1日目の内見で、家を買った話
心にぽっかり穴が開いた。
物件探しをしていく中で、まさかこんな気持ちになるなんて思ってもみなかった。
24時間スキマがあれば物件を探し、「ここだ!」と思う家を見つけてはじめての内見を申し込みした。返ってきたメールを読んだ時の気持ちが、冒頭の私である。
申し込んだすべての物件が、契約が入ってしまったり、売主さんの都合で取り下げになってしまったからだ。
え…なにこの、告白してないのに振られたみたいな感じ。物件探しってこんなに過酷なの…と絶望しかけた木曜深夜。
ダメ元で無理やり4軒リストアップし、週末の内見にすべり込みで参加した。これはもしかしたら長期戦になるかもしれないぞ。過酷な中古物件探しがはじまった…と思ったんだけど…
内見1日目にして見つけた家を、今日私は買うことになる。
中古物件は、一期一会、ゆっくりいそげ、運命の出会いが…ある…?
私が依頼しているリノベ会社は、内見に同行してくれるので、4軒一緒に来てもらった。建物の構造上、リノベが可能な範囲(壊せる壁や、水回りの可動範囲など)や、マンションの管理状況なども教えてくれるので、同行をお願いしてよかったと思う。
その日はダメ元で、そこまで期待していなかったけれど、みた物件はどれも意外とよかった。
築年数が古いマンションも、遊び心が感じられて意外と素敵。純喫茶のようにクラシカルな意匠が随所に施されていて、そこも味だと思える雰囲気だった。
「すぐにピンとくる物件が絶対あるよ」
と経験者から言われていたけれど、そんな出合いもちゃんとあった。そのマンションは5秒で「あ、ここだ!」と思った。
外観や共用部分も整っていたし、周辺の緑も多くて住みやすそう。天井高もあり、角部屋で採光も◎、広々としていて一瞬で気に入った。部屋の中は少し年季が入っていたけど、リノベ前提で選んでいるからそこも大きな問題ではなかった。
少し予算オーバーだったけど、私が住みなれた地域だったこともあり、旦那にゴリ押しして即決した。
6月下旬、梅雨らしい1日。
仕事終わりにリノベ会社で申込書を書いた。
ひとめぼれからの、マリッジブルー
ひとめぼれして、「絶対ここがいい!」と思ったはずなのに、結婚前には1ミリも感じなかったマリッジブルーのような気持ちもはじめて経験した。
だって、家は人生で大きすぎる買いものだ。
予算も少しオーバーだし、今は仕事があるからいいけど働けなくなったらどうしようとか、広いからこそリノベ費用も結構かかるし、希望の施工がどこまで叶えられるかもわからない。
申込書を書いてからローン事前審査の結果が来るまで少し時間があいたので、ほかの物件を未練がましく探したり、ほかの物件候補のエリアをあてもなく歩き回ってみたり、リノベ経験者の先輩たちに話を聞いたり、新築マンションに住む姉のお宅見学をさせてもらったり、契約予定の物件の間取り図を何度もみたりしながら、「本当にこれでよかったのかな…」と何度も不安になったりした。
完全にマリッジブルーの花嫁である。
でも、色んな街を歩き回ってみて、悩みに悩んでみて、担当者さんに細かく質問したりしてみて、結果的に自分の直感を信じることにした。
そして今日。
6時間後、私は家を契約しにいく。
ずっと憧れていたモルタルのキッチンは、旦那の意向もあり諦めた。
価値観が本当に真逆すぎて、すり合わせが大変で、喧嘩したり、何度も泣いたり、ここからがたぶん本当のはじまりだけど。
とりあえず、1番大変だと思っていた物件探しもひと段落。
家をつくることは、人生の優先順位を決めること。自分の価値観を見直しながら、理想の家づくりを叶えたいと思う。
マリッジブルーのおともたち。