踊る若者たち

前回、ハロウィンに見た日本人の秘めたる<祭り気質>を書き記した。

日本人は教え込まれたその規律によって、『静』の状態を保っているが
結局は心のどこかにタガを外したい欲望を抱え込んでいるのだ。


本田翼さんの出演する「LINEモバイル」のコマーシャルを目にした方は多いだろう。


ザ・ドリフターズの「いい湯だな」のカバーソングをBGMに踊るというものだ。


背景はコンテンツのイメージカラーである緑一色。横に2Dのキャラクターがいるだけで余計な手は加えていない。



つまりこのCM、”ダンス”の一本勝負なのである。
(当然そこに本田翼さんの美しさという要素が内包されているのだが)


いかようにでも工夫できてしまう時代において、なぜこのCMが出来上がったのか。



「TikTok」というコミュニケーションサービスがある。


短い尺の動画に音楽などの簡単な加工を施し、インターネット上で共有するというものだ。


登録はせずとも、WEB広告で一度はその内容を目にしたことはあるはずだ。


数秒、おろか数コマで人気コンテンツができてしまうその手軽さには驚くばかりだが、中身として重要視されるのは”動きのキレ”つまるところ”ダンス”である。


ポップな表情、ひょうきんな動き、そこに乗っかるBGMによる演出が、いま若い世代に受けているということだ。


これは上記の「LINEモバイル」のCMにも言えることだ。

CMの中での踊りは非常に簡易的で、決して前衛的なものではない。

本田翼さんの表情、そして踊りがコンテンツたらしめているのだ。


中学校の教育において、ダンスが必修になって6年が経つ。

踊るという行為は身近になり、それが現在の「TikTok」の流行に繋がっているのではないだろうか。


そしてハロウィンの定着。

いずれも『動』の表現である。

バブル期に一世を風靡したジュリアナ東京が復活するというニュースも先日目にした。

日本人はやっぱり踊りたい人種なのである。

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