リスペクトと尊敬の違い

リスペクトっていう英単語は、日本語でいうと尊敬っていう意味だよ、と昔習った。

大人になって会社に入って、どちらの単語も馴染みのある単語になった今、なんかちょっとだけ違うような気がした。

今回はそんなモヤモヤが晴れる、少し腹落ちした切れ目を見つけた気がするので書いてみる。

違い①リスペクトは人に向いていて、尊敬はコトに向いている

尊敬という単語は、コトに向いていると思う。例えば、こんな会話ってめちゃくちゃ自然だと思う。

「尊敬する人は?」「お父さん!」「どんなところを尊敬してるの?」「誰にでも優しいところ!」

この会話の前提には、尊敬の対象としての属性やスキル、人間性といった現象の必要性が隠れていると思う。

人を尊敬するためには、尊敬に値する価値が必要だと、実はみんな思っている。

一方でリスペクトというのは、人に向いていると思う。

その対象は田中さんという一人の人であって、田中さんをリスペクトしているから田中さんをリスペクトしている。

田中さんがめちゃくちゃ足が速いからでもないし、リーダーシップがあって人気者だからじゃない。

違い②リスペクトはスキルで、尊敬は現象

そもそもスキルとは何かという点をちょっとだけ補足すると、今回は「世に必要とされる能力」とおきたい。

例えばだけど、いつでもオナラができるという能力を僕が持っているとする。

プロダクトマネージャーをしようとした時に、その能力はほぼ役に立たないから、スキルと呼ぶには値しない。

それが世の中の定義として妥当かという話はさておき、この論点においてはそのニュアンスの違いを含めて伝えたい。

リスペクトはこの点においてスキルだと思う。労働市場は、人をリスペクトできる人を求めている。

例えば人にパワハラをしてしまうような上司や、いつも人の悪口を言っている人は、人をリスペクトするスキルに欠けている。チームワークの生産性を高める阻害要因になるから、市場はこのスキルに価値を感じる。

一方で尊敬という単語は、スキルではなく現象だと思う。

人を尊敬するというのは感情面の話であって、自然と湧き上がってくるものだと思う。

そして、それが表面的に行動としてどう現れるかは問わない。

おわりに

英単語の和訳について考えているつもりだったけど、リスペクトっていう単語はほとんど和製英語なのかもしれない、と少し感じた。

あくまで主観的な意見なので賛成・反対はあると思う。少しでも「確かに!」と楽しくなってくれたらいいし、「ちょっと違うな」という場合は、何が違うのかを深掘りするための材料にしてもらえたら嬉しい。

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