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満天の宙の下
夜明けだ
新しい夜明けだ
雲一つない夜明けだ
昨日までの世迷い言も
まるで消えてしまったかのような
澄み切った夜明けだ
昨夜私は
満点の星空を前に
悩み事の一つひとつが
宇宙の中に帰っていくように
私から手放されていくことを
願っていた
その瞬間
流れ星が
漆黒の闇を切り裂くように
星と星の間を
横切ったのだ
それは、私のささやかな願いに
夜空が応えてくれたように
感じられた
その夜私は
不思議な夢を見た
人間の心と心が通い合うような
温かい愛が伝わってくる夢だった
宇宙飛行士が姿を変えて
遠く離れた命に
橋を架けているようだった
そして迎えた朝
空が少しずつ白み始め
山の端がはっきりとくっきりと
地球と宙を分けている
その向こうには帯状の雲がうっすらとピンクに染まり
眼下の町並みには
白蛇のように朝靄が湧き立っている
それを霊気満山というのだと
私は聞いた
この山に息づく
大小様々な命の集合体が
白い靄として私たちの眼には映るのだ
それは手では掴めないけれど
確かに見ることができる
確かに感じ取ることができる
小鳥達がいそがしく朝のさえずりを始めている
虫の音も規則正しく愛をささやいている
そして私は
宇宙に見護られながら
私の心の中の小宇宙が映す
人生という名の物語の
新しいページを開いたのだ
それは途方もなくつづく
大宇宙の生命の営みの中の
一番新しい1ページを
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