DAOの本質と日本人の道徳心
DAOに必要なのは、僕たちもよく知っている言葉
持ちつ持たれつ
この精神や行動にある。
これまでは、この ”持ちつ持たれつ” が成立する条件として
『相手も同じ思考で行動する』
というのが成立する前提条件でした。
しかし、個人の短期的な利得や、近しい他人の利得を優先する行動が、遠い誰かの損に繋がるトレードオフ関係から脱却できていなかったことに、問題があったと思われます。
考え方は素晴らしく、皆が良いと考えそうな上記の思考が成立しない部分は、前提条件である
『相手も同じ思考で行動する』
という部分が、個々人の考え方や信用に委ねられ過ぎていること。
この部分を、自動販売機のようにプログラム化することによって、脱却しうると考えられているのがブロックチェーン技術を活用したスマートコントラクトによる自動執行型組織運営となる気がします。
相手の信用には限界があるが、決まり事として環境が整っていれば、人は安心して行動できる。
その行動が、他の誰かの価値になれば、自分にも何かが返ってくる。
スマートコントラクトで決める内容によって、そこに集まる人の特性が変わるし、その集まった人たちが作り出す環境も変化する。
本当の意味でDAOが成立するには段階が必要
大雑把に考えても、DAOが成立しうる環境変化には、多段階あると考えています。
自動執行型のコミュニティにとって大事なのは、どんな思想やルールに基づいた場所なのかを、プログラムによって描くこと。
どんな人に『魅力的だ』と感じてもらいのかをプログラムで描くこと。
そして、『魅力的だ』と感じた人たちが、自発的に何かしらの行動をしたいと思えるものをプログラムで描くこと
そして、何かしらの行動をした人が、その結果に応じて、何かしらの価値還元が行われる仕組みをプログラムで描くこと
そして、価値還元された何かしらを、別の魅力的な活動や行動に利用できる環境をプログラムで描くこと。
各企業やコミュニティが、また国が、個人が、どんな環境を理想とするのか。
理想とは全て、個人の主観がベースとなるため、万人に対して理想の環境を他人が提供することは不可能だと思います。
しかし、やろうと思えば自分で勝手に、自分の理想となるコミュニティを作ることができる・・・
そんな環境を用意すれば、もしかしたら人は自発的に、自分たちの理想的な『国』を、自由に建国するかもしれない。
この環境こそが、ブロックチェーンが見せてくれてる一縷の望みであり、可能性だと考えています。
どんな理想や思想を掲げてもいい。
その理想に共感する人がいれば、そのコミュニティの規模は自然と大きくなっていく。
そして、大きくなっていけば小さな主観のぶつかり合いも多くなり大きくなっていく。
それでも、立ち戻る場所として
『プログラムによって規定されているルール』
という価値基準の存在によって、人が人を恨まず、疑わず、自由に生きられる場所になりうるのではないでしょうか。
そんな環境を作りたいし、その自由が世界中に広まってくれたら良いなぁと思いながら、今できることをやっていきたいと思います。