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都民ファ代表質問③「まちづくり編」


1) 築地地区まちづくり

東京都都市整備部HPより

 築地地区では、都心の大規模な土地、歴史・文化資源などのポテンシャルを生かしながら、民間の力を最大限に活用して、東京の持続的な成⾧につながるまちづくりを進めていくこととしています。
 2018年5月に外部の有識者から成る築地再開発検討会議により取りまとめられた「築地まちづくりの大きな視点」を踏まえ、2019年3月、都として築地のまちづくりの将来像や方向性、進め方を示した「築地まちづくり方針」を策定しました。また、築地地区まちづくり事業については、2022年3月に事業実施方針を策定、2022年11月には事業者募集要項等を公表し、2024年4月に事業予定者を決定しました。

東京都都市整備部HPより


事業予定者の提案概要

●築地地区のまちづくり計画

 都は先日、築地地区まちづくり事業の事業予定者を公表しました。都心のまたとない最高のロケーションに加え、浜離宮恩賜庭園や隅田川といった魅力的な資源など、築地は様々なポテンシャルを有しています。こうした築地で、約19ヘクタールもの広大な都有地を活用する今回のまちづくりは、世間の注目を集める重要な事業です。

Q. 築地の街づくりに当たっては、水や緑、歴史といった築地の資源を生かすとともに、東京が日本の経済成長をけん引していく大きな武器となるような事業としていくべきですが、どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。

<小池百合子都知事>
 恵まれたロケーションや、歴史、文化資源などのポテンシャルを生かし、魅力的なまちづくりにより、東京の持続的な成長につなげることが重要。
 今回の(事業者の)提案では、水辺を生かした景観や緑あふれる広場空間に加え、国際的なスポーツ大会やエンターテインメント、大規模展示会等が開催できる施設や多様なグレードのホテルなど、国際的な交流拠点に相応しい多様な機能を導入 。
 今後、外部有識者も交えて事業予定者と協議するマネジメント体制を構築し、計画の更なるブラシュアップを図っていく。先進性と国際性を兼ね備えた、東京の新たな顔となるプロジェクトへと進化。

●食文化

 築地は食のまちとして世界中から認知されているブランドであり、築地が培ってきた大切な食文化を守り、生かしていくという理念は、今回の事業において重要なテーマになっています。
 築地が食のまちとして、今後も世界に認められ続けるためには、国内外から築地を訪れる人々に、食を堪能していただくことはもちろんですが、加えて、場外市場などのそれぞれの店が持つ「築技(つきわざ)」といわれる目利きの知恵やノウハウなどを守り、育てるとともに、様々な人に知っていただくことも欠かせません。

Q. 築地地区のまちづくりに当たっては、築地から日本の食の魅力を世界に発信していくことが重要と考えますが、見解を伺います。

<東京都技監>
これまで培われてきた食文化などを十分に生かし、築地ならではのまちづくりを進めることは重要。今回選定した事業予定者の提案では、世界に誇る日本の食を堪能できるフードボールや一流料理人の経験・技を学ぶ機会等を提供する築地クリナリーセンターなど、築地ブランドを守り、発展させ、世界に発信する多様な機能を導入。
今後、事業予定者などと計画の具体化を図り、場外市場とも連携した施設の運営やイベントの実施などにより、世界に対し、日本の食文化の魅力が十分に発信されるよう取り組んでいく。

事業者の提案内容

●情報発信と都民参加

 先日、都が公表した事業予定者の提案は、多くのメディアに取り上げられました。開発によって築地のまちがどのように変わっていくのか、都民の関心は非常に高くなっています。
Q. こうした声に応えるためにも、丁寧に情報を発信するとともに、都民がまちづくりに参加できる機会を設けるなど、事業に対する幅広い都民の理解と共感を得ていくための取組が重要と考えますが、見解を伺います。

< 東京都技監>
都心のまたとない大規模で貴重な土地であり、注目度の高い築地まちづくりに当たっては、わかりやすく情報を発信するとともに、都民の意見も踏まえながら丁寧に進めていくことが重要。今後、事業予定者とも連携し、まちの将来像や事業の内容、進め方等について、ウェブサイトや SNS 等の様々な媒体を活用して積極的に情報を発信。また、事業の具体化に当たっては、事業予定者によるワークショップの実施など、都民の意見を幅広く聞く工夫をしながら進める。こうした取組を通じ、都民の理解と共感を深めながら、まちづくりに取り組んでいく。

2) 暑さ対策

●熱中症予防:クーリングシェルター

環境省が発表したクーリングシェルターロゴマーク

 暑さ対策について伺います。私たちはかねてより、暑さから命を守る取組みの重要性、特に部活動やスポーツ大会に参加する児童生徒、さらには高齢者を対象とした暑さ対策の実施を訴えてきました。
 この度、都は、今年度から施行された改正気候変動適応法に基づき、熱中症特別警戒情報が公表された際に開放されるクーリングシェルター」を設ける自治体を間接的に支援することを表明しましたが、誰もが行ける距離に、そして、想定した人数を収容できる施設にするとともに、それらを地図上で示すなど、実効性のある取組みにするべきです。

