youtuberに憧れる若手社員、鉄腕ダッシュに憧れるベテラン社員

小学生の「将来なりたい職業」ランキングで、ここ数年順位を上げているのはyoutuberだ。

彼らはインターネットに自作の動画をアップロードして、広告収入などで生計を立てている。

工夫を凝らした動画で、人々の関心を集めるのである。

私も日頃、彼らの生み出すコンテンツに楽しませてもらっている。


なぜ、「職業」として認知されるかすら怪しいyoutuberという生業が人気なのか。

それは、自分に出来ないことを代わりにやり切っているからだ。

会社員生活も小康を保とうとする私たち90年代生まれの場合、夜遅くまで友人とゲームをやって実況するような、”今の自分には不可能な世界”を見せてくれる。


学生の場合どうだろう。

何かを大量に買ってみたり、とにかくスケールの大きいイベントは現段階の財力や人脈では不可能だ。



ただ、現在は不可能なだけであり例えば退職してみたり、一歩踏み出せば実現できないことではない


そんな世界観で彼らのコンテンツは広いインターネットの海の中、光輝いている。


『あんなことやってみたいな』というちょっと隣にある絶妙な距離感が、youtuberへの興味の本質なのである。



youtuberという職は、ファンも含めて平均年齢はそう高くない。


では、それ以上の世代が心惹かれる”隣の世界”には何があるのか。


それは「鉄腕ダッシュ」だ。


98年から続くこのテレビ番組は、企画こそ手を変え品を変え現在に至るが、アイドルグループTOKIOの各メンバーが、農作業などの泥臭い作業に従事するスタイルで、群雄割拠のコンテンツ戦国時代を切り拓いてきた。


その歴史が物語るように、出演者の平均年齢はおよそ43歳。


一般社会においては働き盛り世代にあたる。



あらゆる業務で板挟みになり疲弊した彼らは、リタイアした姿を思い浮かべるのであった。



リラックスできる雄大な自然。DIYに打ち込めば自分の作品が出来上がる。会社じゃ成績は部長のものだ。


そんな夢想が、ベテランと呼ばれるようになった世代の社員のすぐ隣で渦巻いている。



会社のイベントは、このご時世において忌み嫌われがちだが(私も大嫌いだが)いっそのこと「無人島で暮らしてみた」とか「村を興してみた」みたいな動画を作るイベントを開催したら、案外どの世代にも刺さるんじゃなかろうかと思う。

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