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2020/04/10(金)「先延ばしは1冊のノートでなくなる(著:大平信孝)」を読んで試してみたら「ほぼ日手帳」とうれしい和解ができてきた。

  大平信孝著「先延ばしは1冊のノートでなくなる」という本を読んでいます。

 この本とは図書館で出会い、一読した後あらためて買い直しました。

 もし、本書が本当にタイトルに偽りなしの内容であるならば、毎度毎度先延ばしを繰り返し、そのたびにションボリ・ガッカリ・ウンザリし続けているお定まりの日々から抜け出すためのヒントが得られるかもしれない。そんな期待を抱いたからです。

  さて、この本の内容を超大雑把に説明しますと、以下のようになります。

1:先延ばしを撃退するための「ぶっとんだ目標」を設定する方法
2:「ぶっとんだ目標」を実現するための「行動イノベーションノート」の書き方と「10秒アクション」の実行方法

  これだけです。

 これだけなのです……が、ボトムアップ思考のみで長年生きてきて、目先のことに一喜一憂、右往左往するのが当たり前、いわばそれが「生き方のクセ」になっていたわたしにとって、ドラえもんの歌の歌詞のように「あんなこといいな、できたらいいな」と、上や前を見て夢や希望を描くトップダウン目標設定(「ぶっとんだ目標」づくり)はあまりにも難易度が高すぎました。

 「なんでも自由に思い描いていいんだよ! 誰に見せるわけでもないんだから恥ずかしがらなくてもいいんだよ!」と自分自身に呼びかけてもウンともスンとも返事がなく「ああ、目の前のことだけに追われていると夢や希望が思いつかないくらい心がカサカサになってしまうんだなあ……」とちょっと落ち込んだりもしました。

 しかし、せっかく買ったのになにもできずに終わってしまうというのはひじょうに悔しかったため「ぶっとんだ目標」はいったん「先延ばし」して(おい!)「行動イノベーションノート」づくりからはじめることにしました。

・「行動イノベーションノート」と「タスクリスト」はまったく違った。

 「行動イノベーションノート」は、以下の順序でつくります。

毎日 書く デイリー ページ の 書き方 は ノート 半 ページ に 縦横 均等 に 線 を 2 本 引く だけ です。 それから、 次 の 1 ~ 6 までの 手順 が あり ます が、 たった 3 分 で 終わる 習慣 です。
❶  昨日 1 日 の、 嬉しかっ た こと・感謝 し たい こと・よかっ た こと を 3つ、 左上 に 書く
❷  3つ 書い て み て、 改めて 気づい た こと・感じ た こと を 右 上 に 書く
❸  目標 ページ を 10 秒 眺める
❹ 「 今日 1 日、 目標 実現 の ため に 本当は どう し たい?」 と 自問 し、 何 が し たい かを 思いつく まま に 左下 に 書く
❺  各 やり たい こと に対して の 10 秒 アクション を 右 下 に 書く
❻  随時、 10 秒 アクション、 また はやり たい こと が 完了 し たら 赤 ペン などで 線 を 引い て 消し て いく
大平信孝. 先延ばしは1冊のノートでなくなる (Kindle の位置No.772-780). 大和書房. Kindle 版.

 「ぶっとんだ目標」づくりは少しつまづきましたが、こちらは思った以上にうまくいきました。2020年4月6日(月)からやりはじめたのですが、毎日続いています。

 なぜ毎日続いているのかというと、この手順は通常の「タスクリスト」や「To Do リスト」とは異なり「うれしいこと」を思い浮かべることからはじめる仕組みになっているからです。

 まず最初に昨日あったポジティブなことを思い出し、それについて一言感想を加える。

 そのうえで「今日の理想」を掲げ、それを実現させるために「たった10秒!」という、極限まで敷居を低くした具体的行動について書く。

 つまり「すでにやりとげたこと(成果・実績)」「これからやりたいこと(希望・理想)」「ちょっとやりさえすれば確実にできること(具体的かつ容易な行動)」の順に書いていく流れになっているため、心理的負荷や抵抗感が生じにくいのです。

