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BACK TO THE SONG 2010.5.16 冨永裕輔ワンマンライブ『ひとりかい?』江古田マーキー 〜前半〜
冨永裕輔
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※試聴版。オリジナル版(48:36)は購入後に視聴可能。
8月7日(金)の金曜noteで初配信した特別なロングライブ音源・第一弾『2018.8.8冨永裕輔メジャーデビューLIVE SILK ROAD -世界へ-』。
ご好評をいただき、ありがとうございました。お楽しみいただけてとても嬉しいです。
そして今夜、とても貴重なロングライブ音源が発掘されたことをお知らせします。
今夜のBACK TO THE SONGは10年前に遡ります。
2010年5月16日に東京都練馬区の江古田マーキーで開催された、冨永裕輔ワンマンライブ『ひとりかい?』をあなたにお届けします。
ところで、ぼくの作る楽曲は基本的にピアノ弾き語りで作詞作曲していますが、CDやライブでの完成形では、必ずしもピアノ弾き語りを想定しているわけではありません。
「この曲は最終的にはギターサウンドに乗せて歌ったほうが曲の世界観が生きる」
とか、
「ライブではバンドサウンドで演奏して、ボーカルは立ってパフォーマンスをしながら会場を盛り上げて歌おう」
など、最終的なイメージもしながら楽曲を制作しています。
そのため、ライブでピアノ弾き語りで歌うには、改めてライブ用のピアノアレンジを行いそれを暗譜(歌や演奏を暗記すること)する必要があります。
ぼくはライブでは楽譜や歌詞を一切見ません。
これは、楽譜や歌詞を見ないと歌えない状態でステージに立つということは、プロとしての準備が足りておらずお客さんに失礼であると考えてきたからです。
そう思うに至ったのには、駆け出しの頃のほろ苦い経験がありました。
クリスマス時期にお台場のテレビ局の野外イベントに出演したときの話です。
カバー曲を弾き語りする際に、用意していた楽譜が風や光の影響で見えにくく、歌唱や演奏に集中してパフォーマンスができないということがありました。
これではとてもプロとは言えません。
歌詞や楽譜は自分の中に充分に入った上でこそ、初めてその世界に没入して、感情の機微など繊細な魂の表現を届けられます。
役者さんが本番で台本を見ながら演技していたら、お客さんはその舞台に感情移入しにくいのと同じことだと思います。
自分が作った楽曲であっても、それをライブで届けられる質まで高めるためには、練習を繰り返します。
そのようにして一曲一曲、ライブに向けては再び作り上げていくわけですが、ぼくにとって試練とも呼べるタフなライブがありました。
それがピアノ弾き語りワンマンライブ『ひとりかい?』です。
これは、ピアノ弾き語りという自分のスタイルの基礎体力、クオリティーを高めるために始まったライブ企画でした。最初は弾き語りしたことのないカバー曲を、毎月20曲ほどピックアップして挑戦するというものでした。
1曲マスターするにも、少なくとも歌とピアノを完全に暗譜するには数日かかります。
先のお台場のエピソードで書いたように、本番では何があるかわかりません。お客さんが入ったときの緊張感は練習のときのリラックスした雰囲気とも違います。
練習でできないことは本番では絶対にできませんし、練習でできていることも本番ではできない可能性があります。
ここで重要になってくるのは、練習でいかに追い込んで、本番でいかにリラックスするかということです。
練習で自分を疑ってこそ、本番で自分を信じることができるのです。
「本当に大丈夫か?もしも本番でアクシデントがあっても、平常心で歌いきれるか?」
そのようにして、あらゆる想定外を想定して、練習では自分にできるだけ負荷をかけていきます。
歌詞を覚えるために、またパフォーマンスをしながら歌っても息切れしないために、山道を走りながら繰り返し歌うというのも、負荷をかける練習の一例として実践してきました。
心肺機能が高められるだけでなく、景色や匂い、鳥のさえずりなどの情報と記憶が結びつくことにより、脳が大切な情報を思い出す手がかりが増えます。
さらに、大腿部(太もも)などの大きな血管が通っている部位を積極的に動かすことになるので、全身の血流が促進されます。脳にも多くの血液が運ばれることにより、脳の機能が覚醒した状態で記憶もはかどるのです。
山まで行くのが難しいときは、公園やマンションの階段などを利用しても良いと思います。
