2019/11/09(土)ラグビーワールドカップで得た最大の学び「フェーズ(フェイズ)」という概念について
多くの日本国民がそうであるように、わたしもラグビーワールドカップを「にわかファン」としておおいに楽しんだわけだが、にわかファンだからこその新鮮な驚きと学びもいくつかあった。
そのなかでも、わたしにとって最大のものは「フェーズ(フェイズ)」という概念(ルール)である。
サッカーやバスケなどは、とにかくもう「走って、走って、走って……ゴォォォォォォォル!」という感じだが、ラグビーは「走って、ぶつかって、押しあって、ボールを出したらまた走って……」という感じで、どっかんどっかん身体と身体をぶつけ合うことを前提としているスポーツだ。
筋肉モリモリの屈強な男たちが何度も何度も全力で体当たりしてくるわけで、とにかく痛いしおっかないと思うのだが、選手たちはそれでも前へ前へと向かっていく。
この「走って、ぶつかって、押しあって、ボールを出したらまた走って……」という一連の流れのことを「フェーズ(フェイズ)」という。
この回数が増えていくたびに「フェーズ1,フェーズ2,フェーズ3……」と、後ろにつく数字も増えていき、反則や相手チームによるターンオーバーが起こるまでこれは続く。
わたしは、この「フェーズ」に自分の人生を重ねて、思わず「じぃーん」としてしまったのだ。
確かに、誰も追いつけぬスピードで駆け抜けて華麗なトライで勝利……という人生は、とてもうらやましい。
しかし、どうやらそうはいかない星の下に生まれてしまったわたしにとって、ちょっと進んでは止められて、体当りをされては痛い思いをし、ギリギリと押しあいながらボールをつなぎ、新たなチャンスに向かってまた必死で走り……という光景は、今後の人生の指針にすら思えたのだ。
「ああ、人生ってこういうことなんだな。痛いし、怖いし、何度も何度も行く手を阻まれるし、やっとのことでそこから脱して、次のチャンスを狙ってもなかなかうまくはいかないし……」
「それでも、それでも諦めず、前へ前へ、身体ごとぶつかっていく。そうやって俺も生きていくんだよ……! 生きていけいくべきなんだよ……!!!」と、半ば本気で感動してしまった。
なにより「フェーズが増えて続けている間はボールの確保と攻撃の継続ができているということであり、得点のチャンス続いている」つまり「どんなに苦しくても、フェーズが続いている限りは勝利への道は決して閉ざされない。だから、あきらめてはいけない!」という点がひじょうに響いた。そう、あきらめてはいけないのだ!
「スポーツ観戦で人生観が変わりました! 感動をありがとう!」なんて、軽佻浮薄な意識高い系のウェイみたいで気恥ずかしいが、心からそう思ってしまったのだから仕方がない。
格好つけていうならば、己が肉体を鑿(のみ)として鉄壁のディフェンスに臨み、自らもその身を削られながら、じりじりと勝利への道を穿たんとするその姿こそ、いま見習うべき生きざまであると深く深く感銘を受けたのである。ああ、ありがとうラグビーワールドカップ2019日本大会。
……と、いうわけで、今日この記事をしたためることでその思いをみなさまと分かちあおうと思い、書くに先立って下調べをした、の、だが……。
・ラグビー雑記(初心者向け) ラグビーを知らない人に説明してみる ⑥ラグビーの試合の流れについて
・はじめてのラグビー フェーズを重ねる
あっれぇ……?
「フェーズ」って、必ずしも続いていればいいってものじゃない……の……?
以下、リンク先の各記事からの引用。
攻撃側としては、フェイズが増えるほどハンドリングエラーや敵にターンオーバーされる機会が増えるため、なるべく少ないフェイズで得点したいわけです。
実際に、攻撃側がトライを取るのは攻撃開始から3フェイズまでが多いと言うデータがあります。
なぜかと言うと、上の図で攻撃側の陣形を見ると少し分かるかもしれませんが、フェイズが増えるにつれて陣形は崩れていき、組織的にデザインされた(ストラクチャー)攻撃が行えなくなるためです。
一方で防御陣形は穴が開いたところに人を配置するだけなので、フェイズが増えてもそこまで大きくは崩れません。
・ラグビー雑記(初心者向け) ラグビーを知らない人に説明してみる ⑥ラグビーの試合の流れについて
もし、フェーズを重ねているにも関わらず、あまり前進できていなければ、相手のディフェンスが強くて思うように攻撃できていないことになります。
フェーズの数字が大きくなっていたら、攻撃をしているチームが本当に優勢なのか、相手が辛抱のディフェンスをして反則を誘うプレーやターンオーバーをねらっているかを観察するのもラグビーの醍醐味です。
・はじめてのラグビー フェーズを重ねる
あぁ……。
なるほどね……。
そうよね……ぶつかることが目的じゃないものね……トライすることが目的だものね……。
ボールは確保しているけれど得点につながっていないということは……攻め手に欠けているということだものね……。
……。
…………。
………………。
結論!
「あきらめずに何度もぶつかっていくことは大事だが、それをやらずに勝つに越したことはない」
「つまり、あきらめずに何度もぶつからなくても勝てるようにしろ」
以上!
……うはははは、危うくとんでもない勘違いを人生訓にするところだったわい。
なんというか、まさに「にわか!」って感じで、いやー、いやいやいや。はははは。
……勉強になりましたっ。