鶏口牛後
私は人一倍弱い人間です。
その上に他者と比べて幾分かプライドが高く、天邪鬼なツイストしたマインドを抱えています。
そんななので、私は常に自分を隠して人に馬鹿にされないように、見栄を張るために特に何かに才能がある訳でもないのに中途半端な実力を小さいコミューンで見せつけてエゴを保ってきました。あらゆるところで。きっとそれは、私の恵まれた環境や人達のおかげでここまであまり大きな波風が立つこともなく23年生きてきました。唯一才能があるとすれば周りの環境に恵まれることなんじゃないかと思います。
ロンドンに来てすでに3ヶ月以上経ちました。これまでの生活は、私がというか、一般的に思われているような留学に対するキラキラした憧れのイメージとはあまりにもかけ離れた醜く、挫折に次ぐ挫折を味わい続けるライフスタイルを送っています。それもあって留学中は頻繁にnoteを更新して海外生活を日本にいる友達とかみんなに発信するぞと意気込んでたのに3ヶ月間一度も更新しませんでした。
これまで片手で数え切れるかどうかぐらいではありますが、新しい環境で素晴らしい経験をすることもできました。しかし、これまで小さなコミュニティで見栄を張ることでエゴを保ってきた私にとって、世界中の国々から集まってきた世界の全てを詰め込んだ大都市ロンドンにおいては当然エゴを保てるわけがなく、曇った日だけじゃなく晴れた日も部屋の大きい窓から見える外を見て不安になり、遠い遠い空の向こうの日本に帰る日を待ち焦がれ、限られたビザの期間の1日を浪費し続ける大層親不幸な日々の繰り返しです。
話は変わりますが、ロンドンは物価が高いです。日本にいると考えられないぐらい高いです。これは思い出作りのために就任した無能な総理大臣と偉そうな見た目だけで中身は空っぽな政治家たちが無能なことも影響していますが。当然私なんかが毎日遊んで暮らしていけるほどのお金があるわけもなく、毎日口座の残高とデビットカードから引き落としのアプリの通知に追われるような気分です。これだけはと思い買ったギターとベースを日本に帰ったら見栄を張るために毎日練習をしているだけです。ですが、楽器を弾いている時だけは、あらゆる日々の幸福を味わい尽くしてしまいあまり幸福を感じることのできなくなってしまったジャンキーな私のミソも幸福で満たすことができます。音楽は素晴らしいです。マスターピースと呼ばれるような芸術に造詣の浅い私ですら知っているような有名な芸術家の作品に対してもちっとも心が動かなかった私ですら音楽は素晴らしいと思えるんだから音楽は素晴らしいです。
そんな生活も今月末で一応終わります。新しい働き先が見つかったからです。先週までは一応束の間の職はありましたが、そこはあまりにも自分の身の丈に合わず、心身が崩壊してしまうと本能的に悟って周りの人に迷惑をかけてしまう前にそそくさとやめてしまいました。新しい職はきっと恵まれているはずです。給料が良いし社員の方も優しいし、何より私には周りの環境に恵まれる才能があるはずなので。
私は弱い人間で、こちらでの生活で苦戦してばかりですが、勿論得たこともあります。英語は勿論のことですが、見違えるほど精神的に逞しくなりました。何故か苦戦し続ける中でも耐えたら何かいいことがありそうな気がします。日本よりも生きにくいし汚いし面白いものも少ないし治安は悪いですが、日本よりも生きてて希望とかやりたいことは見える気がします。ここまで何も具体的なエピソードは何一つ挙げてはいませんが、それは帰ってからのお土産話の一つにでもなればと思いそれまでとっておくことにします。
以上近影でした。
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