まずは少しでも早い段階で、何も見なくても諳(そら)んじられる状態までもっていきます。そうすると、移動しながらでもお風呂に浸かりながらでも、いつでもどこでも復習を繰り返すことができるのです。その時々の場所と記憶が結びつくと、その記憶はどんどん確固たるものになります。
そして自分の中で自信が持てる段階まできたら、人に聴いてもらうことでさらに記憶は定着します。
人に伝えようと思うと必然的に頭を整理する必要があるとともに、緊張感もありますし、より本番に近い状態の自分を体験することもできます。また、感想などをもらいブラッシュアップすることも期待できます。ぼくも毎週レコード会社でリハーサルを見てもらい、さらに高めていきました。
これだけ練習したのだから大丈夫だという本番でのリラックス方法や、これらの暗譜方法は、音楽に限らず、スポーツにしても仕事にしても受験にしても、共通して効果を発揮してくれます。
何かを覚えたり、本番で力を発揮する必要がある際は、よければ活用してみてください。
また、限られた時間での練習の成果を上げるためのポイントもあります。
それは、綺麗に整えた空間で練習するということです。
雑然とした空間では集中力も下がるので練習効率、効果が下がります。その積み重ねは結果的に大きな差を生みます。
練習前はピアノを拭いたり、目に入る景色を綺麗に整えるようにしました。
かのイチロー選手も、グローブなどの道具をとても大切にされて練習や試合に臨まれたことは有名な話です。
また、もう一つぼくが実践した暗譜法があるのですが、それはそのまま勉強などの暗記法にも通じます。
記憶は寝ている間に脳に定着するという仕組みを活用した方法です。
日中の練習はもちろん大事ですが、寝る前に必ず復習をするのです。
すると、脳によって寝ている間に一日の記憶が必要なものと不必要なものとに整理されるとき、必要な情報として記憶に定着します。
そして、朝起きたらもう一度復習するのです。これで脳に深く記憶が定着します。
このやり方を繰り返せば、三日あればたいていのことは暗記できるようになりました。
それぞれの曲を個別に20曲暗譜できたら、今度は全体のMCなどの構成も含めた通しリハーサルを繰り返す段階に入ります。
そうやって脳と体に定着させる範囲を増やしていくのです。
これは野球で例えるなら、ひたすらノックを繰り返して守備練習をして、ひたすら素振りをして打撃を高めたら、今度はようやく試合形式で全体を向上させていくようなイメージです。(もちろん打撃と守備以外にも走塁など、試合に必要な要素はまだまだたくさんありますが)
英語の勉強で言えば、単語の暗記、熟語の暗記、文法の理解という個別のスキルの土台があってこそ、英語の長文読解の練習ができるようになるのと同じことです。
ライブも、歌、演奏、MCなどの要素があってはじめて、ライブ全体の構成に入っていけるのです。(もちろん、衣装、照明、音響、ゲストなど、細かい構成要素も同時に詰めていきます)
そのようにして、必死で練習した日々を思い出します。
あるとき、仕事から帰宅後の夜にピアノ弾き語りの練習をしようとしたのですが、家の電気がつきません。
電気代が支払えておらず電気が止められていたのです。
そのため電子ピアノの電源が入れられずに困り果てました…。
そのときは急いで対応してなんとかなりましたが、下積み時代にはそういうこともよくありました。
さて、山あり谷ありのなか、なんとか根性と工夫で回を重ねていったピアノ弾き語りワンマンライブ『ひとりかい?』。
その集大成とも言えるコンサート音源を、今夜note限定初配信します。
この日は、20曲ほどのピアノ弾き語りを中心にした約2時間のライブを、さらに昼夜2公演開催し、計40曲ほどを歌い切りました。
そのクライマックスの2ndステージを配信したいと思います。
なかなかハードな試練でしたが、今聴いてみるとそのときならではの良さも感じました。
まだ拙い部分もあるとは思いますが、精一杯の情熱を捧げて向き合った清々しさ、誇らしさのようなものを感じました。
確かに、このときの土台の上での今があるのだと。
そんな今夜のライブ音源には貴重なお楽しみコーナーも随所にあります。
それはライブスタートからアンコール最後の最後までお聴きいただいて、お楽しみください。
今回もnoteの音声配信にアップできる上限100メガに可能な限りの音質と長さで編集し、前後半に分けて配信します。
あなたの、あなただけの特等席をご用意しています。
今夜は2010.5.16江古田マーキーの会場への時間旅行をお楽しみください。
地下に下りていくライブハウスの空間は超満員です。その空気感そのままにお届けします。
