そのよりみちが“豊かさ”をつくる
日差しがやわらかくなり、道行く人々の服装が軽やかになり、目の前に広がる風景が春色に染まり始める頃。私は、小さな決意をしました。
それは、会社員ではなくフリーランスのライターやSNSプランナーとしてのキャリアを歩むこと。
Twitterのフォロワーは増え、noteで記事を書くこともライフワークになり、ありがたいことにSNS経由でお仕事の依頼が少しずつ入るようになって…。
こうして私はフリーランスのSNSデザイナーになりました。
なによりも効率重視だった1年前
前職でもライターさんと一緒に仕事をしていたから「フリーランスは時間の使い方がすべて」ということはなんとなく知っていたし、厳しい世界なんだろうなと思っていました。
取材の日はなるべく予定をつめこんで、移動の日と家での作業の日は完全に切り分けていたし、とにかく仕事や案件はコスパが重視。マネージャーなんていないから、金額の記載がない案件は最初から受けない…など。
ありがたいことに、最初から月額固定で複数のお仕事をさせてもらえることになっていたので、初月から売上は順調だったけれど、心理的な不安を少しでもなくしておきたくて、なによりも効率重視の働き方をしていたと思います。
だから、同業者とのランチも基本的に行かなかったし、面白そうなイベントでも夜は家庭を優先してほとんど行かなかった。
自分にとってよりみちだと思えることは、一切しないように。無駄な時間はとにかく省いて働くように。
そんな風に過ごしていたので、独立して2ヶ月目経つ頃には、夜もとにかく満足いくまで仕事をしないと不安で、ゆっくり休むことを忘れてしまっていた気がします。
余白をつくることで、心を動かす機会をつくる
でも、そんな風に効率重視で生きることで、世界がすべて予定調和になってしまって。想定以上に何かに感動することもない、知識を得ることもない、人の貴重な考えに触れることもなくなって…そうやって自分で自分の成長の幅を狭めてしまっていた気がします。
そういえば、周りにいる素敵な人たちは、プライベートで体験したことも仕事に活かしているなぁと改めて気付かされました。
読書が好きな人は素敵なことばや、考え方をよく知っているし、スケジュールを人と会う予定で埋め尽くす人は、自分の得意分野外の知識も豊富。出張が多くホテルや宿に泊まることが多い人は、素敵なプロダクトへの感度が高い。
もちろん、そのすべてが仕事に活きるわけではないけれど、“よりみち”が豊かさをつくり、人としての深みを醸成しているんだろうなと。心から思えるようになりました。
そのよりみちが“豊かさ”をつくる
そういえば、自分の今までを振り返ってみても、半分仕事だけど強制ではなかったTwitterや、趣味ではじめたnoteがこうしてちゃんと仕事につながっている。
スタバの店員という一見関係なさそうな職種も、働く上での様々な場面でちゃんと活きている。
よりみちだと思えることにムダなことなんてないのかもしれない。
その“よりみち”が、自分の興味関心の幅を広げてくれるきっかけになったり、“豊かさ”をつくるのかもしれない。
ー編集長の仕事は、とにかく外に出ていろんな人と会うこと
最近、印象的だったのは社長と話していた時にもらったこの言葉でした。
いろんな人と会って話をすることが、cocoroneのグロースに直接的に結びつくことはないかもしれない。だけど、そのよりみちが、企画を生む時のヒントになったり、今後の素敵なつながりを運んできてくれるかもしれない。
仕事の合間に淹れるコーヒー、仕事帰りのお店巡りや買いもの、人とおいしいごはんを食べること…。
この春は、たくさんよりみちして、自分なりの心の“豊かさ”を少しずつつくっていけたらと思います。
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去年の春はこんなnoteを書きました。この記事も、新しい一歩を踏み出す誰かの“豊かさ”につながりますように。