公開日記
病院を退院し、奇妙な世界も終わってしまった。
私は毎日がカナダにいた頃のような、いつの日かを夢見ている世界線に戻っていると実感する。特にインターネットをずっとしている時。ネットサーフィンをして、少し絵を描いて、ネットサーフィンに戻って、少し色ぬりをして、またネットサーフィンに戻る。自分の想像力がネットに奪われていると感じるのはネットで画像検索をしないと何を描いて良いのか分からない時。かつて、カナダで出会った認知症のおばあちゃん(元教師)が筆を手にして言っていた。
「何を描けば良いのかわからない」
私も全く同じ。本も読まない、ラジオも聞かない、新聞も読まない、週刊新潮も読まない。日記も書かない。ただパソコンを開いて、ぼんやりと画面を見つめている。ブルーライトに照らされている私の顔は生気を感じないだろう。
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