地道にポートフォリオをつくり、SNSでアピールしてきた。
最初は不安かもしれない。
でも、ひたすら目の前の仕事に全力を尽くしていれば、仕事が集まる日は必ずやってくる。
実績が実績を呼ぶ、そんな状態を目指していこう。
④与える力
そして最後は、「与える力」
相手の役に立とう考え、実践する姿勢だ。
「与える力」があれば、多くの問題は解決する。反対に、コミュ力があっても、教養があっても、実績があっても、与える力が無いと全て無意味だ。
「与えること」の反対は「奪うこと」だ。
自分が何かを得たい、自分だけが出来るだけ、得をしようとする姿勢も同義と言える。
マーケティングで有名な、ジェイ・エイブラハムは、著書『ハイパワーマーケッティング』の中で、
ビジネスの最も大切な成功法則は、常に
自分の都合より相手の都合を優先することだ。
と述べている。例えば、、、
世の中の多くの人は、「誰かの話を聞くよりも、自分の話を聞いてもらいたい。」と思っている。この事実にも、意外と気付く人が少ない。
人には自分の重要性を感じたいという欲求がある。だから、人の力を借りたいと思ったら、まずは相手の話に、とことん耳を傾けることだ。
限られた時間の中で、相手に「話して良かった」「楽しかった」と思われるように振る舞う。
もちろん、発信においても与える姿勢が大切だ。
どうせ、発信するなら「どうすれば、時間を割いて見てくれる人に役立てるか」を徹底して考える。
不特定多数の人が目にする、Twitterやインスタには、特定分野の役に立つ知識情報を発信する。
関係の深い人が目にする、Facebookは、仕事の実績や日頃考えていることなど、自身のパーソナリティーに近い内容を発信するように使い分けている。
とにかく、人が見たいと思うものを届けること。
自分の都合ばかり考えて話したり、自分の発信したい気持ちを優先すれば、奪う人になってしまう。
全てにおいて相手ファーストで行動すること。信頼の正体は、与えることの積み重ねだと思う。
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以上が、信頼を構成する4つの要素だ。
【最後に】
ありがたいことに、起業初期に比べると、僕の毎日は、ずいぶんと慌ただしくなった。目の前に仕事があり、しばらく先にも、また仕事がある。
チームをつくるための制度設計に、新規事業。やりたいこと、やらなければいけないことは、無限にあり、時間はいくらあっても足りない。
その中で、「出会う人、全てに与えていく」姿勢を貫くことが、年々難しくなってきている。丁寧に関わりたいと願っても、時間の総量は限られている。
それでも、目の前の大切な人を大切にしたい。
間違っても、誰かから奪い取るマネはしない!
たとえ、小さなお願いでも、少しでも貢献できることを探して、持てる力を注ぎたいと思う。