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望むならば。
子供の教育のことについて、もやもやしていたことがあったので、
宮口幸治氏の著書を読んでみた。
有名な著作では「ケーキの切れない非行少年たち」で知っている人が
多いと思う。
その本は読んでいなったが、このかたの著書を図書館で読み、
書店で「境界知能の子どもたち」を買って読んだ。
「境界知能」という言葉も初めて知ったが、
何より「頑張る」ということができない子どもたちの存在が、
目から鱗が落ちる思いだった。
特に、興味深かったので、頑張りたいけど頑張れないということ。
大人から見たら頑張っていないように見える=怠けているように見える。
そんな子どもたちがいて、そういう子ほど支援が必要というのだ。
頑張りすぎる人に対しての、「頑張らなくていいよ」という言葉と、
頑張れない人に対してのそれは意味が違ってくること。
その時は苦手なことや発達の遅れでできないことでも、
本人が頑張りたいのに、「無理してやらなくていい」と言うことが、
成長のチャンスを奪っていることにもなるという。
一番納得がいったのは、
「みんな違って、みんないい」「多様性の時代」というのは、
大人が考える多様性の概念であって、
子どもにそのまま当てはめることはできないと言うこと。
子どもたちは多様性の前に、まずは
「みんなと同じ」にできるようになりたいと強く願っているから。
個性としての多様性の尊重は、本人にとって「みんなと同じ」が
クリアになってから、次のステップとして、
本人が「望むならば」と言うことなのだろう。