Q. クーリングシェルターの設置を進めるにあたり、高齢者等を含む誰もが利用できるよう取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

<環境局長>
熱中症特別警戒情報(熱中症特別警戒アラート)等の発表時には、都民が涼しい環境で過ごせるよう、区市町村長が指定するクーリングシェルターを活用することが重要。そこで都は、現在、都内500以上の施設の情報を公表しており、位置を分かりやすく案内するため東京都防災マップ等にも(クーリングシェルターを)掲載する。また、自宅から近く、誰もが利用しやすい公民館等の公共施設を地域の実情に応じ原則指定を区市町村に促す。さらに今後、施設の利用状況、設置・運営に係る課題や好事例等を調査した上で、高齢者等が利用しやすい効果的な施設の設置に向け、区市町村と連携して取組。


追記:6月21日から東京都防災マップに「クーリングシェルター」が表示されるようになります。スマートフォンからは「東京防災アプリ」から確認できます。

PCからは「東京防災マップ」
携帯からは「東京防災アプリ」

●熱中症対策:都有施設に「アイスバス」設置

 日中のスポーツを行う際の熱中症を予防するにあたり、都はこれまで、スポーツ団体に対する補助金の中で暑さ対策を行えるようにしてきましたが、熱中症予防の指標として、暑さ指数(WBGT)が有効であることが知られています。

 また、熱中症になってしまった場合には、速やかに深部体温を下げる必要がありますが、最も効果的なのが、傷病者を、身体全体が浸せる量の水に大量の氷を投入したアイスバスに漬ける方法であり、米国等では既にスポーツ施設や学校で設備が導入されています。

Q.私たちは、スポーツ関連の都有施設における熱中症対策の整備状況を調査し、整備されていない場合には、「アイスバス」等の設置を求めてきましたが、取組状況について伺います。

<生活文化スポーツ局長>
都民に安心して施設を利用していただくためには、予防と、発症時の対応が重要。今年度、都立スポーツ施設に暑さ指数計を配備。測定した数値に基づき大型パネルを用いて注意喚起することにより、利用者は水分補給をするなど、熱中症を予防することができる。アイスバスについても各施設に新たに配備し施設管理者向けに専門家による使い方に関する研修会を開催し、これらを通じて、安全なスポーツ環境の整備に取り組んでいく。

3) 太陽光パネル設置義務化

 知事は先日の所信表明で、「今の都民のために、そしてまだ見ぬ100年先の都民のために働かなくてはならない」と述べられました。時には痛みを伴いうるため、先送りにされがちである環境問題に正面から取り組むことが、100年先の都民へ想いを馳せた責任ある政治であります。

ゼロエミッション東京
カーボンハーフ


 都の気候変動対策は、小池知事就任以降の8年間で目覚しい進展を遂げました。国に先駆けて2050年ゼロエミッション東京2030年カーボンハーフを掲げ、大手ハウスメーカー等への太陽光パネル設置義務化の制度を創設するなど、日本を牽引する施策を展開してきました。新制度の開始まで1年を切る中、都は様々な支援策を講じながら、施行に向けた取組を丁寧に進めています。

 また、都はこれまで、太陽光パネルのリサイクルや、サプライチェーンにおける人権配慮への取組なども含む、都民からの疑問等に対して、Q&Aによる周知や、様々な媒体による広報を実施してきました。一方、未だに、太陽光パネルに対するネガティブな情報発信が存在することや、環境性能の高い住宅のメリットを知らない方がいらっしゃるのも事実です。

Q. 本制度は、建物の断熱・省エネ性能を高め、再エネ設備等の設置を促進する実効性の高い施策であり、こうした住宅の標準化に向けた取組を推進しつつ、都民の制度等への更なる理解の促進を図ることが重要です。新制度施行に向けて1年を切った今、これまでの成果と今後の取組を伺います。

<環境局長>
都は、脱炭素化に加え、経済性、快適性や防災性の観点から有効な環境性能の高い建物の普及を推進。具体的には、ハウスメーカー等による新たな住宅モデルの開発を支援するとともに都民等に対して相談窓口や Q&A の随時更新等による丁寧な広報を実施。その結果、太陽光パネルの標準設置高断熱で快適な住宅等のラインナップが着実に増加。また、三年以内の新築住宅購入検討層の認知度は七割超。今後はより多くの事業者の制度への参加を促すとともに、業界団体や各局とも連携し、年間を通じた広報展開などにより、来年度の円滑な制度開始につなげていく。

→子ども教育施策に続く