白い紫陽花
その紫陽花は誰が咲かせたのか
私が水をやったり
特別に世話をしたわけではない
冬には枯れ枝だけとなり
もはや生命のカケラすらも
尽きてしまったような姿を見せていたのに
梅雨の時期が近づくと
まるで誰かに起こされたように
枯れ枝のあちらこちらから
新芽がふきだしてきた
短い間に新芽はあおい葉となり
まるで星々を散りばめたような花の蕾が
折り重なるように房を垂れる
そして
梅雨の季節がやってきた今
紫陽花は見事に咲き乱れている
次から次に花は大きくなり
ソーダ水とその上に泡立つクリームみたいに
そこにだけ爽やかな空間を放っている
誰が紫陽花に命を与えたのか
私が甲斐甲斐しく育てても
命尽きてしまった草花もある
それはまるで、人生のようだ
どんなに心を込めて最善を尽くしても
花開くことのない夢もあれば
特別に気にかけたつもりはないのに
知らず知らずのうちにそこに導かれるようにして
花開く景色もある
それを人は運命と呼んだり
ご縁と表したりするのだろうか
私の夢を
私たちの人生を
花開かせ
時に奪いもしたのは
一体誰なのだろうか
そこにあるものは
どんな結末であれ
愛によるものだと思いたい
なぜなら自然界の循環を眺めるときに
そこに愛の携わりを覚えるように
私たちの命もまたその一部なのだから
その紫陽花は誰が咲かせたのか
私ではないことは確かだ
私の夢を咲かせるのも私ではない
私にできることはただ あの紫陽花のように 一所懸命に生きるだけだ
その私の命に誰かが花を与えてくれたのなら
その季節に感謝して 私の花を咲かせるものなのだ
咲くときに咲くことを知り
咲かぬときには耐え忍ぶことを知り
決して尽きることのない愛の雫を身に受けて
いま可憐に咲き誇る
あの白い紫陽花のように
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明日もあなたに良いことがありますように♪
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