ADHD生存記 3ー「社会復帰」は必要なのか?

障害者年金を受けて、自立支援医療制度で薬を買って毎日飲み、週3日ほどパートに出て生活している。

先日、youtubeで、統合失調症の方のドキュメンタリーのようなものを見た。
その方の様子や苦しみはともかく「いろいろなことを知ってらっしゃる方だな」と思った。
おそらくは本を読んだりドキュメンタリーを観たり、youtubeを見たりして知識を蓄えているのだろうーー僕と同じように。
子ども食堂でささいなお手伝いをされていた。その方にとって、人の手伝いをするというのは大切なことなのだろう。

その映像の最後に、その方が「社会復帰に向かっている」というテロップが流れ、少し気になった。もちろん責めるつもりはない、何かまとめの言葉をつけようと思うならそういう言葉をつけるしかないのだろう。

障害者は社会復帰をする必要があるのだろうか? その方が仮に「復帰」するとして、それはどういったかたちでだろうか? もちろんスーツを着て立派な会社に勤めてということではないだろう。やはり、働いて自分でお金を稼ぎ、そのお金で生活する、つまり障害者年金をもらわずに生活する、ということを、我々障害者は目指さなければならないのかな?と、この言葉を見てふと思った。

逆に、働いていれば、または自分の稼いだお金で生活していればなんでもいいのだろうか? そのようなことを最近思う。
たとえばだが、「悪いことでお金を稼がない分、障害者年金で暮らしている方がマシ」という考えはしてもらえないだろうか? 世の中ずいぶん詐欺的なことで儲ける人々がたくさんいる。そういった人よりはマシなのではないかーー。

もちろん、何が善で何が悪か、何が詐欺で何が公正か、区別をつけるのは難しい。特に、国会議員が脱法的なお金稼ぎをしていて、しかもそれが不問に付されるような現在では。

「まともな会社」に勤めていても、その会社が不正を働いていたとしたら、何も知らずに不正に関わっていた社員は悪だろうか?
あるいは組織の中で「当たり前」とされていたことをずっと続けていて、自分もそれをやっていたら、ある日からそれが「悪」とされて糾弾される、そんなときその人は悪だろうか?(もちろん、先に少し触れた自民党の政治資金規正法違反の話である)。

社会復帰は難しい、「自分でお金を稼いで暮らす」ということでは、たぶん僕は一生そのような生活をできない。
しかしながら、この社会全体を見回した時、果たしてどの程度の人が、本当に本当の意味で「自分でお金を稼いで暮らす」ということができているのか、分からないと思う。
そうであるならば、どうすればいいだろう?

自分たちにとって「少しだけ」ボランティアをすることが現実的なことかもしれないし、僕もそうしている。





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