今はその光景は難しくなりましたが、BACK TO THE SONGによってあなたのお部屋をライブ会場に変えていただくことができます。
さあ、照明がライトアップされ、あなたの拍手に応えて、本番のステージ始まります。
ご好評をいただき、ありがとうございました。お楽しみいただけてとても嬉しいです。
そして今夜、とても貴重なロングライブ音源が発掘されたことをお知らせします。
今夜のBACK TO THE SONGは10年前に遡ります。
2010年5月16日に東京都練馬区の江古田マーキーで開催された、冨永裕輔ワンマンライブ『ひとりかい?』をあなたにお届けします。
ところで、ぼくの作る楽曲は基本的にピアノ弾き語りで作詞作曲していますが、CDやライブでの完成形では、必ずしもピアノ弾き語りを想定しているわけではありません。
「この曲は最終的にはギターサウンドに乗せて歌ったほうが曲の世界観が生きる」
とか、
「ライブではバンドサウンドで演奏して、ボーカルは立ってパフォーマンスをしながら会場を盛り上げて歌おう」
など、最終的なイメージもしながら楽曲を制作しています。
そのため、ライブでピアノ弾き語りで歌うには、改めてライブ用のピアノアレンジを行いそれを暗譜(歌や演奏を暗記すること)する必要があります。
ぼくはライブでは楽譜や歌詞を一切見ません。
これは、楽譜や歌詞を見ないと歌えない状態でステージに立つということは、プロとしての準備が足りておらずお客さんに失礼であると考えてきたからです。
そう思うに至ったのには、駆け出しの頃のほろ苦い経験がありました。
クリスマス時期にお台場のテレビ局の野外イベントに出演したときの話です。
カバー曲を弾き語りする際に、用意していた楽譜が風や光の影響で見えにくく、歌唱や演奏に集中してパフォーマンスができないということがありました。
これではとてもプロとは言えません。
歌詞や楽譜は自分の中に充分に入った上でこそ、初めてその世界に没入して、感情の機微など繊細な魂の表現を届けられます。
役者さんが本番で台本を見ながら演技していたら、お客さんはその舞台に感情移入しにくいのと同じことだと思います。
自分が作った楽曲であっても、それをライブで届けられる質まで高めるためには、練習を繰り返します。
そのようにして一曲一曲、ライブに向けては再び作り上げていくわけですが、ぼくにとって試練とも呼べるタフなライブがありました。
それがピアノ弾き語りワンマンライブ『ひとりかい?』です。
これは、ピアノ弾き語りという自分のスタイルの基礎体力、クオリティーを高めるために始まったライブ企画でした。最初は弾き語りしたことのないカバー曲を、毎月20曲ほどピックアップして挑戦するというものでした。
1曲マスターするにも、少なくとも歌とピアノを完全に暗譜するには数日かかります。
先のお台場のエピソードで書いたように、本番では何があるかわかりません。お客さんが入ったときの緊張感は練習のときのリラックスした雰囲気とも違います。
練習でできないことは本番では絶対にできませんし、練習でできていることも本番ではできない可能性があります。
ここで重要になってくるのは、練習でいかに追い込んで、本番でいかにリラックスするかということです。
練習で自分を疑ってこそ、本番で自分を信じることができるのです。
「本当に大丈夫か?もしも本番でアクシデントがあっても、平常心で歌いきれるか?」
そのようにして、あらゆる想定外を想定して、練習では自分にできるだけ負荷をかけていきます。
歌詞を覚えるために、またパフォーマンスをしながら歌っても息切れしないために、山道を走りながら繰り返し歌うというのも、負荷をかける練習の一例として実践してきました。
心肺機能が高められるだけでなく、景色や匂い、鳥のさえずりなどの情報と記憶が結びつくことにより、脳が大切な情報を思い出す手がかりが増えます。
さらに、大腿部(太もも)などの大きな血管が通っている部位を積極的に動かすことになるので、全身の血流が促進されます。脳にも多くの血液が運ばれることにより、脳の機能が覚醒した状態で記憶もはかどるのです。
山まで行くのが難しいときは、公園やマンションの階段などを利用しても良いと思います。
まずは少しでも早い段階で、何も見なくても諳(そら)んじられる状態までもっていきます。そうすると、移動しながらでもお風呂に浸かりながらでも、いつでもどこでも復習を繰り返すことができるのです。その時々の場所と記憶が結びつくと、その記憶はどんどん確固たるものになります。
そして自分の中で自信が持てる段階まできたら、人に聴いてもらうことでさらに記憶は定着します。