 それゆえ、一般的なタスクリストなどにありがちな「リストアップはしてみたはいいものの『やるべき・やらねば』といった責務感に縛られてしまう」「『やらなければいけないことがたくさんある』といったプレッシャーに圧倒されてしまう」「失敗への恐怖心や、できなかったときの自責感情・敗北感に苛まれてしまう」といったことがほとんど起こりません。

 「べき・ねば」ではなく「いいねぇ!」「うれしい」「たのしい」「うっとり」といった心地よい感情を思い描くところからスタートできるので「書かねば……」ではなく「書きたい!」という気持ちが湧きやすく、それゆえ継続しやすいのです。

 おかげで、自己啓発書や仕事術の本を買ったときにありがちな「買った時はやる気満々だけど、読んでも実行はしない」「それどころか、ちょっと読んだだけで積んでしまう」といったことにはならず、ほぼ毎日ノートをつくり続けています。

 また、ノートを書いていくと「これができたら気持ちいいだろうなあ……」という空想が浮かんでくることがありますが、そんな時、空想は新たな動機を生み、動機は新たな行動を呼び「やるべきこと」と思っていたことが「やりたいこと」に変化していきます。

 「やらなきゃ……でも面倒くさい……やりたくない……しんどい……」と億劫だった気分が「よし、ちょっとやってみようか!」と前向きな気分へと切り変わる瞬間というのは、劣勢だったオセロの盤上を自分の色に塗り替えていき、ようやく勝機をつかんだ時のような痛快さすらあります。

 このように、億劫から前向きへと気持ちを切り替えるに際しては「10秒でできることを書き、実行しよう」という「10秒アクション」が実にいい働きをしてくれました。

・「10秒アクション」で「とっかかり」のつらさを大幅減。

 「がんばる」「やる」というと「長時間・高負荷じゃなきゃダメ」と思い込みがちですが「10秒でOK!」ハードルを下げきってしまうと逆にいろいろなことができるようになり、とっかかりがとてもラクになります。

 人間の脳というのは「やりはじめないとやる気が出ない」「やりはじめるとやる気が出る」「やると、途中でやめても忘れない」という仕組みになっているそうなので「何時間もがんばらねば……と思うとしんどいのでやらない」よりも「10秒だけやろうと思って本当に10秒だけやってやめる」の方が物事が進んでいくのです。

 それに、いざやってみると「10秒だけやろうと思って、本当に10秒しかできなかった」ということは滅多になく「10秒できさえすればあとはだいたいなんとかなる」ということのほうが圧倒的に多いことがわかります。

 それがわかってくると「自分はやればできる!」「だから、今すぐやろう!」という自信とやる気が湧いてくるので、物事をはじめる前にグズグズしてしまうことが大幅に減り、スッととりかかれるようになってきました。

・「ほぼ日手帳」で「行動イノベーションノート」をつくってみた。

 また、これは個人的な話になるのですが、2003年から買い続けていながらロクに使いこなせていない「ほぼ日手帳」がこの「行動イノベーションノート」にピッタリだったのです。

 「好きだけどうまく使えない」「使いたいけれど使い方がわからない」「でも『使うために使う』のは主客転倒している」など、いろいろ思い悩んでしたのですが、ぴったりハマりました。こんな具合に。

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 それぞれ最大で7~8行しか書けないのですが、ここに書くのは「うれしいこと」「自分を褒めること」「うっとりすること」「やりたいこと」「10秒でできること」だけなので、そのくらいの分量でちょうどぴったりという感じです。

 また「ほぼ日手帳」を使うことによるメリットとして「読めばうれしくなることだけが書いてある1年の記録」をつくることができるということが挙げられます。

 「LIFEのBOOK」というのが「ほぼ日手帳」のキャッチコピーなのですが、これが「HAPPYなLIFEのBOOK」になるわけです。

 2020年の「うれしい」「わくわく」の総まとめが、持ち運び簡単な手のひらサイズにすべて収まるというのは、考えるだけで「うれしい」ことです。きっと読むごとにハッピーな想像が広がり、それらは「ぶっとんだ目標」の種になっていくことでしょう。なるといいなあ。

 順序は逆になりましたが「行動イノベーションノート」を先につくったことで「ぶっとんだ目標」も思いつきそうな気がしてきました。楽しみです。

 

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