人に伝えようと思うと必然的に頭を整理する必要があるとともに、緊張感もありますし、より本番に近い状態の自分を体験することもできます。また、感想などをもらいブラッシュアップすることも期待できます。ぼくも毎週レコード会社でリハーサルを見てもらい、さらに高めていきました。
これだけ練習したのだから大丈夫だという本番でのリラックス方法や、これらの暗譜方法は、音楽に限らず、スポーツにしても仕事にしても受験にしても、共通して効果を発揮してくれます。
何かを覚えたり、本番で力を発揮する必要がある際は、よければ活用してみてください。
また、限られた時間での練習の成果を上げるためのポイントもあります。
それは、綺麗に整えた空間で練習するということです。
雑然とした空間では集中力も下がるので練習効率、効果が下がります。その積み重ねは結果的に大きな差を生みます。
練習前はピアノを拭いたり、目に入る景色を綺麗に整えるようにしました。
かのイチロー選手も、グローブなどの道具をとても大切にされて練習や試合に臨まれたことは有名な話です。
また、もう一つぼくが実践した暗譜法があるのですが、それはそのまま勉強などの暗記法にも通じます。
記憶は寝ている間に脳に定着するという仕組みを活用した方法です。
日中の練習はもちろん大事ですが、寝る前に必ず復習をするのです。
すると、脳によって寝ている間に一日の記憶が必要なものと不必要なものとに整理されるとき、必要な情報として記憶に定着します。
そして、朝起きたらもう一度復習するのです。これで脳に深く記憶が定着します。
このやり方を繰り返せば、三日あればたいていのことは暗記できるようになりました。
それぞれの曲を個別に20曲暗譜できたら、今度は全体のMCなどの構成も含めた通しリハーサルを繰り返す段階に入ります。
そうやって脳と体に定着させる範囲を増やしていくのです。
これは野球で例えるなら、ひたすらノックを繰り返して守備練習をして、ひたすら素振りをして打撃を高めたら、今度はようやく試合形式で全体を向上させていくようなイメージです。(もちろん打撃と守備以外にも走塁など、試合に必要な要素はまだまだたくさんありますが)
英語の勉強で言えば、単語の暗記、熟語の暗記、文法の理解という個別のスキルの土台があってこそ、英語の長文読解の練習ができるようになるのと同じことです。
ライブも、歌、演奏、MCなどの要素があってはじめて、ライブ全体の構成に入っていけるのです。(もちろん、衣装、照明、音響、ゲストなど、細かい構成要素も同時に詰めていきます)
そのようにして、必死で練習した日々を思い出します。
あるとき、仕事から帰宅後の夜にピアノ弾き語りの練習をしようとしたのですが、家の電気がつきません。
電気代が支払えておらず電気が止められていたのです。
そのため電子ピアノの電源が入れられずに困り果てました…。
そのときは急いで対応してなんとかなりましたが、下積み時代にはそういうこともよくありました。
さて、山あり谷ありのなか、なんとか根性と工夫で回を重ねていったピアノ弾き語りワンマンライブ『ひとりかい?』。
その集大成とも言えるコンサート音源を、今夜note限定初配信します。
この日は、20曲ほどのピアノ弾き語りを中心にした約2時間のライブを、さらに昼夜2公演開催し、計40曲ほどを歌い切りました。
そのクライマックスの2ndステージを配信したいと思います。
なかなかハードな試練でしたが、今聴いてみるとそのときならではの良さも感じました。
まだ拙い部分もあるとは思いますが、精一杯の情熱を捧げて向き合った清々しさ、誇らしさのようなものを感じました。
確かに、このときの土台の上での今があるのだと。
そんな今夜のライブ音源には貴重なお楽しみコーナーも随所にあります。
それはライブスタートからアンコール最後の最後までお聴きいただいて、お楽しみください。
今回もnoteの音声配信にアップできる上限100メガに可能な限りの音質と長さで編集し、前後半に分けて配信します。
あなたの、あなただけの特等席をご用意しています。
今夜は2010.5.16江古田マーキーの会場への時間旅行をお楽しみください。
地下に下りていくライブハウスの空間は超満員です。その空気感そのままにお届けします。
今はその光景は難しくなりましたが、BACK TO THE SONGによってあなたのお部屋をライブ会場に変えていただくことができます。
さあ、照明がライトアップされ、あなたの拍手に応えて、本番のステージ始まります。
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